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2020年3月

2020年3月31日 (火)

風俗産業を助けようと上柳昌彦は語った

 小池知事は昨夜 (3/30) 緊急記者会見を開き,次のように述べた.
 
東京都内の新型コロナウイルスの感染状況について「感染経路が不明な症例のうち、夜間から早朝にかけて営業しているバー、ナイトクラブ、酒場など、接客を伴う飲食業の場で感染したと疑われる事例が多発していることが明らかになった」と述べました。
そのうえで小池知事は「こうした場は感染のリスクが高いといわれる『換気の悪い密閉空間』、『多くの人が密集する場所』、『近距離での密接した会話』の3つの密がより濃厚な形で重なる場となっている。都民の皆様にはこうした場への出入りを控えて頂くようお願いしたい」と呼びかけました。
さらに小池知事は、「特に若者にはカラオケ、ライブハウス、中高年の方々にはバーやナイトクラブなど接待を伴う飲食店などに行くことは当面、控え、自粛して頂きたい」と述べました。》(NHK NEWS WEB;小池知事 緊急記者会見の詳報)
 
 このことについて,今朝のニッポン放送《上柳昌彦 あさぼらけ》で,キャスターの上柳昌彦は,都知事の自粛要請で困っているキャバクラとかに支援が必要だと述べ,具体的には固定資産税を挙げた.
 上柳昌彦は,自分が何を言っているのかわかっているのか.
 都民の多くはつつましい暮らしの勤労者である.あるいはパートをいくつも掛け持ちして子を育てているお母さんたちもいる.
 そういう人たちに比べて,風俗産業の経営者は,元々から税制面で極めて優遇されている.
 しかるになぜ風俗産業がさらに税の優遇措置を受けるのか.
 上柳昌彦はリスナーにきちんと説明する必要がある.

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買春男が新型コロナウイルスについて何か書いている

 朝日新聞社のサイト“WEBRONZA”を流し読みしていたら,米山隆一が《新型コロナ急拡大で小池都知事の言う「首都封鎖」は本当に必要か》を書いていた.
 米山隆一は二年前,買春スキャンダルで新潟県知事の座からころげ落ちた男だ.Wikipediaにこう書かれている.
 
女子大学生への買春行為に伴う辞職
2018年4月16日、出会い系サイトで知り合った20代の女子大学生に金品を渡して交際していた(買春行為)事が週刊文春に報じられる予定であることを受け、支援者らと対応を協議した結果、18日の記者会見において知事を辞職する意向を表明、同日、県議会議長に辞職願を提出した。27日に開かれた新潟県議会の臨時議会において全会一致で辞職が同意され、同日付で知事を辞職した。約1年半の在職期間は歴代新潟県知事で最短となった。
2019年1月20日、『サンデージャポン』(TBS系列)にコメンテーターとして出演。失脚から9カ月ぶりに公の場に登場した。
 
 米山は,とりあえず新型コロナウイルスについて何か書かなきゃいかんと思ったようだが,金にでも困っているのか.医師で弁護士なんだから貧乏だとは思えぬが.
 米山は 顔と 性格が悪いだけで悪人ではないが,あれほど世に下半身系の恥をさらしたのだから,せめて事件のホトボリが冷めてから出てきたらどうか.
 そして,こういう下半身野郎に執筆してもらわねばならぬほど「論座」は堕ちたのか.情けない.

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2020年3月30日 (月)

人生を賭した遊び /工事中

 京都新聞社が《大学でクラスター発生の可能性 京都産業大の学生8人が新型コロナ感染》[掲載日 2020年3月29日 19:20] を報じた.
 京都産業大学の今春卒業性たちが新型コロナウイルス感染症に感染し,クラスターを形成したらしいという内容である.
 発端は三月前半にヨーロッパ旅行した京産大学生4人が感染したことであるが,帰国後にこの学生たちが参加したゼミ懇親会やサークル懇親会からも感染者が出ており,合計47人の濃厚接触者のうち既に13人に症状がみられるという.
 
