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2020年12月15日 (火)

銭勘定で動くあさましい若者

 菅内閣の支持率が急落した.NHKの世論調査によれば,菅内閣の支持率は以下の通りである.(NHK NEWS WEB《菅内閣「支持する」42% 先月より14ポイント下落 NHK世論調査》[掲載日 2020年12月14日 19:00])
 菅内閣を支持する  62% 55% 56% 42%
    支持しない  13% 20% 19% 36%
 他のメディアによっては既に不支持が上回った調査もある.
 このトレンドのまま行けば,年明けには不支持が大きく支持を上回り,菅内閣は発足間もないというのに早くも死に体となる.
 頑なに Go To トラベルに固執していた激甚大暗愚宰相菅義偉も,このままでは与党から首相の座を追われることになる.
 そこで泥縄式に取りすがったのが,Go To トラベルを年末年始に全国一斉一時中止することである.
 不支持の急増は,必ずしも Go To トラベルの不人気によるだけではない.
 学術会議に関するメディアとの応答でヘラヘラ笑ったこと,およびインタビューに応えてまたもヘラヘラ笑いで「がーすーです」と言ったこともかなりの落胆を国民に与えたとされる.
 このヘラヘラ「がーすー」事件については田崎史郎がコメントしている.スポニチ《田崎史郎氏 菅首相の「ガースーです」に「誰が知恵つけた人がいるとしたらそいつ許せない」》[掲載日 2020年12月14日 15:33] から下に引用する.
 
田崎氏は「なんであんな発言するんだろうと思いました」と言い、「世の中の緊張感が増してるのに、なに笑ってあんなこと言ってるのっていう話になる。総理は失敗したと思いますし、誰が知恵つけた人がいるとしたらそいつ許せない」と厳しい表情で話した。
 
 さすが田崎史郎.いつもの田崎ならヘラヘラ「がーすー」なんて大したことじゃないと言い切るところだが,世間の評判が悪すぎて大上段から大暗愚宰相菅義偉の肩を持つのは得策ではないと思ったのだろう.誰かが首相に入れ知恵したのだとの屁理屈で菅をかばった.だがヘラヘラ「がーすー」動画を見た印象では,菅は本心から嬉しそうに「がーすー」と言っていた.あれは入れ知恵じゃないだろう.国会で「全集中の呼吸で答弁させていただく」なんて情けない答弁をする程度の知力だから,ヘラヘラ「がーすー」は本人の知恵だとしか思えない.
 
 さて Go To トラベルを年末年始に一時停止する件だ.
 NHK NEWS WEB《GoToトラベル 全国一斉に停止へ 今月28日~1月11日 菅首相表明》[掲載日 2020年12月14日 19:04] から下の箇所を引用する.
  
20代の会社員の男性は「地元に帰省しようと思っていましたが、キャンセルしようと思います。祖父母が高齢で、あと何回会えるのか分からないので残念です。一時停止にしても、このまま続けても、どちらにしても不利益を被る人がいると思うので、どちらがいいとは言い難いです」と話していました。
 
 自治体の首長や,著名な医師たち,感染症の専門家,新型コロナウイルス対策分科会の尾身会長などが繰り返して年末の帰省には慎重になってくれと各種メディアを通じて訴えている.もしも高齢の家族に感染させたら,取り返しがつかないのだと.
 それなのにこの若い会社員は,この年末に帰省しようとしていた.
 しかし一般的にいえばそのこと自体はしかたないことだ.世の中には色んな事情の人がいて,周囲がどんなに止めても帰省しようとするのは阻止できない.
 若い人がこの年末に帰省するのは,マクロに見れば確率論的に,感染を拡大させる.これは間違いないと感染症専門家が断定している.
 しかしミクロに見れば,この年末の移動が感染を拡大させるかどうかは,移動する人が既に感染しているかどうかにかかっている.確率論ではない.未感染なら,帰省しても絶対に感染拡大に寄与しないのである.
 だから,件の若い会社員のことについていえば,この年の暮れか正月に何としてでも郷里の祖父母に会っておきたいのであれば,帰省すればいいと思う.
 
 別の話だが,ある介護施設に入所している老いた母親にどうしても会いたいという女性をテレビで見た.
 介護施設側としては,感染拡大を防ぐために,親族でも入所者には面会謝絶としている.
 だがその女性は何としてでも母に会いたい.コロナ禍の下で逡巡していると,もしかすると二度と会えなくなるかも知れないという切迫感があったと思われる.
 そこで施設側が折れた.施設の庭に面した掃き出し窓を閉じて,ガラス戸越しに二人を面会させたのである.
 もちろん窓の外に待機した施設職員は,もしもに備えてマスク着用の上でフェイスシールドも装着していた.
 女性はガラス戸の外で,紙に書いた言葉と口の動きで,老母をいたわり励ました.
 胸を打つ光景だった.それは親と子の情愛そのものだった.
 
 NHKニュースからの引用箇所を再掲する.
 
「地元に帰省しようと思っていましたが、キャンセルしようと思います。祖父母が高齢で、あと何回会えるのか分からないので残念です。
 
 私は理解に苦しむ.若い会社員は「高齢の祖父母にあと何回会えるのかわからない」と言いながら,この馬鹿野郎は,旅行 (帰省) 代金の割引がなくなったから帰省しないと言うのだ.もし本当に「会えなかったら残念だ」と思うのならば,防護服を買ってでも会いに行け.
 帰省中に実家には帰らずに豪華ホテルに宿泊するやつはいない.だから Go To トラベルを使うメリットがあるのは,往復の交通費節約だけだ.東京からの帰省に航空機を使用したとしても,Go To トラベルによる帰省費用の節減は大した金額ではない.そのわずかなカネが惜しくて,この馬鹿会社員は帰省をやめるという.「残念です」なんて真っ赤な嘘だ.
 この大馬鹿会社員の年老いた祖父母は「ばあさんや,もう二度と会えなくなったと思っていた孫が帰省してくれるといっておる.あのこに会えるならコロナをうつされても諦めよう」「そうですね,おじいさん」と語り合っているかも知れぬ.
 それなのに激甚大馬鹿会社員の男は,カネが惜しくて帰省をやめるのだ.祖父母を感染リスクにさらしたくないからではない.カネが惜しいのだ.
 祖母が孫に電話をかける.「こっちに来てくれるのはいつなの?」
 孫は答える.「ああ,あれね.飛行機代の割引がなくなっちゃったんで,帰省はしないことにしたんだ.おばあちゃんにもう会えないと思うとめっちゃ残念だよ.あははは」
 
 世も末である.

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