塩はかけないで芋を味わうのよ
現下の日本は「高齢社会」だが,三十年くらい前には,やがて来る「高齢化社会」を見据えて,これからどうしようかというのが食品業界の商品開発のテーマだった.
そこで「ナトリウムがだめならカリウムがある!」ということで,加工食品に原料として使用する食塩の一部を,塩化カリウムで代替するアイデアが色々生み出されたのであるが,結論からいうと,これは不発だった.
というのは,腎臓に何らかの不具合がある人は余剰のカリウムを体外に排出することができず,カリウム摂取が時として命に関わるようなリスクをもたらすからである.減塩商品の一部にカリウムは使用されているが,私見としてはお勧めできない.野菜や果物は元々カリウム含有量が大きいので,これを日常普通の食生活の中で食べることにより摂取されるカリウム量に抑えておくのがよいだろうと思う.
塩化カリウムの使用はうまくいかなかったが,食事における減塩が注目され始めた当時から有望と思われたのは,「旨味」を強化することで食品中の塩分を減らそうという試みだった.
これは「出汁」を基本的な柱としている日本の料理にジャストフィットして,現在ではこれが減塩食生活の基本となった.
さて最近のテレビCMで笑ったのは,湖池屋のプライドポテトだ.プライドポテトのラインアップは〈神のり塩,感激うす塩味,衝撃のコンソメ,芋まるごと〉だが,このうちの〈芋まるごと〉が食塩無添加なので,買って食べてみた.味付けは昆布味である.
するとこれがなかなか旨いのだ.ポテトチップスも,旨味を強化すれば塩味なしで充分にイケルことがわかった.
従前のポテトチップスを,減塩のために敬遠していた向きにはお勧めである.
ちなみにテレビCMは《芋の讃歌「芋まるごと」篇》と《芋の讃歌「神のり塩」篇》がある.
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