 新型コロナ感染症を「致死率が低いからそれほど恐ろしい感染症ではない」とテレビで発言するコメンテーターがいる.
 その人たちが言う定型の文句に「大部分は軽症である」「退院した人がいるのを無視してはいけない」がある.「感染しても大部分は軽症で,死ぬのは年寄がほとんどだから,おそろしい感染症ではありません」と言われると,高齢者である私は非常に腹が立つ.こういうことをテレビで言うから,学校が一斉休業中にスペイン旅行に出かける生徒や,サークルの飲み会をする京産大の学生なんかがでてくるのだ.
 しかしそれはそれとして,退院についての数字を見てみよう.(3/29版厚労省発表)
 国内の感染者合計  1,693例 (クルーズ船除く)
   内訳;患者1,378例,無症状病原体保有者182例,症状有無確認中133例
   国内での退院者;424名
 患者のうち症状が改善して退院できた人はわずかに31%しかいないのである.しかも,退院 (検査陰性) できたからといって完治したわけではないという.症状がなくなって検査陰性かつ無症状の病原体保有者 (キャリア) がいる.
 今朝のNHK等の報道によれば,中国には4万数千人の無症状キャリアがいると指摘されている.中国当局は指摘に対して,無症状キャリアの存在を認め,これまで公表してこなかったのは,無症状キャリアは他人に感染させる可能性が低いからだとしている.(この件は,感染させる可能性が皆無でないところがミソである.再び感染が拡大した時には「低いと言っただけで皆無なんて言ってない」と当局は言うのだろう)
 無症状キャリアのことはさておいて,新型コロナ感染症が治癒しにくい病気であることが「退院者/感染者」の比からわかる.有効な治療薬がまだ明らかになっておらず,患者は自分の免疫力だけが頼りなのである.
 
 さて上に記した京産大の卒業生のことで,気になったことがあるので調べた.この卒業生たちが今春から自営業ではなく会社に就職したときにどうなるか,である.この事態に係る法令は複数ある.
 その一つは感染症法 (感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律;平成二十八年四月一日施行;ただし左記のリンク先法律全文は最新の改正を反映していないので,最新の条文はこれを基に改正履歴を追う必要がある) である.その第十八条に (就業制限) の定めがある.
 
第十八条 都道府県知事は、一類感染症の患者及び二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の患者又は無症状病原体保有者に係る第十二条第一項の規定による届出を受けた場合において、当該感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該者又はその保護者に対し、当該届出の内容その他の厚生労働省令で定める事項を書面により通知することができる。
2 前項に規定する患者及び無症状病原体保有者は、当該者又はその保護者が同項の規定による通知を受けた場合には、感染症を公衆にまん延させるおそれがある業務として感染症ごとに厚生労働省令で定める業務に、そのおそれがなくなるまでの期間として感染症ごとに厚生労働省令で定める期間従事してはならない。
3 前項の規定の適用を受けている者又はその保護者は、都道府県知事に対し、同項の規定の適用を受けている者について、同項の対象者ではなくなったことの確認を求めることができる。
4 都道府県知事は、前項の規定による確認の求めがあったときは、当該請求に係る第二項の規定の適用を受けている者について、同項の規定の適用に係る感染症の患者若しくは無症状病原体保有者でないかどうか、又は同項に規定する期間を経過しているかどうかの確認をしなければならない。
5 都道府県知事は、第一項の規定による通知をしようとするときは、あらかじめ、当該患者又は無症状病原体保有者の居住地を管轄する保健所について置かれた第二十四条第一項に規定する協議会の意見を聴かなければならない。ただし、緊急を要する場合で、あらかじめ、当該協議会の意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。
6 前項ただし書に規定する場合において、都道府県知事は、速やかに、その通知をした内容について当該協議会に報告しなければならない。 
(引用条文中の文字の着色は当ブログの筆者が行った.また新型コロナウイルス感染症が上記第十八条に係る感染症であることは「新型コロナウイル ス感染症を指定感染症として定める等の政令」が官報に掲載されている.この政令の官報当該箇所の画像を下に掲げる)
20200331a
(新型コロナウイル ス感染症を指定感染症として定める等の政令)
 
 上の第十八条中の赤い文字の箇所にあるように,感染症法の規定では,感染症に罹患したとしても必ずしもすべての感染症で就業が制限されるのではない.すなわち「感染症ごとに厚生労働省令で定める業務」に「感染症ごとに厚生労働省令で定める期間に」制限される.
 ちなみにここでいう厚生労働省令は感染症法施行規則 (感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則;施行日:平成二十九年十二月十五日) で,その第十一条に規定がある.
 
