いつ死んでもいい定額サービス
『スター・ウォーズ』シリーズの外伝である『マンダロリアン』(STAR WARS "The Mandalorian") を観たいのだが,現状では《ディズニープラス》に加入契約して配信サービスを受けるしか鑑賞方法がない.
元々が劇場公開を前提に制作された映画作品である場合は,劇場の営業成績に影響しないように「ディスク・メディアを販売しない」のは,完全に「売る側の論理」ではあるが,だからといって「販売せよ」と制作会社を非難することは困難ではないかと思う.
映画の場合は,監督の「私の作品は劇場で鑑賞して欲しい」というポリシーがあることも考えられる.
しかし『マンダロリアン』が《ディズニープラス》の「独占配信」になっている理由がよくわからない.
どう見ても《ディズニープラス》はコンテンツが質量共に貧弱だ.一般商品に喩えれば,ディスク・メディアの売れる見込みが立たないヒーローものの駄作と『マンダロリアン』の「抱き合わせ販売」としか思えない.この「抱き合わせ」による割高感が気に食わないので,《ディズニープラス》に加入する気が起きない.
日本でも米国でも,人気の出たテレビ作品は,シーズンごとにBDボックス化されているものが多いが,ディズニーには,ディスク・メディアを販売する気はないようだ.
さて私のようなジジイが死ぬと,遺族が苦労を強いられる.
不動産の権利証だとか,通販のIDとパスワードくらいは予め遺書的に書き残すことは一般的だが,その他の定額サービスの契約がどうなっているかが,遺族にはわからないことがほとんどなのだそうだ.
もちろん料金の引き落とし口座は銀行の手で凍結されるが,毎月発生する料金引き落とし請求そのものはだらだらと続く.
そして,かなりあとになってから封書で請求書が届き,未払い料金を請求されるのである.
このような,遺族を困らせることを年寄りはしてはいけない.
だから私は,NHKの料金も頑としてコンビニ払いを続けている.NHKの場合は,定期的に故人あてに請求書が郵便で送られてくるので,個人宛郵便物の遺族への転送手続きをしておけば,請求書を受け取った遺族がすみやかに解約手続きをすることができるからである.
いわゆる終活で,私と同じ考え (故人が加入した定額サービスのことで遺族を困らせない) の人は多いと思う.
そういうわけだから,高齢社会においては,能動的に毎月の料金支払いを行わない限りは定額サービスが自動的に停止されることが必要だ.
私の場合は,Amazonと楽天との契約解除だけで済むようにしている.この二つは,店舗を出している業者はもちろんだが,出店していない業者への料金決済代行 (Amazon pay など) もしてくれるので,遺族はこの二社にだけ私の死亡を連絡すればいいのだ.
言い換えれば,代金支払い方法としてAmazonと楽天の決済代行が利用できない通販は,どんなに欲しいものがあっても買わない.
話を戻して《ディズニープラス》のことだが,支払いはクレカだ.ドコモの支払いと連動させることは可能だが,ドコモ以外のユーザーはそのためだけにdアカウントを取得しなければならない.これがめんどくさいし,死亡時に契約がどう廃止されるのかがよくわからない.
支払いにプリペイドカードを利用できる (つまり月額料金を払わないと自動的に視聴サービス停止になる) なら,「抱き合わせ販売」の割高感を承知の上で『マンダロリアン』のためだけに私は会員になる.仕組みが簡単スッキリしているからだ.これなら私がいつ死んでも,遺族に被害が及ばない.
こういうところに,高齢社会のビジネスチャンスがあると思うが,若い人は理解できないだろうなあ.
『マンダロリアン』は,色々とめんどくさい手続きを抱え込んでも観たいほどのものではないのである.
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