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2021年5月25日 (火)

カリフローレ始末

 藤沢駅北口商店街にあるダイエー藤沢店へ食料を調達しに行った.
 このスーパーは客がとても少なくて,新型コロナウイルスの感染症リスクが非常に低いので,私は好んでここで買い物をする.
 さて私はカリフラワーが好物なのだが,これは旬が晩春までで,時季が過ぎたせいかこのところ,店頭で大人の握りこぶしくらいのものが三百円近い値段で売られている.重量単価では,安い時の二倍くらいの価格だ.
 
 ところでダイエーでは,売れ残り野菜が「お得」であるとして叩き売られている.
 昨日はソフトボール大のカリフラワーがポリ袋に一個入って二百円だった.ただし花の部分が薄茶色に変色していて,見た目がよろしくない.
 とはいえ安いのには抵抗できなくて,カゴに放り込んだ.
 ついでに野菜売り場を物色すると,日本で開発されたスティック・カリフラワーの一種であるカリフローレが,一袋百七十八円で棚に置かれていた.あったのは一袋だけで,これも売れ残りと見えて変色している.
 だが実は私,カリフローレを食べたことがない.そこで安いやつを試しに食べてみようと思い,これもカゴに放り込んだ.
 
 帰宅してカリフラワーを茹でるために小房に分けている時に,太い茎の根元にスが入って空洞になっているのに気がついた.
 これはもう消費期限切れ品の鮮度だ.
 これに気が付かなかった私がバカなのではあるが,ダイエー藤沢店は平気でこういうことをやるので,気をつけなきゃいかんなーと反省した.
 がっかりした気を取り直して,鍋に湯を沸かし,小房に分けたカリフラワーを湯がいた.
 余談だが,昔の言葉で「不透明な食材が,茹でて半透明になる」ことを「水色になる」といった.テレビの料理番組なら江上トミ先生や土井勝先生たちの時代の話だ.この「水色」は,もちろんクレヨンなどの「水色」とは全く別の意味である.
 また乾麺の冷麦やうどんの袋の裏に「麺が水色になったら冷水にとり,よく洗う」なんてことが昔は書かれていたものだ.今の乾麺は茹で時間が七分とか八分とか指定されているので,「麺が水色になる」という言い方は廃れてしまったが.(茹で時間を書かないと消費者からクレームが来るとメーカーの人から聞いた)
 カリフラワーも乾麺のうどんと同じように「水色になる」ように茹でるが,乾麺とは異なって,沸騰している湯に投入し,再沸騰するとすぐに「水色になる」
 茹で時間はカリフラワーの量と湯の量 (鍋の大きさ) によって大きく変わり,普通は再沸騰してからおよそ一分乃至二分ほどであるが,茹で時間よりも目で見て「水色になる」を目安にするのが確実である.
「水色」以上に茹でると,腰の抜けた食感で著しく味が落ちるので,私は「水色になった」段階ですぐに鍋から引き上げることにしている.
 熱を通したカリフラワーを冷水で冷やすと水っぽくなるので,ザルに取って湯切り (テレビの料理番組ではこれを「岡上げ」といっている) し,団扇であおいで冷ますといい.
 
 さてカリフローレだ.
 これはどう見てもカリフラワーの仲間だ.フローレはフラワーだもの.
 そう簡単に考えて,カリフラワーと同様に茹でてみた.
 そのあとでネットで「カリフローレの食べ方」を検索して,驚いた.
 ウェブページ《カリフローレの食べ方!生でも食べれる?美味しくなる調理法はどれ?》の二つ目の画像には,市販カリフローレのパッケージに書かれている食べ方が示されている.この画像のカリフローレの製造販売者はトキタ種苗だという.トキタ種苗はカリフローレを開発した会社である.
 その食べ方は《加熱するなら一瞬で 生のままでも食べられますが、下ごしらえの加熱は湯通しするくらいで》である.
 しかも上記ウェブページの筆者 (自称料理研究家の「どん」さん) は「カリフローレは茹ですぎるとかたくなる性質がある」として,お勧めの調理法として生で食べるコールスローに☆を五つも付けている.
「しまった,カリフローレは茹でちゃいかんかったか!」と私は慌てた.
 そこでトキタ種苗の企業サイトを検索してレシピを閲覧してみた.すると,こんなこと (↓) が書いてあった.
 
《カリフローレの色とりどりサラダ
 採れたての野菜を美味しく食べよう!
 材料 (2人分)
  カリフローレ
  レタス
  ゴルゴ
  赤サラダからし菜
  他お好みの野菜
  お好みのドレッシング
 手順
 ①野菜を食べやすい大きさに切る、ちぎる。
 ②カリフローレは、熱湯で1分ほど茹で、冷水にとり水を切る。
 ③素材を盛り付けてお好みのドレッシングでいただく。》
 
 上の引用箇所中に文字を着色した部分だが,カリフローレを《熱湯で1分ほど茹で》るのでは,《加熱するなら一瞬で》とは正反対のやりかたである.一分ならカリフラワーとほぼ同じ加熱処理時間だ.
 トキタ種苗さんは何を考えているのか.
 そもそも「一瞬加熱する」というのは,数秒間加熱することを言う.常識的な言語感覚では「一分」は絶対に「一瞬」ではない.
 沢木耕太郎に『一瞬の夏』という名作があるが,料理は文学ではない.
 ポテトサラダにはキュウリを入れるのが定番だが,輪切りにしたキュウリをストレーナーに入れ,上から熱湯を一気にかけ流すことをする.これが「一瞬加熱する」だ.こうするとキュウリに大腸菌群が付着していても大きく減って,ポテトサラダが腐敗しにくくなるのは周知の通りである.
 で,通常の野菜は,茹でると軟らかくなる.茹ですぎるとクタクタになる.だが自称料理研究家の「どん」さんは,カリフローレは硬くなるというのだが本当だろうか.
 生で食べると,カリフラワーとおんなじで,たぶん青臭いしエグ味があって消化が悪いと私はにらんでいる.
 にらんでいるが,実験検証する気はない.
 結局,私はカリフローレをフツーに茹でて,フツーにマヨネーズで食べてみたのだが,「どん」さんが書いているように茹でても硬くなることはなく,茎は硬いというよりむしろパリッとした食感になり,もしかするとカリフラワーよりも旨いかも知れないと感じた.
 料理としては,下茹でしたカリフローレを,フライパンにオリーブ油を引いて焼き,グリーン・アスパラガスも同様に焼いて,上にサニーサイド・アップを載せたら朝飯にいいんじゃないか.
 
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