《第十一条 法第十八条第一項に規定する厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
一 当該届出の内容のうち第四条第一項第三号、第四号及び第六号に掲げる事項に係る内容
二 法第十八条第二項に規定する就業制限及びその期間に関する事項
三 法第十八条第二項の規定に違反した場合に、法第七十七条第四号の規定により罰金に処される旨
四 法第十八条第三項の規定により確認を求めることができる旨
五 その他必要と認める事項
2 法第十八条第二項の厚生労働省令で定める業務は、次に掲げる感染症の区分に応じ、当該各号に定める業務とする。
一 エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、南米出血熱、マールブルグ病及びラッサ熱 飲食物の製造、販売、調製又は取扱いの際に飲食物に直接接触する業務及び他者の身体に直接接触する業務
二 結核 接客業その他の多数の者に接触する業務
三 ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る。以下単に「重症急性呼吸器症候群」という。)、新型インフルエンザ等感染症、中東呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る。以下単に「中東呼吸器症候群」という。)、痘そう、特定鳥インフルエンザ及びペスト 飲食物の製造、販売、調製又は取扱いの際に飲食物に直接接触する業務及び接客業その他の多数の者に接触する業務
四 法第六条第二項から第四項までに掲げる感染症のうち、前三号に掲げるもの以外の感染症 飲食物の製造、販売、調製又は取扱いの際に飲食物に直接接触する業務
3 法第十八条第二項の厚生労働省令で定める期間は、次に掲げる感染症の区分に応じ、当該各号に定める期間とする。
一 結核、重症急性呼吸器症候群、中東呼吸器症候群及び特定鳥インフルエンザ その病原体を保有しなくなるまでの期間又はその症状が消失するまでの期間
二 前号に掲げるもの以外の感染症 その病原体を保有しなくなるまでの期間
(引用条文中の文字の着色は当ブログの筆者が行った)
 
 実際は厚労省が具体的に解釈するので,推定になるが,上の施行規則の条文からすると,飲食物関係以外の業務は制限されず,またテレワークのような仕事は制限されないと思われる.少し難しいのは制限期間で,病原体キャリアになってしまった場合のことは現時点では不明である.
 
 さて感染症患者の就業制限に係る法令の二つ目は労働安全衛生法である.労働安全衛生法は,第六十八条 (病者の就業禁止) に次の定めがある.
 
第六十八条 事業者は、伝染性の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかつた労働者については、厚生労働省令で定めるところにより、その就業を禁止しなければならない。
 
 同法第六十八条にある「厚生労働省令」とは労働安全衛生規則を指し,その第六十一条は次の通り定めている.
 
第六十一条 事業者は、次の各号のいずれかに該当する者については、その就業を禁止しなければならない。ただし、第一号に掲げる者について伝染予防の措置をした場合は、この限りでない。
一 病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾病にかかつた者
二 心臓、腎臓、肺等の疾病で労働のため病勢が著しく増悪するおそれのあるものにかかつた者
三 前各号に準ずる疾病で厚生労働大臣が定めるものにかかつた者
2 事業者は、前項の規定により、就業を禁止しようとするときは、あらかじめ、産業医その他専門の医師の意見をきかなければならない。
 
 感染症法に基づいて行われる就業制限は,感染者本人に対して「就業してはならない」としているが,労働安全衛生法は,感染者を雇用している事業者に対して「就業させてはならない」としているわけだ.
 新型コロナウイルス感染症患者は,規則第六十一条第一号の《病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾病にかかつた者 》に相当する.例外の但し書き《伝染予防の措置をした場合 》は感染症によって異なるであろうから,実例について解釈が行われるはずだ.
 報道された京産大の卒業生は,





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2020年3月29日 (日)

グリーンピースとベーコンの炊き込み御飯

 昨日,食料品を買いに藤沢の街にでかけ,八百屋にグリーンピースがあったので買った.九州産のものだ.一袋に二十莢くらい入っている.
 豆はみんなそうだけれど,莢に入っている時はたくさんあるように見えるが,サヤからはずすと途端にチョッピリになる.甚だしきは蚕豆で,大きな一袋を買ってきても,中身は小鉢一杯しかなくて寂しい思いをする.
 それに比べればグリーンピースはマシかも知れない.とにかく汁椀に八分目ほどの豆がとれた.
 これを小さな鍋に入れて,水をヒタヒタに注ぎ,塩少々を入れて火にかける.沸騰したら三分茹でて,火を止めてそのまま冷ます.
 
