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2021年1月17日 (日)

煽りに煽るデマゴーグたち /工事中

 緊急事態宣言が出されたあと,酒を提供する飲食店には営業時間短縮の要請が行われた.
 飲食店にも色々あって,客が店の前に列を作って並ぶほどうまいラーメン屋とか,ミシュランのガイドブックに掲載されるくらい良質のレストランなどは,酒を売らなくてもやっていける.彼らのビジネスは料理を売ることだ.商品の付加価値はとても大きい.
 ところが,飲食店には飲み屋という「酒を売るしか能のない」店がある.というより,それが飲食店,とりわけ居酒屋の大半だ.
 彼らの料理にはほとんど付加価値がない.だから利益がでない.
 ところが酒は違う.業務用食品の焼鳥を一本焼いても百五十円ほどにしかならぬが,中ジョッキにビールを注げば売価何百円にもなる.利益が出る.ビールは仕入れて売るだけだ.自分で作るわけじゃない.濡れ手で粟とはこのこと.
 こうして「酒を売るしか能のない」飲み屋が繁華街に溢れる.(実は東京には酒の提供なしでやっていける焼鳥屋が何軒もある.そりゃもううまい焼鳥だ.献立は「おまかせのコース」だけだが)
 知事たちが営業時間の短縮を酒を提供する飲食店に要請したら,「酒を売るしか能のない」飲み屋が,昼飲みを宣伝し始めた.これなら夜の営業時間を八時まで短縮しても大丈夫だ,というわけ.
 能無しだけならともかく,根性までも腐っているのである.
 この状況に驚いた西村大臣は,自分のsnsアカウントに動画を上げると (1/11深夜) 共に,翌日に記者会見して国民に注意を喚起した.
 
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 (日テレNEWS24《西村大臣「昼間も不要不急の外出自粛を」》[掲載日 2021年1月12日 23:06])
 
 西村大臣は《昼食、ランチは皆と一緒に食べてもリスクが低いということはありませんので、昼間もできる限り不要不急の外出自粛をお願いしたい》と発言した.一週間前の三連休に,若い愚か者たちが昼酒に繰り出しそうな状況だったという文脈で,この発言は理解されねばならない.すなわちこの発言中の「不要不急の外出」とは昼酒をくらう飲み会のことだ.
 表面上の言葉通りに受け取ったとしても西村大臣は,何人も連れだって昼飯を食ってくれるなと言ったのであって,一人で店に入って黙って飯を食う分には問題はない.それなら感染リスクは非常に低いと以前から対策分科会の専門家も述べている.
 
 ところがこれに札付きのデマゴーグ弁護士の橋下徹 (橋下は公然と米大統領選でトランプを支持し,トランプ流のフェイクニュースはお手の物だ) が噛みついた.メディアでは下品なスポーツ新聞系が西村発言を歪曲して騒いだ.頭の悪い外食産業の一部経営者も西村発言を非難した.彼らは皆,西村大臣が「飲食店で昼飯を食うな」と言ったと歪曲したのだが,西村大臣はそんなことは一言も言っていない.
 もちろん政府の施策に一貫性がない (Go To イート,Go To トラベルを始めたり中止したり) のは批判されるべきだが,だからといってメディアや企業が,西村大臣が言ってもいないことを言ったと,嘘をついていいわけがない.
 嘘の例を挙げる.まずFNNプライムオンライン《西村大臣「昼間の外出を控えて」動画で発信しプチ炎上…飲食店「生活どうすれば…」》[掲載日 2021年1月12日 20:02] から.
 
昼間の外出自粛について街の反応
 西村大臣が不要不急の昼の外出自粛を求めたことをどう受け止めるのか?
40代女性:
 昼も夜も同じなんだろうけど…そこまでになっちゃうとストレスになりますかね。さすがに。
20代会社員:
 昼間の飲食まで自粛するのはどうかなと思います。夜が出れないので、昼間くらいは休みの日に息抜き、気分転換したいです。
40代女性:
 仕事は普段通りなので、ご飯もそうですし、そういった面で困っています。
 
20代会社員:
昼間の飲食まで自粛するのはどうかなと思います。夜が出れないので、昼間くらいは休みの日に息抜き、気分転換したいです。
 
「飲食」は辞書的には「飲むことと食べること」だが,政府は「不要不急の外出を自粛する」ことと「複数人で昼飯を食わないでほしい」と言っているのだ.昼飯を食わずに我慢してくれとは言っていない.
 それをこいつは,「不要不急の外出…」と「複数人で昼飯を…」を一緒くたにした上に,さらに言い換えて《昼間の飲食まで自粛》(この「飲食」は辞書的な意味の「飲食」) と歪曲している.
 完全な馬鹿である.
 この馬鹿者は,間違いなく西村大臣の訴え (動画) を観ていない.馬鹿どもの伝言ゲーム的情報の源は馬鹿者どもなので,こんなことになる.
 しかもこいつが《昼間くらいは休みの日に息抜き、気分転換したい》と言っている「飲食」は,辞書的な意味の「飲食」ではなく間違いなく昼酒を指している.
 そもそもこういう馬鹿者どもに対して一部の飲食店が「昼酒を飲もう」とアピールしたことが,ことの発端だ.


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