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2020年5月29日 (金)

しらたきの常備菜

 五日前の記事《ミツカン「鶏釜めし」》にこう書いた.
 
ちなみに同じ農水省のサイトに資料《こんにゃくいもの輸入 》があり,次の通りに書かれている.
 《平成19年4月のLDC (後発開発途上国) に対する無税無枠措置の適用以降、 ミャンマー、ラオスからの輸入が増加している。》
 「こんにゃく」はいつの間にか完全自給ではなくなっていたのだ.これについては別稿を立てて書く.
 
 その別稿である.
 一般財団法人日本こんにゃく協会の公式サイトに《こんにゃくができるまで》というコンテンツがある.
 
20200529c
 またWikipedia【コンニャク】には次の記述がある.
 
植物としてのコンニャク
サトイモ科の夏緑多年草植物で、学名はAmorphophallus konjac。英名はelephant footあるいはdevil's tongueとも言う。地下茎はコンニャクイモ(蒟蒻芋)と呼ばれる。原産地はインドまたはインドシナ半島(ベトナム付近)とされ、東南アジア大陸部に広く分布している。
 
 つまり東南アジア全体におよそ130種のサトイモ科植物が存在するが,その多くは多糖「コンニャクマンナン」を含まないため,加工してコンニャクを作ることはないという.
 この約130種のサトイモ科植物のうちどれくらいのものが食用であるかは,ネット上の資料を調べてもわからなかった.ただ,そのうちの一部は総称を「タロイモ」といい,東南アジアでは今でも主食の一つである.
 日本でサトイモ (里芋) と呼ばれているものはタロイモの栽培品種の一つで,最も北方で栽培されている品種だ.現在の日本列島に伝播したのはイネよりも早い縄文時代後期だとのこと.現在では日本はもちろん東南アジアでも主食の地位を米に譲った地域が多いが,起源が古いだけあって,食文化的に重要な食材である.
 さてコンニャクイモはサトイモ科の中では特殊な品種で,元々は中国の貴州省や雲南省,四川省など少数民族が多い地域でコンニャクに加工して食用とされてきた.コンニャクの我が国への到来は,Wikipedia【コンニャク】に,
 
日本への伝来時期には諸説あり、飛鳥時代に医薬として仏教と共に伝来した、あるいは縄文時代にサトイモと共に伝来したとも言われ、その後、推古天皇の時代に本格的に中国から輸入されたと言われる。その目的は「砂払い (整腸)」の薬効であったが、鎌倉時代までに食品として確立し、精進料理に用いられるようになった。しかし庶民に広まったのは、江戸時代の元禄年間の頃である。
 
とある.元禄年間以来,日本人はコンニャクを食い続けてきたわけだが,いくら食っても腹の足しにならないコンニャクを,薬効があると信じられていたとはいえ,よくぞまあ今に伝えてきたものだと感心する.(「腹の足し」とは血糖値が上昇することだ.コンニャクは大量に食っても胃の膨満感が増すだけである)
 それはともかく日本人はコンニャクが好きでよく食べるから,これが東南アジア諸国の人々に知られるところとなり,日本こんにゃく協会の記事に描かれているように,彼の地で日本向けに栽培されるようになった.これについてWikipedia【コンニャク】から少し長めに引用しよう.
 
こんにゃくと政治
国内生産者保護のため、こんにゃく芋は関税割当制度の対象とされ、安価な輸入こんにゃく芋には国内産より高コストとなるように、高額の関税が課されている。2015年の1次税率(267トン以内)は40%、2次税率は2796円/kgである。ウルグアイ・ラウンド合意によってこんにゃく芋の関税化が始まった1995年当時は、2次税率の関税率は1706%に相当した。また、各年度において、年度開始からの累積の輸入量が一定量を超えると超えた月の翌々月からその年度の終わりまで「特別緊急関税」と呼ばれる3728円/kgの緊急関税率が適用されることが定められ、2009年2月1日、2009年9月1日、2010年7月1日、2012年12月1日に実際に発動している。
自民党には、こんにゃく農家の保護・育成のために活動する「こんにゃく対策議員連盟」があり、群馬県を地盤とする小渕恵三も会長を務めていた。2011年、当時の民主党政権の前原誠司外務大臣は、こんにゃく芋に高関税が設定されていることについて、こんにゃく芋の大産地である群馬県から出た、自民党の内閣総理大臣が多いからだと発言した。
ただし近年は輸入品価格も上昇し、2008年は1 kg当たり800円程であったため関税率は350%程度で、関税が適用されても輸入こんにゃく芋の方が安くなる場合もある。なお、こんにゃく製品の輸入は自由化されており、関税率は20.3%である。》(引用文中の文字の着色は当ブログの筆者が行った)
 