[材料]
 米                 二合
 厚切りベーコン           ハーフカットのものを三枚.一センチ角くらいにカット.
 理研ビタミン
   素材力だし・こんぶだし     スティック一本
 水                 炊飯器の目盛りの量
[作り方]
 特別なことはない.普通に炊く.炊き上がったら,用意してあるグリーンピースを釜に入れてざっくりとかき混ぜる.
 豆を米と一緒に炊くと,色が悲しいくらいに悪くなるので,くすんだ色の豆が好きで好きで堪らぬという御仁以外は,米とは別に茹でるべきである.この色が春の色だからである.
 塩はベーコンから出る塩味だけで充分.ベーコンを使わない伝統的な豆御飯がお好みならば,米二合に対して塩小さじ一杯を用いる.
[感想]
 理研ビタミンの「素材力・こんぶだし」はあると煮物とかに色々重宝する.
  
20200329e

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2020年3月28日 (土)

本日の買い出し

 今日の昼頃,食料品を調達にスーパー (藤沢駅北口のダイエーとクイーンズ伊勢丹) へ行ってきた.
 ダイエーでは,ペンネを買うのが主目的だったが,ロングパスタの棚が完全にカラだった.マカロニなどサラダ用のショートパスタはあったが,ペンネは海外産製品が一袋だけ残っていたので,それをカゴに入れた.パスタソースは棚の半分くらいが売り切れていた.
 昨日だったかテレビ報道を見ていたら,パリ在住の邦人女性が電話インタビューに答えて,外出禁止になった当初は食料品,特にパスタが売り切れ状態になったが,現在はもう落ち着いて食料品の買い物に困ることはないと言っていた.
 フランスよりも遅れて感染拡大したアメリカからの特派員レポートで,ニューヨークの食料品店の棚を撮影した映像でも,パスタが払底していた.パスタはどこでも人気なのだ.
 さて首都圏と大阪では,この週末には不要不急の外出を自粛しようと首長たちが市民に呼び掛けた.
 従ってこの週末,多くの人は飯を自分ちで食う (*註1) ことになる.家の中で食事を作って食うのを「内食」と言うが,内食でフランス料理を作って食う人は極少数派だろう.これに対して,調理済みあるいは半調理済みのピザとか,スパゲッティは,米の飯を炊くより調理が簡単な上に,子供たちに見せるには見た目がよいから,ママとしては時短なんちゃってイタリアンに走るのだろう.その気持ちはよくわかるが,温かいうどんもおいしいぞと言いたい.桜が散る前なら,にゅうめんもいいもんだ.
 
 レジカゴにペンネを入れて,それから日配商品のコーナーへ行ったら,案の定,納豆が完売だった.いつもは昼頃にはまだ売れ残っているPBの納豆も,一つもなかった.午前中に完売したようだ.豆腐も残りわずかだった.しかし納豆も豆腐もうちの冷蔵庫に在庫があるから要らない.それ故ここでは油揚げを,そして野菜コーナーに回って筍水煮をカゴに放り込んだ.油揚げ入りのたけのこ御飯を炊こうと思うのである.
 日配商品では,鶏卵も完売だった.いつもながら,卵,納豆,スパゲッティが,藤沢ダイエーにおける買い占められ御三家だ.
 藤沢駅周辺のスーパーやデパートで,買い占めおばさんが殺到した結果,棚がカラになってしまうのは,どういうわけかダイエーだけである.藤沢ダイエーでは,これらのジャンルの担当バイヤーには予測能力がないのだとしか思えない.棚がカラだと,それを見た逆上買い占めおばさんたちは何でもかんでもお構いなしに怒涛の買い占めを始めるから,一ヶ所でも棚をカラにしてはいけないのだ.
 
