ワクチン事変
私の居住地である横浜市では,七十五歳以上の市民を対象とするワクチン予約クーポンを,四月末日に発送した.
明日から,その七十五歳以上の市民が,電話受付窓口とネットの予約サイトに殺到する.
幸運にも予約をできた人以外は,次の機会を待つわけだが,そのときは六十五歳以上の市民たちと競争を繰り広げることになる.
その予約競争に敗れれば,次はさらに若い人たちと争わねばならない仕組みだ.
予約に失敗すればするほど,予約成功の確率は大きく低下していくのである.
大昔の公団アパートでは,抽選に繰り返し外れれば,当選確率が上がるようになっていたと思うが,横浜市ではワクチン競争の敗者に救済は行われないらしい.
詳しいことは市のサイトには何も書かれていない.書けばパニックが起きるからだろう.
政府 (河野大臣) は,必要なワクチンを確保したと言っているが,順天堂大学大学院・堀賢教授が今日の《ビートたけしのTVタックル》でコメントしたところによれば,「枠」を確保しただけであって,ワクチンの実物が入手できるという意味ではないようだ.
続いてコメントした ひろゆき 氏は,メーカーが日本に輸出しようとすると,米国やEUがそれを承認しないという挙に出る可能性が高まっているのだと述べた.
というのは,変異株対策として,ワクチンの三回接種が有効らしいのである.
そのため,ワクチンの品薄に拍車がかかるようだ.
テレビ報道で,インドの惨状を観た.
広い場所に多くの遺体を並べ,その上に薪を積んでキャンプファイアのようにして火葬が行われている.
こんな光景を映画で観たことがある.
たぶん『戦争と人間』(山本薩夫監督作品,日活,1973年) の一シーンだったかも知れない.
満州で戦死した兵の火葬である.
夜の帳が下りてからも赤々と燃え続ける火葬の炎が,私の胸を締め付けた.
それは日中戦争が激化する前のことだから,日本兵のお骨は満州から本土に帰還したが,インドのワクチン戦争の敗者二十一万六千人には,荼毘に付すことはできても骨を埋める土地がないらしい.
話は元に戻って,ワクチンを接種してもらった高齢者たちは何をするだろう.
カラオケ店に殺到するような気がする.(*註)
そしてマスクなしでマイクを舐めるようにして昭和歌謡を歌うだろう.
あるいはマスクをせずにスーパー等に買い物に出てくるだろう.
スーパーの店員は,マスクをしていないジジイババアに「マスクを着用してください」と言う.
するとキレたジジイが,店員の顔に飛沫を浴びせながら食って掛かる.「ワシは免疫があるんだぞっ」と.
でも年寄りは,原理的に,ワクチンを接種しても充分な免疫ができるとは限らぬのだが.
日本の年寄りの本性が露呈する日がもうすぐやってくる.嫌だなあ.
(*註)
カラオケボックスの業界団体「一般社団法人日本カラオケボックス協会連合会」は,カラオケボックスでクラスターが発生した事実はないと発表している.(《カラオケボックスでクラスターが発生した事実は無かったことについて》)
その一方で,国立感染症研究所は昨年,カラオケがクラスターを発生させていると言う事例を公表した.
カラオケボックス協会によれば,全国各地で相次いでいるカラオケクラスターは,カラオケボックスではなくカラオケのある飲食店 (カラオケスナックとかカラオケ喫茶) で発生しているということらしい.
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