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2020年3月19日 (木)

それでもエジプトへ行く人々

 私はこのブログの記事《愚かな老人たち》に下のように書いた.
 
「自分は大丈夫,感染しない」と根拠なく自信満々の愚かな高齢者たちが,何十人もナイル川クルーズを楽しみ,そして帰国して新たな感染者クラスターを形成する.この有様を見て,私は老人の一人として若者にまことに申し訳なく思う.それにしても総理は,こういう時に特措法を発動し,ツアーの解散を命令せずにどうする.そのための特措法だろうが.
 
 上の文の意図は,ナイル川クルーズを行程に含むエジプトツアーが,参加者の帰国後に多数の新型コロナウイルス感染者を出しているにも拘わらず,催行中止を表明したJTBを除いては,他の大手中小の旅行代理店が依然としてエジプトツアーの催行を強行しようとしていることを非難するものだ.
 各メディアが伝えたところによれば,安倍首相は昨日 (3/18) の新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で,欧州全域やエジプトおよびイランに発給済みの査証の効力を,今月二十一日から四月末まで停止すると表明した.これらの国々からの日本人を含む入国者全員に対して,自宅や宿泊先などで二週間の待機を要請する.
 これまでの事例で明らかなように,各地の自治体・保健所から自宅待機を要請されたにも拘わらず,スポーツジムや飲食店に出かけるという例が相次いでいる.中には保健所の調査に虚偽を答え,接触者を拡大した悪質な者もいる.
 移動の自由は基本的人権である.しかし私たちは権利を主張するに際しては,それが公共の福祉に背かぬものであることを自らに問わねばならぬ.すなわち他人の生命を脅かし,日本経済を窮地に追い込む行動を厳に慎むべきは自明のことである.
 しかるに業界最大手の一つ,クラブツーリズムがエジプトツアーについて下した判断は次の通りである.(3/18現在)
20200319b
旅行出発前に任意保険のご加入をご検討ください 》,これがクラブツーリズムの方針である.(悲嘆)
 
 上の記事を書いたあと,クラブツーリズムは公式サイトに小さくヨーロッパ,エジプトを目的地とするツアーを期限を切って中止すると表明した (3/18更新) が,個別のツアーは募集を続けている.これで企業の社会的責任を果たせると思っているのである.
 阪急交通社はツアー催行の強行を表明している.(下の画像は3/19朝現在で確認した;図中の赤い線は当ブログの筆者が描き入れた)
 
20200319d  
 
 私は実例を知っているが,高齢になると社会的な関心を失い,テレビもネットも遠ざけ,例えば新型コロナウイルス感染が国難状況に至っていることをほとんど認識していない老人たちがいる.また少しは見聞きしていても,自分は大丈夫と思って楽観している人々がいる.
 そのような人々が存在する以上,ハイリスクなツアーは催行と募集を中止するのが旅行代理店の社会的責任であると考える.ハイリスク国から日本へのビザを政府が失効させたという事態なのに,それらの国へのツアーは「キャンセル料は規定通りいただきます」などと言っている場合か.(←阪急交通社)

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