« 甘い塩漬けキャベツ | トップページ | 上級国民むけのワクチンという疑心暗鬼 »

2021年5月 1日 (土)

お箸の国の人なのに 作法講師の不作法篇

 先日 (4/27) 放送されたテレビ朝日系列の《トリニクって何の肉!?》で「焼き魚の正しい食べ方」が取り上げられた.
 まず最初に,NPO法人日本サービスマナー協会の「ゼネラルマネージャー講師」である松原奈緒美さんが紹介された.松原さんが「正しい焼き魚の食べ方」をVTRで実演指導するのだ.
 芸能人たちの「魚の食べ方チェック」には秋刀魚が使用された.
 これはよい選択だ.秋刀魚は身離れのよい魚で,大変に食べやすいからである.
 焼き魚を食べるとき,骨から身を外すのには,閉じた箸先を身に差し入れてから箸先を開くようにするのだが,秋刀魚の場合はホロホロッと身が外れてくれるので,とても食べやすいのである.
 
20210501a
 
 さて松原先生はどのように食べ始めたかが,下の画像である.
 驚いたことに,左手の親指と人差し指で秋刀魚の頭をつかんじゃったのである.
 自分のうちで,一人で飯を食う際なら,どう食おうと勝手であるが,人の目がある時は,そうはいかない.
 料理屋さんで得意先のエライさんを接待するなんて場合は,見苦しい食べ方をしてはならない.接待する相手が気難しい人だったら,その場で商談は御破算だ.
 
20210501b
 
 松原先生は下品にも秋刀魚の頭をつかんで,秋刀魚が動かないようにしたのであるが,これは箸使いが下手くそな人がよくやる過ちだ.
 松原さんの右手を見ると,親指が妙な具合に反り返っている.こういう持ち方では箸先が繊細な動きができないのだ.
 箸を「伝統的に正しい持ち方」で遣うことができる人は,秋刀魚のように身離れのよい魚は,左手の応援なしで簡単に身を骨から外すことができる.
 日本の伝統的な食事作法においては,料理に手を触れぬことが大切である.
 松原さんのように,「私は箸使いが下手なんです」という人の場合は,食事のときに懐紙を持参すればよい.左手に持った懐紙で魚の頭を押さえるのは「次善の策」として容認されている.
 この懐紙の代わりにティッシュを使う人がたまにいるが,これはよくない.
 ティッシュ・ペーパーは多用途で,菓子鉢がないときに菓子を載せたりするのだが,その他に,中年男が顔の油を拭き取ったり,丸めて鼻の穴に突っ込んで鼻くそを掃除したり,耳かきを耳の穴に突っ込んで掻き取った耳くそを拭いたり,中学生が顔のニキビを潰すのに使ったり寝起きの目やにを拭きとったりすることもあるからである.
 そんなのはまだいいほうで,犬の散歩のときに,飼い犬がひり出したウン○にティッシュをかぶせて,何食わぬ顔で放置して立ち去る馬鹿野郎が実際にいるのだ.うちの近所のことだが.
 そういう汚い連想をさせてしまう恐れがあるので,ティッシュは厳禁だ.
 ずっと前に若い女性芸能人がテレビに出て,レストランで料理を食べたあと,ティッシュを皿にかぶせてドヤ顔をしてみせたので,今の言い方なら「炎上」したことがある.
 本人はそれが正しいマナーだと思っていたらしいのだが,そんなことをするくらいなら,店の人に紙ナプキンをもらって使えばいい.
 レストランの紙ナプキンで鼻くそを連想する人はほとんどいないだろう.
 それがいやならきちんとした食事には懐紙を持参するべきであり,もっと根本的には魚の頭に触れずに済むように,箸使いを練習すればよい.
 で,職業としてマナー講師をやっている松原さんは,懐紙を持参せずにテレビの「焼き魚の正しい食べ方」のVTR収録をやっちまったのである.
  
20210501c
 
 この時点で,こんな無作法者 こんな人に講師を頼んでしまったテレビ朝日を情けなく思ったのだが,驚きはそれにとどまらなかった.
 松原さんは,このあと,秋刀魚の身を口に運ぶたびに,手皿をし続けたのである.(上の画像の左手)
 ウェブを「手皿」で検索すれば,「手皿は不作法です」と記したコンテンツが山のようにみつかる.
 その食事作法の常識に抵抗して,全国放送のテレビ番組で「箸を口に運ぶときは手皿をしましょう」と実演してみせたのは,私が知る限りこの松原奈緒美さんただ一人である.
 松原さんは日本サービスマナー協会のエライ人らしいのだが,ということは,この協会は色々と間違ったことを世の中に広めているのだろなあ.

|

« 甘い塩漬けキャベツ | トップページ | 上級国民むけのワクチンという疑心暗鬼 »

新・雑事雑感」カテゴリの記事