何度も他のメディアが報道したので既報であるが,性懲りもなく読売がまた書いているので,読売新聞《柿渋にコロナ不活化させる効果、奈良県立医大が確認…カギは濃度とウイルスとの接触時間》[掲載日 2020年10月3日 8:24] から一部を下に引用する.
《柿渋に新型コロナウイルスを不活化させる効果があることを確認したと、奈良県立医科大の伊藤利洋教授(免疫学)と矢野寿一教授(微生物感染症学)の研究チームが発表した。基礎的な研究の段階だが、アメやガムのような食品に仕上げることも想定している。
発表によると、試験管内でウイルスと唾液を混ぜて人の口腔(こうくう)内と似た環境をつくり、そこに高純度で抽出した柿渋の主成分であるカキタンニンを加え、10分後に感染力のあるウイルスの量を測定した。その結果、1万分の1以下までウイルスの量を減少させた。カキタンニンを希釈すると、効果が薄れることも確認できた。》
柿渋とは柿に含まれるタンニンである.これが如何に激しい渋味を有するかは,渋柿を食べたことのある人は知っている.
私たちの先祖は,まるで食い物にならぬ渋柿をそれでも食べられないかと工夫を重ね,ようやく渋抜きの方法をみつけた.
と同時に,柿渋の利用法も考案した.
いずれも柿のタンニンを水不溶性にすることで達成される.
タンニンは化学の用語でいうとポリフェノールである.しかしポリフェノールには様々な種類があり,非常に範囲が広い.以前はその一部のポリフェノールを,実用上の性質でタンニンと呼んで少し細分化した.
柿渋にコロナ不活化させる効果、奈良県立医大が確認…カギは濃度とウイルスとの接触時間
《 柿渋に新型コロナウイルスを不活化させる効果があることを確認したと、奈良県立医科大の伊藤利洋教授(免疫学)と矢野寿一教授(微生物感染症学)の研究チームが発表した。基礎的な研究の段階だが、アメやガムのような食品に仕上げることも想定している。
発表によると、試験管内でウイルスと唾液を混ぜて人の口腔こうくう内と似た環境をつくり、そこに高純度で抽出した柿渋の主成分であるカキタンニンを加え、10分後に感染力のあるウイルスの量を測定した。その結果、1万分の1以下までウイルスの量を減少させた。カキタンニンを希釈すると、効果が薄れることも確認できた。
柿渋は古くから防腐や防水効果のある塗料として使われてきた。カキタンニンは、インフルエンザウイルスを不活化させる効果もすでに確認されている。ウイルスの表面のたんぱく質にカキタンニンが付着することで、感染力をなくし、体内の細胞への侵入を防ぐ仕組みだ。新型コロナウイルスでも同じ要因が推測されるという。
伊藤教授らは、不活化させるにはカキタンニンの濃度とウイルスとの接触時間が重要であると指摘。すでにカキタンニンを含むサプリメントなどが市販されているが、既製品を食べるだけでは、ウイルスを減らすことは期待できないとしている。
伊藤教授は「効果は証明された。多くの人に還元するため、適切な濃度やウイルスとの接触時間を検証していきたい」と述べた。》
https://www.yomiuri.co.jp/national/20201002-OYT1T50317/
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