 ダイエーの次にクイーンズ伊勢丹でパック入りのソース焼きそばを買った.これは夕飯に食べる.あと,竹輪の天ぷらも買ったが,これは晩酌の肴だ.
 買い占めの話に戻ると,成城石井とクイーンズ伊勢丹は買い占めおばさんが押し寄せることはない.店ごとの客層の違いは,おもしろいものである.
 この新型コロナウイルス禍で生じた現象の一つに,スーパー等で惣菜を包装して売るようになったことが挙げられる.以前は,天ぷらやコロッケなどは大きなトレーにそのまま並べられていて,客はトングで欲しいものを食品用透明パックあるいは袋に入れ,それをレジに持って行って精算する方式だった.それが今ではどこのスーパー (私が行く数店だが) でも,食品用透明パックに一つまたは二個ずつを包装した状態で並べられている.もちろんこれは,感染者が排出する飛沫で惣菜が汚染されぬように配慮しているものと考えていい.
 パン屋も同じである.ブールみたいに丸っこい形のフランスパンや塩パン,クロワッサンなどは透明袋に包んで並べられている.ホットドッグなど各種調理パンも食品パックに包装されて陳列されている.
 この状態は消費者にとって歓迎すべきことだ.法律上,「袋に入れても袋の口を閉じていない場合」は「包装」に相当しないのだが,食品用透明パックに入れて閉じた場合は「包装」とみなす.そして「包装」した場合は,ラベルを貼り,原材料を表示しなければならない.以前は揚げ物は原材料表示を免れていたのだが,今後は消費期限と一緒に原材料表示をすることになる.
 ただ,現時点での印象だが,揚げ物の消費期限はかなり短く表示されているようだ.いつまで食べられるかを消費者は自分の判断で決める必要がある.ま,買った当日中に食べるのが一番よいが,冷凍してしまうのもいいだろう.
 
 最後に藤沢駅の隣の名店ビルに行った.そしたら地下の八百屋にグリーンピースがあったので買った.豆御飯が急に食べたくなったのである.豆御飯を炊くにしても,普通に塩味で炊くか,コンソメスープで炊くのはどうだろうとか,色々と考えた.
 今夜は雪が降ると天気予報が言っているが,もうすぐ春だ.私は古い人間なので,タケノコ御飯,豆御飯を食べると食卓に春の気分が出る.ほんとは関東地方ではタケノコの旬は四月 (*註2) になってからだけれど,食材の物流は全国一律になっているから,昔よりも野菜の季節感はかなり早くなっている.
 野菜ではないが,もう蓬の季節だ.となると唐突に越後の笹団子が食いたくなった.新潟では,笹と蓬の端境期はいつなんだろう.よくわからないので,ここは一つ我慢して,来月になったら賞味することにしよう.
 
(*註1) 土曜 (3/28) の夜,テレビの報道を観たら,渋谷の繁華街には,いつもよりは少ないながらも,遊んでいる若いやつがいた.テレビ局の取材記者が「クラブとか,感染がこわくないですか?」と質問したら,いかにも阿呆な顔つきの若い男が「踊ればウイルスなんかすっとびますよ」と言った.新橋駅近くでインタビューに答えた若い会社員は「自分にうつるとか考えてないですね,まわりにコロナいないんで」と言った.ここまで日本人は劣化したのである.
 都内の桜の名所である目黒川にも若い連中が花見に来ていた.上野公園は都が通行止めなどして花見の抑制をしたおかげで人出は少なかったようだが,目黒川沿いは生活道路なので,それができない.知事があれほど警告したのに,このザマだ.スマホで動画は見るがテレビもネットニュースも見ない連中を政治はどうしたらいいのだろう.彼らは日本で今なにが起きているのか知らないのだ.
(*註2) タケノコの旬



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小池知事の感染症対策参謀

 昨日の記事《緊急事態宣言の要件》に以下のように書いた.
 
岩松潤内閣参事官が《「国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れ」との要件は既に満たされている 》と述べたのは,法施行令に示されているように「新型コロナウイルス感染症の重篤である症例の発生頻度が季節性インフルエンザの場合よりも相当程度高い」と内閣は認識しているという意味である.
 もちろん緊急事態宣言が行われるには手続きが必要であるが,おそらく専門家会議も同じ認識である可能性が高い.
 ところが昨夜,NHKニュースウォッチ9で,東京都の感染症対策アドバイザーである濱田篤郎・東京医科大学教授は,岩松内閣参事官と真っ向から対立する見解を述べた.
 
