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2020年12月 6日 (日)

不道徳推進キャンペーン

 デイリースポーツ《吉村知事 看護師不足「お給料もっと出してもええんちゃう?」に答える》[掲載日 2020年12月5日 19:49] によれば,大阪府の吉村洋文知事が昨日,今月 (12/15) から運用開始を目指している新型コロナウイルスの臨時施設「大阪コロナ重症センター」についてテレビで語った (読売テレビの情報番組《あさパラ!》).
 重症センターは現時点で必要な看護師百三十人のうち,五十人しか確保できていない.以下,記事からの引用.
 
MCのハイヒール・リンゴは「(看護師の)お給料、もうちょっと出してもええんちゃうの?」と素朴な疑問をぶつけた。大阪府看護協会の公式ホームページでは、「医療崩壊を防ぐ!危機的状況から国民を守るため看護の力を!」という真っ赤な文字とともに、重症センターの看護師を「急募」。「給与50万円(日勤8回・夜勤6回程度、夜勤手当含む)+別途手当支給」「宿泊施設準備(無料)」などと記されている。
 吉村知事は「別にケチってるわけでも何でもなくて。看護協会と大阪の実務方で話し合って決定した。僕は金額にはタッチしてないんです」「医療業界の中での金額は知事が決めるような話ではない」と説明し、「財源はいくらでも出して、来てもらいたい思いはある。ただ、いろんな病院、医療機関、いろんな給料で働いてる方がいらっしゃる中で、ここだけ一律ボーン、と給料を知事が決めるのは違うのかな、と思って」と複雑な裏事情が絡み合っていることも示唆した。
 
 吉村知事の,歯噛みしたくなるほどの悔しさは私たちの想像を超えるものだろう.
 日本医師会や各地の医師会,我が国が世界に誇る感染症の専門家たちが声を揃えて,政府に対して「人の移動増加は感染の拡大を促進する」と訴えている.人の移動増加政策,すなわち Go To トラベルの中止を彼らは求めているのだ.
 だが日本国民が戦後初めて目にする暗愚宰相である菅義偉は,Go To トラベル中止を求める専門家に対して (感染なんか) マスクをしてりゃいいんだ!と放言したと伝えられる.
 そして政府は,来年六月まで Go To キャンペーンを継続すると発表した.菅は経済と感染拡大阻止の両立を図ると言うが,実は両立ではなく一方的に経済優先すなわち感染拡大のアクセルを踏み続けるというのだ.菅首相が国民に示した感染拡大防止策は「マスクをしてりゃいいんだ!」だけである.不織布マスクを国民に不足なく供給できなかった奴が,医療関係者にN95マスクを確保できなかった奴がどの面下げてそれを言うか.
 
 各地で,感染者に医療を提供している病院が経営危機に見舞われているとメディアが伝えているが,菅は知らん顔をしている.
 ここで必要な政策はまず第一に,新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている病院は,昨年に対する今年度の経営収支の悪化差額を全額国庫で補填すると言明することである.
 次に,看護師の待遇を改善する.
 これは吉村知事が言うように,知事が決める話ではない.大阪府が財源を振り絞って破格の増額をすれば,他の自治体から看護師を引き抜く格好になる.アメリカ・ファーストが米国の退廃を招いたように,大阪ファーストは関西圏に道徳的退廃を招くだろう.
 まずは大阪府の医療関係者が,新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている大阪府内病院の医師と看護師のあるべき待遇を決める.
 それに倣って,各地の新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている公的病院と民間病院が,待遇を大阪府に統一する.原資は第三次補正予算に織り込む.すなわち対前年差額は全額国庫負担とする.
 こうすれば,エッセンシャル・ワーカーの奮闘に,少なくとも待遇面で報いることができる.財源はもちろん Go To トラベル中止で賄う.
 あとはエッセンシャル・ワーカーに対する精神的な支援だが,Go To トラベルの全国的中止はその最たるものだ.
 国民の血税,すなわち医師や看護師が納めた税金を政府から分けてもらって,そのカネで遊びに行くというのは国民の道徳的退廃以外の何物でもない.旅行に行きたけりゃ自腹で行け.

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