自称作家の老残
共同通信《石原慎太郎氏「ALSは業病」 ツイッター投稿、謝罪》[掲載日 2020年8月1日 0:09] などの報道を読んだ人は「作家を自称しているが,こいつは本当に基本的な日本語を知らぬのだな」と思ったことだろう.
《京都の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の嘱託殺人事件を巡り、元東京都知事の石原慎太郎氏(87)が自身の公式ツイッターに「業病のALS」と投稿していたことが分かった。業病は「前世での悪事の報いでかかると考えられていた難病」(広辞苑)との意味で、批判が殺到。石原氏は31日、ツイッターで謝罪した。》
前日の毎日新聞《石原慎太郎氏が謝罪 ALSを業病と表現 「作家ながら私の不明の至り」》[掲載日 2020年7月31日 18:50] はもう少し詳しく書いている.
いずれにせよ自分の発言が強く非難されたことに慌てて,石原は釈明した.そこを毎日の記事から引用する.
《ALSを難病とせず業病と記したのは偏見によるものでは決してなく、作家ながら私の不明の至りで誤解を生じた方々に謝罪いたします》
辞書をひけば中学生でもわかる「業病」と「難病」の意味の違いを石原は知らなかっただけではなく,《誤解を生じた方々に謝罪いたします》はは日本語としてデタラメである.論理がメチャメチャだ.
石原の発言を世間の人々が「誤解」したとするなら,その責任は世間の人々にある.「誤解」という言葉を使う場合は,石原は「自分は悪くない」と主張していることになる.しかるに石原は《謝罪いたします》と書いている.自分は悪くないと思っているなら,なぜ謝るのだ.石原の書いた小説が全く後世に残るものでなかったのは,こういう石原の文章力のなさ,支離滅裂さによるものである.
こういう子供みたいな文章を書く人間が《作家ながら私の》とは笑わせる.
それにしても,だ.石原の弟,裕次郎は日本の戦後を代表する俳優の一人であった.その出演作品のいくつかは永遠に邦画の代表作として残るだろう.しかし弟のような才能に恵まれなかった兄は,今回の騒動のように老残を晒している.哀れである.
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