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2020年7月18日 (土)

こんなやり方ではだめだ

 新型コロナウイルス関連の報道をテレビで見ていていつも思うのだが,飲食店の人が消毒用アルコール (通常は薬局方エタノールを使用する) で室内の家具や調度品,あるいは食器を「消毒」するやり方が全くダメである.例えば下の画像は昨夜のテレビ朝日《報道STATION》が「GoToトラベル」キャンペーンについて伝えた際に用いた場面を,写真撮影してトリミングしたものである.
 
20200718b
 
 この店舗の従業員は左に消毒用アルコールの噴霧器を持ち,右手にタオル地と思われる布を持っている.
 ドアの取っ手にアルコールを吹き掛けると,ただちに布で拭き取っていた.問題は,誰がこんなやり方を教えたのか,ということである.たぶん,専門的な知識を持つ誰からも教えてもらっていないのは間違いない.こんなやり方では全く消毒になっていないからである.
 実は,食品工場,それも畜肉処理や惣菜製造などの工場 (上場会社などある程度の規模のところ) の従業員は,一日に何度となく作業台や使用する器具などをアルコール消毒する必要があるので,衛生管理を専門とする部署の専門家から,アルコール消毒の仕方を教育される.その際に「ダメ出し」されるのが,上の画像に示したやり方なのである.その理由について以下に説明する.
 上の画像を例に取れば,シュッシュッと数回アルコールを噴霧されたドアノブをよく見ると,その表面にはアルコールが点状に付着していることがわかる.
 正しい消毒方法は,この点状のアルコールを面上に拡げ,ドアノブ表面が均一に「濡れた」状態にする.
 そのためには,アルコールを吸収してしまう布で拭いてはいけない.薄手の不織布またはパルプ製のワイパーが市販されているので,これをあらかじめ十分に濡らしておいて,ドアノブやテーブルの表面にアルコールを拡げるようにする.元々は工場で使用するものだが,家庭用にも通販で手に入る.
 また,エンベロープ型ウイルスや一般細菌は,アルコールに接触しても瞬間的に死ぬわけではない.ウイルスや菌の種類にもよるが,実験を行って死滅に要する時間を調べた文献によれば,数十秒を要すると考えておけばよい.実際には,消毒作業を時間をかけてゆっくり行うようにする.上の画像のように,アルコールを吹き付けてすぐ拭き取っていたのでは,何もしていないに等しい.
 
 実は各地に消毒の専門家がいる.保健所である.この職員の中に,自治体によって名称は異なるが例えば「食品機動監視班」とか「食品安全広域機動班」などと呼ばれる人たちがいる.この皆さんは食品工場の現場で実践的な仕事に携わっていて,もちろん消毒のエキスパートである.
 私が思うに,各自治体は保健所の「機動班」を活用し,正しいアルコール消毒方法の普及啓蒙に努めるべきだ.「Go To トラベル」で政府は浮かれているが,そんなことより感染防止対策のイロハである正しいアルコール消毒方法を宿泊施設に教育することが絶対に必要である.
 
 テレビのニュース番組を観ていると,みてくれだけのインチキ消毒をしておきながら「感染防止に万全を期しています」などと言うキャバクラ,ホストクラブ,旅館,ホテルのなんと多いことか.しかしチコちゃんは知っています

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