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2020年12月18日 (金)

禁宴会法

 新型コロナウイルス対策を担当する西村経済再生担当大臣が,十一月から十二月にかけてを「勝負の三週間」と宣言してからあと,各地で宴会クラスターが頻繁に報告され,感染拡大の指標は連日「過去最多」を記録している.
 宴会クラスターの中でも,各テレビ局の情報番組が最悪最低の例として報道したのは,茨城県の病院長が主催した宴会で,病院長を始めとする四人の医師が感染した「事件」だった.感染した医師と濃厚接触者を含めて幾つもの医療施設が休診し,地域医療に打撃を与えたという.
 県は,宴会クラスターを主催した病院長をかばって職業を偽って発表した.県は隠蔽の理由を「職業公表について本人の同意が得られなかったから」としたが,信じる県民はいないだろう.茨城県行政は腐っているからである.(朝日新聞デジタル《茨城県知事、千葉の自宅へ公用車 年23回「公務」強調》[掲載日 2020年12月16日 9:13])
 毎日新聞《クラスター認定の「ワイン会」に医師が10人程度参加 7病院が休診 茨城》[掲載日 2020年12月16日 6:30] からその事件について下に一部引用する.
 
茨城県が11月下旬に新型コロナウイルス感染症のクラスター (感染者集団) と認定したつくば市内の会食に、医師が10人程度参加していたことが複数の関係者への取材で判明した。会食は「ワイン会」などと称して医師が主催、参加した医師のうち少なくとも4人の感染が判明した。7病院が一時休診などの対応をとり、地域医療に大きな影響を及ぼした。
 県によると、つくば市内の会食には37人が参加し、つくば、土浦、石岡、取手、牛久、美浦の6市村に住む30~60代の男女17人の感染が確認された。県は17人を会社員、自営業などと公表。このうち2人を「医療従事者」としていた。
 
 これ以外にも,草野球の試合が終わった後でマスク着用なしの宴会をやってクラスターが発生したとか,各地で発生している精神の緩み切った宴会クラスターは枚挙に暇がない.読売新聞《職場の忘年会、長時間マスクなしで飲食・カラオケ…11人感染のクラスター》[掲載日 2020年12月17日 16:11] から一部引用する.
 
熊本市は16日、繁華街の飲食店で開かれた職場の忘年会に参加した男女11人(20、40歳代)が新型コロナウイルスに感染し、会食によるクラスター(感染集団)が発生したと発表した。
 8日に男女15人で飲食店で会食後、バーを利用。長時間マスクなしで飲食したり、カラオケを利用したりしたという。市は「会食は少人数で短時間に抑え、深酒は控えてもらいたい。会話の際はマスクを着用してほしい」と呼びかけている。
 
「職場の忘年会」は我が国に蔓延る悪習である.同僚にアフター・ファイブに「ちょっと飲んで帰ろうか」と誘われても,「今日はやめとくよ」と断るのは容易だ.「おれ,最近は家飲みしかしないんだ」と言ってもいいだろう.
 だが「職場の忘年会」はパワハラの匂いがする.キッパリと断って参加せずに帰ると,あとでパワハラ部長やセクハラ課長にネチネチと何をされるかわからぬ.成績のよい社員は参加を断れるが,そうでもない者や女性社員が忘年会参加を断るには勇気がいる.
 現在のように日本が超保守化する前は,それほどでもなかった.
 実際,私が会社員時代に担当していた部署では年末の宴会はしなかった.忘年会の企画を若い女性社員にまかせると,評判のよいフレンチ・レストランで豪華なランチをしましょうと言ってくることが多かった.もちろん昼間だから飲み物はノン・アルコールだったが,男たちは気持ちよく参加した.ついでに言うと,忘年会と社員旅行には会社から補助金が出るのだが,私の部下たちに社員旅行の行き先はどこがいい?と訊くと東京ディズニーランドが一番人気だった.そしてそういう企画を立てる若い部下たちに私は好感を持っていた.
 当時,若い人たちは喫煙をしなくなったし,あまり酒を飲まなくなった.ましてや同じ会社の人間と飲み屋で仕事の話をするなんてのは,彼らの最も嫌うところであった.
 しかし世間ではいつの間にか「職場の忘年会」は,強制参加のような風潮が出てきたらしい.
 ケータリングやデリバリー事業を行う日本フードデリバリーが最近公表 (10/20) したアンケート結果によると,職場の忘年会には24.6%の人が「参加したくない」,36.9%の人が「どちらかというと参加したくない」と回答した.会社員の過半数が忘年会に参加することに消極的なのである.
 それでも日本中で,みんな嫌々ながら宴会に駆り出されている.
 茨城県の病院長クラスターだが,発生現場となったワイン会は,その病院長の誕生日に行われる年中行事だとのことである.
 推測するに,このワイン会への招待を断るのは勇気が要ったのではないか.病院長は,県当局が忖度して職業公表をしなかったほどの有力者なのだろう.なんだかこれもパラハラの匂いがする.
 私は酒が大好きで,それも昼間っからの大酒のみである.しかし老若混在の宴会 (忘年会) は嫌いだ.そこには旨い酒以外の不純物が忍び込んでいる.社内の地位によって生じる媚び,へつらい,パラハラにセクハラ,御酌とカラオケデュエットの強要 etc.
 波平頭でおちょぼ口の二階部長が,飛沫でベトベトに濡れたマイクを栞里ちゃん (仮名,30才) に渡して「次,栞里ちゃん,フリつけて得意のやつ」と言う.
 栞里ちゃんは死にたいと思う.
  
 我が国から宴会を駆逐するにはどうしたらよいか.
 風営法と食品衛生法を,感染症対策の観点から改正すべきだと私は思う.
 どう改正するかというと,感染防止対策の観点から,飲酒を伴う三人以上の会食を禁じるのである.接待を伴う飲食店においては,接待をする従業員を含んで三人とする.客がお一人様の場合,ホステスのおねえちゃんは一人しか認めない.また複数のホステスさんが入れ替わり立ち代わりで接待するのも禁止する.保健所が感染経路を調査する際に著しく困難となるからである.
 二人の会食では,恋人同士のディナーと,夫婦の結婚記念日の食事のみを合法と認める.
 たとえ二人の場合でも,上司が部下を従えて居酒屋で飲食するのは,正面から飛沫を飛ばして「おれの若い時は……」とか説教するので,感染拡大の観点から禁止する.これを支持するエビデンスはないが,世の中はエビデンスで動いてはいない.菅首相も,エビデンスはないが Go To トラベルを一時停止すると言っている.エビデンスはないが,東京都中央区銀座の高級ステーキ店「ひらやま」の,お一人様六万円のコース (料理三万六千円とワインの合計) に感染リスクはないと加藤官房長官が断言している.菅首相の会食には内閣官房会議費が充当されるらしいが,それにしても高いなあ.(以下,オチが思いつかないので中断)

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