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2020年9月11日 (金)

加齢によって馬鹿になるのか元々馬鹿なのか

 老害タレントのデヴィ夫人が「若者のみらい応援基金 助成先決定記者発表会」(9/10) に出席し,またまた放言した.
 大麻取締法違反の容疑で逮捕された俳優の伊勢谷友介容疑者について次の通り述べた.(デイリースポーツ《デヴィ夫人、逮捕の伊勢谷容疑者に「神経がわからない」…日本に徴兵制導入も提案》[掲載日 2020年9月10日 15:10])
 
あれだけ芸能界の方たちが次から次に逮捕者を出してますよね。これほどニュースになっているのに、まだ懲りずにやっている。その神経が分からない」とバッサリ。「不思議ですね。自分は捕まらないと思っているんですかね。
 
 無知は恐ろしい.《懲りずにやっている》のは,《自分は捕まらないと思っている》からではなく,大麻の依存性によるからである.
 総理大臣夫人の安倍昭恵氏が大麻解禁論者であることは国民周知のことであるが,どうやら安倍昭恵氏は,週刊誌に掲載された発言からすると「大麻に依存性はない」と思い込んでいるらしい.まことに無知は恥ずかしい.
 しかしデヴィ夫人は,上記の発言から推測されるように,大麻に依存性があるかないか以前に,依存性のこと自体を知らないのではないかと思う.
 デヴィ夫人は安倍昭恵氏と異なって大麻解禁の旗を振っているわけではないから,安倍昭恵氏に比べれば罪はないが,その年齢 (八十歳らしい) で無知は,これまた恥さらしである.
 大麻に依存性があることはほぼ常識に近いが,詳しく知らないというかたには京都大学大学院薬学研究科生体機能解析学分野のサイトに掲載されているコンテンツ《大麻の危険性》が大いに参考になる.大麻に依存性はある.しかるにその事実に目を背けて大麻解禁を説く者は,首相夫人だろうがなんだろうが,反社会的人物とみなしてよい.日本は,首相の妻が反社会的意見を主張するものすごい国なのである.
 首相夫人のことはさておき,デヴィ夫人は日本に徴兵制を施行すべきだという妄言を述べた.
 
自分たちは日本人なんだ、日本に住んでいるんだと。日本人としての自信と誇りを持って生きてほしい。物質に恵まれすぎてしまって、戦おうという気持ちがない。
日本も兵役に1年ぐらい行かせればいいんですよ。それで筋金が一本入った男性を作って…。韓国は2年ですけど。じゃないと愛国心が生まれませんし、大きな組織の中で生きる秩序を身につけてもらいたい。
 
 デヴィ夫人は,何の疑問も持たずに兵役を課せられるのは男だと思い込んでいるようだが,実はこれは非常に難しい問題なのである.
 現在,女性にも徴兵制度が適用されている国は少ない.圧倒的に多くの国が女性の兵役を免除している.なぜか.Wikipedia【徴兵制度】の《女性兵士の徴兵》にこう書かれている.
 
兵役の義務が課されているのは男性だけである国家が多く、女性も徴兵される国はイスラエル、マレーシア、ノルウェー、北朝鮮、スウェーデンなどである。かつては、このような義務が課せられたことが、男性のみに参政権等の権利が与えられる根拠となっていた。
 
 古典的な戦争においては,女性は国家や民族,部族の財産であった.言い換えれば男の財産であった.
 財産を戦闘の前線に持ち込んで消耗させる馬鹿はいない.銃後に置いて敵から守るのが兵士の義務である.
 これを裏返すと,局地戦闘の一局面として,敵側の財物を損傷すること,すなわち女性をレイプすることが兵士の義務であることになる.
 すなわち,戦争においてレイプされる性としての女性の在り方を否定し,女性が男と対等の人権を獲得しようとすると,女性は兵役の義務に向き合うことになる.Wikipediaの同じ箇所に下の記述もある.
 
アメリカの社会学者ワレン・ファレルは男性のみに徴兵制度が強制されている状態を男性差別であると指摘し、批判している。逆に志願制の国家では、男性しか志願できないことが女性差別になりうる。特に貧困層においては経済的理由から入隊を希望する場合もあるため(経済的徴兵制)、2013年に、アメリカ議会は男女平等に基づき女性兵士の前線での戦闘行為を容認する法律の施行を2016年までにすすめることを決めた。大統領であるバラク・オバマはこの決定を男女平等への歴史的一歩と述べた。
 
 日本人から見てトランプよりも民主的大統領のように思えるオバマにしてこれである.
 女性の人権は (そして男の人権も) ,戦場で敵を殺戮する義務とトレード・オフだというのだ.
 これが如何におかしいことかは,例えば「私たちの生存権は,他人の生存権を否定することと引き換えに与えられる」と言い換えればよくわかる.
 上に書いたように,兵役義務から女性は免除されるということは「実はこれは非常に難しい問題なのである」
 デヴィ夫人は,女は男の持ち物であると思って生きてきたかも知れないが,男でも女でも,そのような人生に納得しない人々がいる.
 兵役と愛国心について,女性の人権に関して考察することなく,軽々に語るのは,馬鹿である.
 
 
脚註「安倍昭恵氏と大麻に関する参考資料」
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平成二十八年十一月七日提出
質問第一一八号

首相夫人の大麻についての発言に関する質問主意書
提出者  大西健介

首相夫人の大麻についての発言に関する質問主意書

 週刊現代十一月十二日号に掲載された小池百合子東京都知事と安倍昭恵首相夫人の対談の中で、首相夫人は「いまは大麻に興味があるんです。」、「ひとつは医療用。もうひとつは、『祈祷用』。」、「『日本を取り戻す』ことは『大麻を取り戻す』ことだと思っています。」と述べている。
 他方、先日、医療用大麻解禁を公約に掲げて、参院選に東京選挙区から立候補した高樹沙耶容疑者が大麻取締法違反で厚労省麻薬取締部に逮捕されている。これらに関連し、
一 安倍首相は、昭恵夫人から、大麻に関心を持っている、医療用や祈祷用としての大麻を解禁すべきとの考えをこれまでに聞いたことがあるか。聞いたことがある場合に、安倍首相は、それに対して、考えを改めるように注意しなかったのか。注意しなかった場合、安倍首相は昭恵夫人の考えを容認するのか。
二 個々人が様々な意見を持ち、表明することは原則自由であるが、参議院選挙に医療用大麻解禁を公約に掲げて立候補した元女優が逮捕されたというタイミングで、首相夫人、「ファーストレディー」という社会にその発言が大きな影響を持つ人物が「大麻に興味がある」と述べることについて首相として、どう考えるか。
 右質問する。
 
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内閣衆質一九二第一一八号
平成二十八年十一月十五日
内閣総理大臣 安倍晋三

衆議院議員大西健介君提出首相夫人の大麻についての発言に関する質問に対する答弁書

一及び二について
 お尋ねについては、安倍晋三衆議院議員の政治家個人又は私人としての見解等に関するものであり、政府としてお答えする立場にない。
 なお、大麻取締法(昭和二十三年法律第百二十四号)において、大麻の栽培等については、同法第五条第一項の免許を受けて行うことができることとされている。
 
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 質問者が安倍晋三の政治家又は私人としての見解を問うているものであるにもかかわらず,首相は《政府としてお答えする立場にない》と勝手に質問の趣旨が政府としての見解を問うていると歪曲し,答弁を拒否した.この「お答えする立場にない」はその後も安倍首相と菅官房長官が多用した答弁拒否のテクニックであった.

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