 先日の記事《ミツカン「鶏釜めし》には
 
ミツカン「鶏釜めし」の「こんにゃく」は輸入原料を国内で加工しているのであるが,その輸入原料が「こんにゃく粉」かどうかはわからない.「板こんにゃく」を輸入して国内でカットと調味をしているかも知れないが,東南アジアから「こんにゃく粉」(精粉という) を輸入して「こんにゃく」を製造している会社から調達しているのかも知れない.いずれにせよこの「鶏釜めし」で使用する「こんにゃく」は大した量ではないのに,なぜ輸入品を使うのかは不明である.
 ちなみに同じ農水省のサイトに資料《こんにゃくいもの輸入 》があり,次の通りに書かれている.
《平成19年4月のLDC (後発開発途上国) に対する無税無枠措置の適用以降、 ミャンマー、ラオスからの輸入が増加している。》
「こんにゃく」はいつの間にか完全自給ではなくなっていたのだ.これについては別稿を立てて書く.
 
と書いたが,関税をかけても輸入のコンニャク芋,コンニャク製品のほうが安い場合があるのでは,コンニャクという伝統的食品はいずれ完全に我が国の自給農産物,自給食品でなくなっても不思議ではない.
 ま,飛鳥時代に輸入製品であったコンニャクが,現代になって再び輸入製品に回帰するのは奇しき時の流れと言うべきか.
 
 ところで,スーパーの加工食品売り場へ行くと,豆腐・納豆と関連製品の棚面積がかなり広いが,料理としてあまり用途の広くないコンニャク製品も,大豆製品に劣らぬ量が日々販売されていることに気が付く.それも,しらたき又は糸コンニャクが,板コンニャクや玉コンニャク,刺身コンニャクを圧倒している.
 刺身コンニャクはそのまま食うだけであるし,板コンニャクの用途はおでんが主だろう.では,しらたきはどうなのか.
 他家ではどうか知らぬが,私は醤油味の辛い炒め物が好物である.冷蔵庫の常備菜だ.
 作り方は何の工夫もない.袋入りのしらたきをまな板に置き,ざっくりと二つに包丁で切る.これを鍋にたっぷりの湯を沸かして下茹でする.下処理したしらたきは,カルシウムが溶け出た湯を捨てて水洗いしておく.
 油揚げを熱湯で洗ったあと,一センチ角くらいの大きさにカットする.
 コンニャクと油揚げと輪切りの鷹の爪一つまみを鍋に入れ,少しの麺つゆで味を付けてからサラダ油で炒める.仕上げに少しの胡麻油を垂らせば出来上がりだ.
 
 これだけで酒肴になるが,炒り卵を加えれば見た目も豪華になる.
 油揚げの代わりに,デパ地下の惣菜てんぷら屋で揚げ玉 (無料) をもらってきて,しらたきを炒めたあとに混ぜるのもおいしい.
 油揚げではなくベーコンをたくさん入れれば,肴というよりも御飯の副菜のようになる.また,日持ちはしなくなるが,ニンジン等の野菜を入れてもよい.
 特筆すべきは,この常備菜は一日に一度レンチンすると,かなり長く冷蔵保存できることである.というか,しらたきと油揚げだけを使う基本形のものは,レンチンするたびにどんどん雑菌が死滅していくという衛生料理である.
 しらたきを二袋使って大量にこしらえて,毎日の晩酌の肴はこれだけ,というのは年金生活者に最適であると私は考える次第だ.
 
20200529a

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