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2021年1月 1日 (金)

年の初めの違法とて /工事中

 昔,どぶろく裁判と呼ばれる訴訟があった.日本国民には自分の飲用のために酒を造る権利はないことが最高裁で確定した裁判であった.
 この権利を認めると,国の重要な財政収入である酒税の徴収確保に支障を生じる,というのが権利制限の理由であった.
 ただしこの理由から,酒税収入に影響しない場合に例外が認められている.簡単に言うとアルコールの製造にあたらないことが必要で,梅等の果実を二十度以上の酒 (ほぼ焼酎に相当する) に浸漬して梅酒等の酒を自家消費用途に造る場合である.
 ところがここに一つ問題が生じる.二十度以下の酒に浸漬した場合は合法か違法かという問題である.これが実は,現状では違法 (酒税法違反) となることがあるのだ.
 このことについて,オトナンサー《梅酒は違法 正月に飲む「おとそ」、自宅で造ったら法的に問題ある?》[掲載日 2020年12月31日 6:10] が指摘している.
 
正月に一年の健康を祈って飲むお酒「おとそ」は大みそかの夜、サンショウやキキョウなど体によいとされる生薬を合わせた「屠蘇散(とそさん)」を日本酒やみりんに漬け、翌朝、つまり、元旦に飲むものといわれています。日本の伝統行事である正月の定番の一つではありますが、以前、自家製梅酒について国税庁に取材した際、「日本酒に梅を漬けて自家製梅酒を造ると、一部例外を除いて酒税法違反」とのことでした。

担当者「酒税法上、お酒に他のものを混ぜると新たにお酒を造ることになり、原則としては製造のための免許が必要です。無免許製造は違法となります。ただし、消費者が自ら消費するため、消費の直前、つまり、飲む直前にお酒に他の物品を混和する場合は、例外として認められています(酒税法43条10項)。
 清酒(日本酒)やみりん(アルコールのみりん)に別のもの、例えば、屠蘇散を入れるのは消費の直前であれば認められることになります。問題は一晩漬けておくのが『消費の直前』といえるかというところですね…。『消費の直前』について、法律や通達では『何時間前』という決まりは示していません。『社会通念で判断してください』としか言えません。
 
Q.どのようにすれば、おとその法的問題をクリアできるのでしょうか。
 担当者「繰り返しになりますが『直前に造る』か『20度以上のお酒を使う』ことです」
 
「お屠蘇」が違法であるかについての国税庁の見解は,従前から以下の通りである.
1. 屠蘇散を入れるのが消費の直前であれば認められる.
2 「直前」の意味は社会通念に従う.
 さあここで (社会通念上の意味の「直前」) という曖昧な,かつ国税当局が恣意的に運用できる言葉が用いられている.
 行政法には時々このような曖昧な規定がある.訴訟になった場合は裁判所が「直前」の意味するところを明らかにしてしまうが,国税当局としてはこれを裁量の範囲,つまり曖昧な状態にしておきたいのである.
 では国民の側が「直前」をどう認識しているか.ネット上に多数のレシピがあり,以下に代表例を少し紹介する.
  
[エスビー食品の公式サイト《スパイス&ハーブお屠蘇》から引用]
作り方
【1】お茶パックにスパイスを入れ、日本酒とみりんを合わせたものに5-6時間漬け込みます。
(以下略)
  
[日本名門酒会の公式サイト《折々の酒 お酒の歳時記 お屠蘇》から引用]
市販の屠蘇散を浸します。
放置すること7、8時間
薬効成分が溶け出すのを待ち、袋を取り出します。
*日本酒&みりんの量が多い場合は、屠蘇散を長めに浸してください。
*あまり長時間浸しすぎると濁ったり沈殿物ができる場合があります。
(以下略)
 
[cookpadの《準備3分。お屠蘇(おとそ)を作る》から引用]
日本酒とみりんをマグカップ等に入れ、屠蘇散を入れて一晩寝かせる(説明では、みりんは2~3割とあります)
 
 ざっと見たところ浸漬時間は,最短の五時間から最長の一晩まで色々である.
 では,五時間は「直前」と言えるか.社会通念としては直前とは言い難いだろう.
 これは場合によりけりだ.例えば東京オリンピックのように何年もかけて行うものであれば,開催式の二ヶ月前に中止を決めたとすると,これは「直前になって中止した」と言える.
 これが小学校の運動会なら,二ヶ月前に中止を決めても「直前になって中止した」とは言わない.三日前に中止と決めたら,これは「直前」だろう.
 このように考えると,「お屠蘇を飲む」という行為について,どれくらい前が「直前」なのかを考えやすい.
 私たちは日常,料理にかける時間はそれほど長くない.せいぜい一時間くらいか,いわゆる時短料理なら十五分とか三十分だ.
 だから料理というプロセスにおける「直前」は分単位である.お屠蘇を飲む二分前に,日本酒に屠蘇散を加えたら,それは

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