問題を解決しようとしない性格に問題がある
東スポWEB《全国で急増〝マスクしないオジサン〟の正しい対処法》[掲載日 2021年1月20日 11:15] から一部を引用する.
この記事は《“マスクしないオジサン”が、身近にいたらどうするべきか。昨年9月にマスク着用を拒否して飛行機を降ろされた大学職員、奥野淳也容疑者(34)が19日、大阪府警に威力業務妨害などの容疑で逮捕された》と書き出している.続いて下のスクリーン・ショットだ.
大学入学共通テストの受験生に嫌がらせをしようと企み,試験会場で咳をするなどして騒いで結局東京深川署に逮捕された件の鼻だしマスク男のことは既に書いた.
この下司野郎と同じ年の会社員は取材に対して「アレルギー性鼻炎なので不織布マスクをすると息が苦しい.それで鼻だしマスクをしている」のだという.慢性の鼻炎だと鼻腔が詰まり気味であるため,
(1) マスクの最も重要な機能は,自分の呼気に含まれる飛沫を周囲に放散しないことにある.
新型コロナウイルス感染症は,感染後に無症状だったり自覚症状があまりないうちにそのまま寛解することが多い.これがこのウイルス感染症の厄介な点だ.しかも自覚症状がない感染者にも,対他人感染力があるため,発症者をいくら隔離してもそれだけでは感染拡大を防ぐことができない.
そこで最も有効な策がマスクなのである.つまりあるテリトリーの中で全員が不織布マスクを着用すれば,誰が感染者かわからない状況下でも,感染が拡大する可能性を大きく低減できることになる.
東アジア諸国 (中国,韓国,台湾,日本) が欧米諸国に比較して感染の抑圧によい成績をおさめているのは,マスクによる飛沫拡散防止効果によるところが大きいと考えられる.
(2) 次が顔面のウイルス汚染防止効果である.私たちの手指が日常生活の中でウイルス汚染される可能性はかなり大きい.その手指で目や鼻の付近を無意識のうちに触ってしまう (→ 接触感染する可能性がある) ことは,昨年あるテレビ番組で検証していたので,記憶している人は多いだろう.
(3) その次が他人が放散した飛沫を吸い込む可能性を低減する効果である.
マスク着用の重要性は (1),(2),(3) の順である.
鼻だしマスクでは,マスクの最も重要な機能 (1) が発揮できない.テレビによく御登場される昭和大学医学部の二木芳人客員教授がそう断言している.
さて,「アレルギー性鼻炎なので不織布マスクをすると息が苦しい.それで鼻だしマスクをしている」人には同情すべきだろうか.
そんなことはない.話が逆だ.
私の実体験からして,アレルギー性の慢性鼻炎に対しては不織布マスクが非常に有効であると断言する.
以下はその理由.
アレルギー性鼻炎は,希なケースを除くと (a) 季節性アレルギー性鼻炎,(b) 通年性アレルギー性鼻炎の二つに大別される.(参考;アレルギー性鼻炎のはなし~症状・原因・メカニズム~)
季節性アレルギー性鼻炎は,主に花粉が原因で,次が黄砂の季節に問題となるPM2.5だ.いずれも対策は確立しており,住居の外から内に原因物質を持ち込まないことと,外出時にはマスクを着用することだ.原因が花粉の場合は普通の不織布マスクでよいが,黄砂が飛来すると途端に鼻炎が起きる場合はPM2.5が原因の可能性が高い (耳鼻科で確認してもらえる) ので,「PM2.5対応」等と表示してある不織布マスクが勧められる.
私は黄砂には感受性がないが,スギ花粉,ヒノキ花粉,オオアレチノギク (通称ブタクサ) など色々な花粉に感受性がある.そのためコロナ禍以前は,ステロイド系の鼻炎薬 (商品名「リノコートパウダースプレー鼻用」) を冬から春にかけて使用していた.(← オオアレチノギク花粉では症状は激しくなかったので)
この鼻炎薬は局所的に噴霧する外用薬で,私の場合は副作用が全くない上に効果は抜群である.万が一副作用が出た人の場合だが,この系統の他の鼻炎薬もあることだし,現在では花粉症の鼻炎対策はステロイド系鼻炎薬が定番となっている.ステロイド系鼻炎薬が優秀なので,花粉症の症状で困るのは鼻ではなく目だと言っていい.
