無名の樺太犬の物語
フジテレビ《世界の何だコレ!!ミステリー》は,同工異曲の番組がいくつかある中で,私が好きなものだ.MCは雨上がり決死隊の蛍原徹と,きゃりーぱみゅぱみゅちゃんだが,МCなのにきゃりーちゃんは顔を出しているだけで,ほとんど何もしない.しかしかわいいからそれでよい.
それはそれとして,一昨日の放送の目玉は,南極の昭和基地に置き去りにされたが奇跡的に生き延びたカラフト犬のタロとジロの話題だった.
番組の紹介記事に下のように書かれている.
《映画『南極物語』にもなった、タロ・ジロ奇跡の生還物語。南極地域観測隊・越冬隊の引き継ぎが、悪天候のため上手く行かず、15頭のカラフト犬が南極に置き去りにされてしまった。だが、その1年後、タロ・ジロの2頭だけが無事に生還、隊員と奇跡の再会を果たしたのだ。だが、この生還劇には専門家にも長年解決できなかった大きな謎があった。「なぜ幼き、2頭のタロ・ジロだけが極寒の南極で生き延びることができたのか」奇跡の再会から60年…当時の越冬隊員で犬係を務めていた北村泰一氏が、犬たちへの償いの気持ちをこめ“長年の謎”の解決へ動き出した。そして導き出された答えには、もう1頭の犬の存在が!?あの極寒の南極で一体何が起きていたのか…スタジオも感動に包まれた、驚きの結末とは?》
私は全く気が付かなかったのだが,六十年も前のタロとジロの物語に,新たなエピソードを加える書籍が半年前に出版された.『その犬の名を誰も知らない』(嘉悦洋著,北村泰一監修:小学館集英社プロダクション,2020年2月20日) である.
一昨日の《何だコレ!!ミステリー》は,この本を下敷きにして再現VTRで構成したものである.
きゃりーちゃんは感動して涙ぐんでいたが,タロとジロと南極越冬隊を遠い思い出に持つ爺さんの私も目頭が熱くなった.
テレビを見終えるなり『その犬の名を誰も知らない』をAmazonで注文しようと思ったら,既に目ざとい転売屋の活躍するところとなっていた.
しかしそうであるなら電子書籍で私は構わないのでKindle版を買った.
団塊高齢者の,とりわけ愛犬家の諸兄,これは懐かしくも胸熱くする物語だ.一読をお勧めする.
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