 岩松参事官の発言は一昨日のことで,NHKニュースウォッチ9に濱田教授が招かれて,岩松参事官発言とと正反対の主張をしたのは昨日の夜である.もちろん生放送だ.
 ということは,濱田教授は岩松参事官の発言を知らなかった (*註) ことになる.私のような一般国民でも知っている報道を知らないというのは,どういうことだ.しかも番組中での濱田教授のコメントは,教授が特措法施行令を読んでいないことを示していた.この重要な政令を読まずに,よくまあわけ知り顔にペラペラとコメントできるものだと呆れる.これだから 二流学者は
 この数日,小池知事がいくつものテレビの報道番組に出て都知事からのメッセージを解説していた.記者会見の時もテレビ放送の時も,知事に同席していたのが国立国際医療研究センター (東京) 国際感染症センター長の大曲貴夫医師だ.大曲医師は都の有識者会議のメンバーである.
 私が大曲医師の発言を聴いた印象では,非常に信頼できる医師であると考える.
  政府による治療薬開発は国立国際医療研究センターを中心に進んでいる.大曲貴夫医師を責任者とする研究班が発足して,「レムデシビル」の臨床試験が開始されることになった.この研究班は米国の国立衛生研究所の主導で進めている国際的臨床試験に日本の医療機関として参加する.
 濱田教授は昨秋に感染症対策アドバイザーに就いたばかりなので,今すぐクビにはできないだろうが,ほっておけばいい.小池知事に,大曲医師という頼りになる相談相手がいるのは心強い.
 
(*註)
 西村康稔経済再生相は27日,参院予算委員会で岩松参事官と同じ見解を述べた.


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2020年3月27日 (金)

緊急事態宣言の要件

 時事通信社JIJI.COMは《緊急事態宣言の要件「半分充足」 政府》[掲載日 2020年3月26日 20:19] で次の通り報道した.
 
岩松潤内閣参事官は26日、新型コロナウイルス感染症に関する野党の会合で、安倍晋三首相が緊急事態宣言を出す際に求められる2要件のうち、「国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れ」との要件は既に満たされているとの認識を示した。
 もう一つの要件である「全国的かつ急速なまん延により国民生活・経済に甚大な影響を及ぼす恐れ」に関しては、「学識経験者の意見を聞きながら考えていきたい」と述べた。
 
 上の記事にある《緊急事態宣言を出す際に求められる2要件 》とは次の二つをいう.
* 国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件
* 全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがあるものとして政令で定める要件
 これは,先般改正された「新型インフルエンザ等対策特別措置法」において示された二つの要件である.
 上記の「政令で定める要件」の「政令」とは,「新型インフルエンザ等対策特別措置法施行令」を指す.
 この施行令で「定める要件」は次のとおりである.
 
第六条
 法第三十二条第一項の新型インフルエンザ等についての政令で定める要件は、当該新型インフルエンザ等にかかった場合における肺炎、多臓器不全又は脳症その他厚生労働大臣が定める重篤である症例の発生頻度が、感染症法第六条第六項第一号に掲げるインフルエンザにかかった場合に比して相当程度高いと認められることとする。
2 法第三十二条第一項の新型インフルエンザ等緊急事態についての政令で定める要件は、次に掲げる場合のいずれかに該当することとする。
一 感染症法第十五条第一項又は第二項の規定による質問又は調査の結果、新型インフルエンザ等感染症の患者(当該患者であった者を含む。)、感染症法第六条第十項に規定する疑似症患者若しくは同条第十一項に規定する無症状病原体保有者(当該無症状病原体保有者であった者を含む。)、同条第九項に規定する新感染症(全国的かつ急速なまん延のおそれのあるものに限る。)の所見がある者(当該所見があった者を含む。)、新型インフルエンザ等にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者(新型インフルエンザ等にかかっていたと疑うに足りる正当な理由のある者を含む。)又は新型インフルエンザ等により死亡した者(新型インフルエンザ等により死亡したと疑われる者を含む。)が新型インフルエンザ等に感染し、又は感染したおそれがある経路が特定できない場合
二 前号に掲げる場合のほか、感染症法第十五条第一項又は第二項の規定による質問又は調査の結果、同号に規定する者が新型インフルエンザ等を公衆にまん延させるおそれがある行動をとっていた場合その他の新型インフルエンザ等の感染が拡大していると疑うに足りる正当な理由のある場合
 
 上の条文は少しわかりにくいが,改正前の特措法が制定される際に当時の有識者会議が行われ,そこに提出された資料があるので下に一部を示す.
 
