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2020年8月 7日 (金)

テレビはみない人たち

 沖縄県の置かれた状況は差し迫ったものがある.コロナ感染拡大をものともせずに「Go To トラベル」の旗を振る官房長官は,沖縄県の医療が危機に瀕していることに対して,記者会見で「感染者を収容するホテルを手配しておけと前から言っていたのに」旨のことを言った.そして俺の言うことを聞かないからこのザマだと言わぬばかりの得意げな表情をしてみせた.非情酷薄な男である.
 余談だが,官房長官の子分である横浜市長は,神奈川県における感染拡大に何らのメッセージも発していない.彼女の頭の中はカジノ誘致のことで一杯なのだろう.
 
 これから先何年も,新型コロナウイルス感染症の流行は収束しないだろうから,私はもう生きている間に沖縄に旅をできる可能性はない.それを思うと,ああ本島以外の島々にもっと足を運んでおけばよかったと残念でならない.
 沖縄はよいところだ.あれほど昭和天皇と皇軍に虐げられ,多数の県民が「友軍」の犠牲になったにもかかわらず,沖縄県民は本土の人々に温かい.だから若い人たちには,もっと沖縄を大切にしてもらいたい.沖縄戦と沖縄返還運動の時代を生きてきた沖縄の老人たちを,ここで死なせてほしくない.
 政府がどんなに観光旅行しましょうと旗を振っても,沖縄には不要不急の観光旅行に出かけてほしくない.そう思うのは私が,戦後の沖縄返還運動の時代を生きた本土人だからかも知れない.
 
 沖縄県の玉城デニー知事は8月5日午後,それまで本島を対象に求めていた不要不急の外出自粛を,離島を含めた県全域に拡大すると発表し,本島と離島,離島と離島間の移動を必要最小限とするよう県民に求めた.
 これについて東京キー局のテレビが,本島に来ていた家族連れ観光客にインタビューしたところ「離島への移動自粛なんて知りません」と答えた.そして「テレビを見ないので」と付け加えた.
 
 沖縄に遊びにきている観光客に,沖縄戦について訊いてごらん.きっと何も知らないだろう.戦後七十五年,NHKテレビは沖縄戦の時期と終戦の八月には特別の番組を放送し続けてきた.それが公共放送局の使命だとNHKは思ってきたはずである.
 しかし今,テレビを見ないでネットの動画しか見ない国民が多くなった今,オキナワもヒロシマもナガサキも遠く忘れ去られた.私は,こんな時代が来るとは思いもよらなかった.来てほしくなかった.

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