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2020年11月14日 (土)

油そばを食いたくて三密に

 岩手県盛岡市で,新型コロナウイルス感染症のクラスター発生が続いている.感染流行が始まった当初,岩手県は感染者が少ない県として報道され (文春オンライン《岩手県・達増知事が語る「半年感染者ゼロ」の理由と「岩手1号ニュースだけではすまない」への意見》) にあるように,7/20時点では感染者なしだった.現在 (11/14) も岩手県の感染者数は少ないほうから数えて二番目 (最少は鳥取県の52人,次が岩手県の69人) である.
 しかしNHKの報道によれば,盛岡市でクラスターが発生した飲食店「ヌッフ・デュ・パプ」では,感染した従業員二人は厨房内でマスクを着用していなかったという.
 この店の経営者は取材に対して「衝撃的な結果だ」と述べているが,従業員がマスクをしていないのでは「衝撃的」もクソもない.感染者が少ないから市民の警戒心も希薄で,きっとコロナ禍は他人事なんだろう.
 コロナ禍に無関心なのは店の経営者だけではない.下の画像は盛岡市保健所のトップページの「感染症」タブのスクリーン・ショットであるが,驚いたことに,そもそも感染症として新型コロナウイルス感染症の項目がないのである (11/14現在).
 下の画像にある《感染症の種類と内容》には鳥インフルエンザ・新型インフルエンザ,インフルエンザ,エイズ,ウイルス性肝炎,腸管出血性大腸菌感染症,感染性胃腸炎,結核がリストされており,また《その他の感染症》には重症熱性血小板減少症候群,デング熱,ジカウイルス感染症,風しん,の四つがリストされているのみである.つまり新型コロナウイルス感染症はまるっきり無視されているのだ.
 その結果,盛岡市民はコロナ禍の情報を得たくても,テレビ等の報道以外の手段がないのである.こんな盛岡市保健所の 税金ドロ 無能な有様をどのように感じているのだろうか.
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 少し前にクラスターが多発した札幌市の繁華街ススキノでも,テレビ報道によれば,感染症対策にまじめに取り組んでいる店がある一方で,対策なんぞどこ吹く風とばかりに,札幌市の指導も要請も無視している店があるという.北海道における感染拡大第三波の始まりは飲食店だったに違いないが,札幌では今はもはやその段階を過ぎて,家庭など色んなところで感染拡大が続いているようだ.流行初期には北海道民も岩手県民も,感染防止にまじめに取り組んでいる (から感染者が少ない) ように報道されたが,それは単に僥倖だったに過ぎないと思われる.
 道民と県民の民度の低さは如何ともしがたいが,思うに,全国的に行政の姿勢が自分勝手な飲食店に甘すぎるのがよくない.「公共の福祉」をナメている不届きな飲食店に対しては,食品衛生法に従い営業停止をもって臨むべきである.
 テレビ局が飲食店に取材すると店の経営者が「客が八割減った」などと答えているが,それなら客が飢えたかというとそんなことはない.
 飲食店に来なくなった客たちは,だからといって別に食事に困ってはいないのが現実だ.
 これは要するに,現代日本社会では,飲食店が過剰なのである.この事実に政府は目を背けている.観光業者も同様だ.
 ならばこのコロナ禍を機会に,超高齢社会に向けて産業構造を消費から生産へとシフトすることが必要だ.これからますます道路や治水や,輸送や通信のインフラ等が老朽化し,食糧自給率がさらに低下していく (後継者不足による農業の衰退) にも関わらず,消費分野に過剰な就労者 がいるのはいかにもおかしい.
 昭和の戦後,日本政府は農村から都市へと人口を移動させて産業構造を変革し経済成長を行った.再びそのような産業政策が必要な時代が来つつある.消費から生産へと,政府も国民も意識を転換せねばならない.
 
 ところで私の行動範囲である東海道線藤沢駅北口の商店街に,ちょっと前まで吉野家があったのだが,これが閉店してその代わりに「油そば」の店が開店した.店名は「油そば 東京油組総本店 藤沢組」(食べログ) という.広域暴○○みたいな名称だ.センス悪すぎ.
 開店したばかりの店の前を通りかかると,十人ほどが密集して並んだ行列ができていた.
 店内をチラと覗いたら,狭い店内のカウンター席に,肩が触れそうなくらいの距離で客が腰かけていた.四人掛けのテーブル席はもっと酷く,全くの「密集」になっている.アクリル板のパーティションは一つもない.
 この店も,客も,感染拡大防止なんぞ眼中にないと思われる.
 神奈川県は感染拡大が止まらない.県民の民度が低いのである.藤沢駅北口に開店した油そば店のタチも悪いが,その店に押し掛けて列を為している一部の藤沢市民は阿呆の極みである.こういう連中から感染者が出て,やがて家庭内感染を拡げていくのだろう.
《食べログ》の記事二件も,全く店内の有様に触れていない.まあ,食い物に行列を作るようなやつにソーシャル・ディスタンスを説くのも虚しいのであるが.

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