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2020年3月26日 (木)

実際と違うぞ

 Business Journalの《NHK新型コロナ特番が「明快過ぎる」と話題…新幹線や外食は低リスク、石けんで十分》[掲載日 2020年3月17日 13:16] を読んだ.
 記事のイントロは以下の通り.
 
3月16日、NHKで『新型コロナウイルス「いま あなたの不安は何ですか?」』が放送された。視聴者から寄せられた3万件から選ばれた疑問に、東北医科薬科大学特任教授の賀来満夫氏、聖路加国際病院・感染管理室マネージャーの坂本史衣氏、東邦大学教授の小山文彦氏らが答えるものだ。司会は武田真一アナウンサー、林田理沙アナウンサー。放送中もファックスやインターネットで視聴者からの質問を受け付けた。
 
 そして記事中に次のことが書かれている.
 
政府による不要不急の外出を控えるようにとの呼ぶかけもあり、新幹線や飛行機はガラガラの状態だ。だが、密閉空間とはいえ換気がされており、ある程度の距離があり、会話や発声がないのなら、新幹線や飛行機に乗ることは感染リスクは少ないとの明確な回答があった。
 
 常識だが,新幹線のシートは,グリーン車でも「ある程度の距離」すなわち会話等による飛沫が届かない距離がとれていない.普通車のシートの左右は,大人の肩がやっと触れ合わずに済む程度の間隔しかない.シートの前後も近接している.後ろの席で咳をされれば飛沫直撃だ.
 旅客機の中の換気がどのくらい行われているかはデータを持っていないのであるが,新幹線の車両内部の換気が著しく悪いことは常識だ.
 まだ新幹線に喫煙車があった頃,止むを得ず喫煙車の中を歩いて通ったことのある非喫煙者なら誰でも知っているが,喫煙車の中は煙が充満していた.
 やがて全席が禁煙となり,喫煙は喫煙ブースでするようになる前のことだが,シートに腰かけていると服に臭いが付くから,喫煙者なのに非喫煙車に乗り,タバコを吸いたくなると喫煙車に移って喫煙する野郎もいた.そいつは私の部下だったので,頻繁に席をたってどこかに行くのかと理由を訊いたら「だって服に臭いがつくと嫌じゃないですか」といいやがった.新幹線の車両はほとんど換気がされていないのが事実である.
 余談だが,私が会社員だった頃,大阪に出張した時は新大阪駅で「551蓬莱」の豚まんを買って帰ることが多かった.出張カバンの中にはいつもポリ袋が入れてあり,豚まんの箱を厳重にくるんで持ち帰った.そうしないと新大阪から東京まで新幹線の車両中に豚まんの匂いが充満してしまうからであった.蓬莱の豚まんの匂いはすごかったなあと,懐かしく思い出す.
 閑話休題.では旅客機はどうか.
 先日,スペイン旅行中に感染した女子高校生だ女子中学生だかが,成田空港の検疫官の要請を振り切って沖縄の自宅に帰ってしまった (羽田→那覇を飛行機で移動) という事件があった.もちろん親が煽動したのであることは疑いない.
 で,この女子学生が搭乗した羽田‐那覇便で,左右前後のシートに乗っていた旅客は接触者として追跡されるとニュースは述べていた.もし旅客機の中の換気が充分で感染リスクが低いのなら,そんな作業は必要ないはずだ.そこのところ,回答者の専門家はどうお考えか.
ある程度の距離があり、会話や発声がないのなら 》という仮定がそもそも成立しないのであれば,《感染リスクは少ない 》などと言わぬほうがよろしい.

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