サービスには笑顔でこたえたい
朝日新聞デジタル《車いすで無人駅利用→「乗車拒否」 投稿したら、わがままとの批判》[掲載日 2021年4月10日 9:30] に掲載されて記事から引用.
《1日、旅行でJR小田原駅(神奈川県小田原市)からJR熱海駅(静岡県熱海市)を経由し、無人駅の来宮(きのみや)駅(同市)に向かおうとした。乗りたい電車の発車時刻の30分前に小田原駅につき、駅員に行き先を告げた。15分後に来るよう案内され、改めて行くと「来宮駅は階段しかないのでご案内ができません。熱海まででいいですか」と言われたという。
伊是名さんは「乗車拒否」と感じた。熱海駅から来宮駅まで約1・6キロ。タクシーで来宮駅まで行こうにも、車いすを乗せられるタクシーは1カ月前に予約しないと乗れない場合がほとんどだ。出発前に調べたが、目的の駅が無人駅であることや事前の連絡が必要なことが分からなかったという。最終的に、駅員4人が来宮駅まで一緒に来て車いすを階段で運んでくれた。》
この記事に書かれている人は伊是名夏子さんは,骨の弱い障害「骨形成不全症」で,体重は20キロ.電動車いすで移動する.
神奈川県内で東海道線をよく利用する人はほとんど知っているのではないかと思うが,来宮駅はすごくローカルな駅だ.
利用客は少なく,次第に寂れて,かなり昔にみどりの窓口はなくなり,伊豆の観光列車「踊り子」号は停車しなくなり,そして遂に無人駅となったのは六年前だった.
さて,JRとトラブルを起こしたことをブログに書いた伊是名さんは「来宮駅が無人駅だったことは知らなかった」という.
しかしそれはネットで調べれば簡単にわかることである.
であるのに,伊是名さんが何も調べずに,JRの片田舎行の電車に乗った理由がわからない.
健常人でも,会社勤めで初めて行く目的地への出張経験がある人は,出張経路の下調べを怠らない習慣が身についている.
私の場合は,乗り換え時間の見積もりもする.ネットの乗り換え案内サイトを見て,駅構内図のデータを見て,どれくらい余裕が必要かも判断する.
交通機関のトラブルがあった際に,どう対処すればいいかも事前に考えておく.
交通機関のトラブルで約束の時間に遅れるのは社会人の恥だからである.
ましてや障碍者の人は,行動するに際して万全の構えで出発するのだと私は思っていたが,そうでもないらしい.
まあ,伊是名さんとJRの間で生じたトラブルについて,軽々に論じるのは避けた方がいい.事件の詳細がわからないからである.
ただ,記事を読むと,伊是名さんに対して駅員さんたちは非常に不愉快な気持ちを持っただろうとは容易に想像がつく.
ケンカ別れだったのだろうなあ.
事件の後のメディアの取材に対して,伊是名さんはいくつか明らかに事実と反すること (「小田原駅の駅員が,来宮駅が無人駅であることを知らなかった」と伊是名さんは言っているが,これはあり得ない嘘である.嘘は心証を著しく損ねる) を答えている.
嘘でないとすれば,どうも強い思い込みを持つ人のようだ.
まあ,不幸な出来事だった.
というわけで,健常者でも障碍者でも,公共交通機関で移動する時は,事前の調べをすることを強く勧めたい.
ちょっとしたことで他人と諍いを避けることができるのだ.
伊是名さんのようにトラブルになってケンカ別れするより,「どうもありがとう,助かりました」と笑顔で別れたいと思うのである.
ところで私の行動範囲のことであるが,JR藤沢駅の北口にバスターミナルがある.
そこでバスを利用する車椅子の人で,乗車や降車の際にバスの運転手を口汚くののしる乗客が一人いる.
その様子を見ていると,運転手に同情するのを禁じ得ない.障碍者に対する世間の偏見を助長することを障碍者がやっているのだ.
なんとも嫌な気になる.
ちなみに,伊是名夏子さんは社民党全国連合常任幹事である.朝日新聞の記事がこれを伏せているのはフェアでない.
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