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2021年4月20日 (火)

聖火リレー今昔

 NEWSポストセブン《報じられない聖火リレーの真実 大音量のスポンサー車両がズラリ》[掲載日 2021年4月17日 16:00]
 
3月25日にスタートした東京五輪の聖火リレー。連日聖火ランナーの姿がテレビで報じられているが、それは全体の一面のみを切り取ったものに過ぎない。実際に沿道に行ってみると、目に入ってくるのはコカ・コーラやトヨタ自動車、日本生命、NTTグループなど、スポンサー企業名が大書された改造車両の大行列だ。
 赤や青の派手な色に塗装し、「ゆず」や「EXILE」などの曲を大音量で響かせ、荷台の上ではDJがマイクを使って「踊って楽しみましょう!!」などと叫んでいる。多い時は約30台の車列が続く。
 主役のはずのランナーは最後列を巨大な車に隠れるように走る。車列が現われてからランナーが来るまで10分以上。沿道にいた男性は、「スポンサーの車を見に来たようなもんだ」とこぼしていた。
 
 週刊ポストのこの記事は,いかにも週刊誌らしいものであった.
 週刊誌らしい,というのは,新聞とテレビが報道しないことを暴く,という意味合いだ.
 いまや政治から性風俗まで,すべてのジャンルのスキャンダルが週刊文春の独擅場となった感があるが,どっこいポストもやるときはやるんだね.
 私は,今回のオリンピックには興味がない.
 だから,聖火リレーの様子をテレビで観たのは昨日のNHKニュースが初めてである.
 そして「なるほどー,週刊ポストの言う通りだなー」と思った.NTTを始めとする企業の改造宣伝車は全くカメラの視野に入らぬように撮影されていたのだ.もちろん大音量の音楽は放送されない.
 東京オリンピック2020に関心がないから,聖火リレーを利用したスポンサー企業のやりたい放題好き放題のお祭り騒ぎについてもどうでもいいのだが,ニュース画面を観て驚いたのは,聖火ランナーの走るスピードの異様な遅さである.
 
 思い起こせば1964年の秋,中学生だった私は級友たちと聖火リレーの沿道応援に出かけた.これは学校行事だったから,群馬県前橋市立第一中学校の全員が沿道に立って聖火ランナーに声援を送ったのである.
 その日,新潟県から受け継いだ聖火は,群馬県下の国体級の選手たちによって運ばれ,東京へと向かった.
 もちろん企業の街宣車なんかは一台もない.
 聖火ランナーの後方には,社会人と学生から選抜された県下有数のランナー達が伴走した.
 中学生の選抜ランナーは,高橋君という少年で,私と同じ中学の同じクラスだったから,顔もいまだに覚えている.
 先頭の聖火ランナーが走るスピードは,もちろん競技ではなく「国立競技場の聖火台に着火する」という式典の一部であるから,マラソンや駅伝ほどのスピードではないが,それでも颯爽とした走りであった.
 聖火ランナーは国体級の社会人だから,伴走者は遅れずに走らねばならない.体の小さい中学生代表の高橋君には相当なプレッシャーだったと思う.
 
 さて当時の聖火ランナーの走りを記録した貴重な映像を見つけた.
東京1964大会「私たちの見たオリンピック」(東京都調布市の記録映画)》である.
 この1964年大会の映像と,《東京2020オリンピック聖火リレー 4月17日(土) 香川県 1日目》とを見比べると,聖火リレーの性質が随分と変化したんだなということがわかる.式典からイベントへ,ということだろう.
 だからいけない,なんてことは全くない.聖火ランナーが24時間テレビで,疲労困憊した芸能人走者がテレビ局に入る時みたいに,ペタペタ走っても,何の文句もない.トヨタの社長が宣伝のためにトヨタの工場内に設けられた特別区間を走っても,嫌な感じはするが,別に構わない.ただ,この変化がいつ頃から始まったのか,は調べたがわからなかったのが残念.

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