で,花粉症になってから十年近く,リノコートスプレーを愛用してきたのだが,ある時を境にして耳鼻科のお世話にならなくなった.
同病の人から「花粉症対策は不織布マスクでキマリ!」と聞いたので,試してみたのである.
すると,全くその通りであった.外出時に不織布マスクを着用すると,鼻炎が起きなくなったのである.なんとまあ,呆れるほどの明らかな効果であった.
このコロナ禍以前は,ある種の接客業の人 (特に女性;美容関係等) は,たとえ花粉症であっても勤め先の上司からマスク着用を禁止されるなどの不当な労働環境下に置かれていた.現在もそういう怪しからぬことが行われているかも知れないのだが,一般的にはかなりマスクをすることは社会的に許容されてきたように思われる.従って季節性アレルギー性鼻炎に関しては,私はマスク着用が最善だと言い切っておく.
次に通年性アレルギー性鼻炎は,主にハウスダストが原因である.これの対策も実は確立している.要は居室の整理・整頓・清潔・清掃である.特に寝具と布張りの家具 (ソファ等) はダニ対策をきちんとすることだ.逆に言うと,ハウスダストが原因でアレルギー鼻炎を発症するという人は,整理・整頓・清潔・清掃の「しつけ」,すなわち「5S」ができていなかったのである.
発症した理由をあれこれ悔やんでも意味はないが,遅くはないから自分の環境の5Sを実行すれば,鼻炎症状は軽快するはずだ.
そしてこれが肝心だが,ハウスダストにもマスクは有効なのである.部屋の掃除が嫌いなら部屋の中でマスクをすればいい.それで解決だ.
上に記した「アレルギー性鼻炎なので不織布マスクをすると息が苦しい.それで鼻だしマスクをしている」は,はっきり言えば嘘である.
マスクが嫌いなので,その言い訳にアレルギー性鼻炎がどうのこうのと言っているのである.
なぜなら,不織布マスクはアレルギー性鼻炎の有効な対策だからである.話が逆なのだ.
街を歩いていると,たまに鼻だしマスク男を見かける.(女性の鼻だしマスクを私は見たことがないが,たぶん鼻だしマスク顔はあまりにも間抜けなので,女を捨てる覚悟が要るからだろう)
スーパーの店内で鼻だしマスクをしているやつは,周囲にひとがいなくなると顎マスクにしたりする.マスクは嫌いだが,かといってマスク着用を拒否して航空機の運航妨害で逮捕された奥野淳也容疑者ほどの度胸はない.
こういう男はエクスキューズのために耳からマスクをぶら下げている.
要するにこういう鼻だしマスク男の頭の中には世間体しかないのである.そして何かをしないことの言い訳 (つまり嘘) を考えるのが大好きだ.仕事ができない男の典型である.
東スポの記事に出てくるアレルギー性鼻炎を理由にマスクをしなかった男性会社員は,上司にフェイスガードを禁止されたと述べているが,そりゃ上司は「仕事もロクにできない馬鹿野郎がわざとらしくフェイスガードなんぞしやがって,その前にアレルギー性鼻炎をなんとかしろっ」と言いたくなるだろう.私は,無能な鼻だしマスクの中年部下を持った上司に同情する.
多くの人は,何か問題に直面した時,その問題を解決しようと試みる.ところが,一部の無能者は,どうしたら問題から逃げることができるかを考える.
アレルギー性鼻炎で鼻が詰まって鼻呼吸がしにくい.それならウレタンマスクをするならまだしも,わざわざ不織布マスクを鼻だし着用するという思考の在り方がまさにそれである.
鼻炎の症状を軽快させれば,不織布マスクを着用するのに何の問題もないのに,鼻炎の治療をしようとは思わない性格の持ち主がいる.常人には理解できない性格だとしか言いようがない.
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