20200327a
 
 これを踏まえて,冒頭に掲げた時事通信の報道を見てみる.
 岩松潤内閣参事官が《「国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れ」との要件は既に満たされている 》と述べたのは,法施行令に示されているように「新型コロナウイルス感染症の重篤である症例の発生頻度が季節性インフルエンザの場合よりも相当程度高い」と内閣は認識しているという意味である.
 もちろん緊急事態宣言が行われるには手続きが必要であるが,おそらく専門家会議も同じ認識である可能性が高い.
 
 ところが昨夜,NHKニュースウォッチ9で,東京都の感染症対策アドバイザーである濱田篤郎・東京医科大学教授は,岩松内閣参事官と真っ向から対立する見解を述べた.
 すなわち第二要件「全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある」という要件はほぼ満たしているが,第一要件「国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがある」は満たしていないと濱田教授は述べた.
 その理由として濱田教授は,特措法が2012年に制定された時,第一要件の「国民の生命及び健康に著しく重大な被害」は,スペイン風邪,あるいはSARSほどの被害を想定していたのだと述べた.日本の現状では,新型コロナウイルス感染症の致死率は1%程度であり (実は3%を超えているのだが,理由不明ながら番組中で濱田教授はそう語った),それほど重大な感染症ではないと語った.しかし,もしイタリアのような医療崩壊が起これば,致死率が高くなって第一要件を満たすかも知れないが,とも述べた.
 
 明らかに濱田教授は,小池都知事の危機感を否定している.記者会見の報道を見れば明らかなように,小池知事は,東京で感染爆発が起きる前に,特措法に基づく緊急事態を首相に宣言してもらい,イベント自粛要請等に法的根拠を得て,効果的な対策を打ちたいのである.つまり知事の意図は,感染爆発の防止である.
 だが濱田教授は,施行令に書かれていない「致死率がSARS並み」という条件を持ち出して,感染爆発が発生して医療崩壊が起きてからでないと,都の対策に法的根拠を与えることはできないと明言したのである.
 濱田教授は,テレビ番組で屡々まるで危機感のない発言を行ってきた.欧米の惨状が毎日のように報道されている現状下,新型コロナウイルス感染症はそれほど危険な感染症ではないと語るこの人物が,都のアドバイザーでいいのだろうか.












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2020年3月26日 (木)

実際と違うぞ

 Business Journalの《NHK新型コロナ特番が「明快過ぎる」と話題…新幹線や外食は低リスク、石けんで十分》[掲載日 2020年3月17日 13:16] を読んだ.
 記事のイントロは以下の通り.
 
3月16日、NHKで『新型コロナウイルス「いま あなたの不安は何ですか?」』が放送された。視聴者から寄せられた3万件から選ばれた疑問に、東北医科薬科大学特任教授の賀来満夫氏、聖路加国際病院・感染管理室マネージャーの坂本史衣氏、東邦大学教授の小山文彦氏らが答えるものだ。司会は武田真一アナウンサー、林田理沙アナウンサー。放送中もファックスやインターネットで視聴者からの質問を受け付けた。
 
 そして記事中に次のことが書かれている.
 
政府による不要不急の外出を控えるようにとの呼ぶかけもあり、新幹線や飛行機はガラガラの状態だ。だが、密閉空間とはいえ換気がされており、ある程度の距離があり、会話や発声がないのなら、新幹線や飛行機に乗ることは感染リスクは少ないとの明確な回答があった。
 
 常識だが,新幹線のシートは,グリーン車でも「ある程度の距離」すなわち会話等による飛沫が届かない距離がとれていない.普通車のシートの左右は,大人の肩がやっと触れ合わずに済む程度の間隔しかない.シートの前後も近接している.後ろの席で咳をされれば飛沫直撃だ.
 旅客機の中の換気がどのくらい行われているかはデータを持っていないのであるが,新幹線の車両内部の換気が著しく悪いことは常識だ.
 まだ新幹線に喫煙車があった頃,止むを得ず喫煙車の中を歩いて通ったことのある非喫煙者なら誰でも知っているが,喫煙車の中は煙が充満していた.
 やがて全席が禁煙となり,喫煙は喫煙ブースでするようになる前のことだが,シートに腰かけていると服に臭いが付くから,喫煙者なのに非喫煙車に乗り,タバコを吸いたくなると喫煙車に移って喫煙する野郎もいた.そいつは私の部下だったので,頻繁に席をたってどこかに行くのかと理由を訊いたら「だって服に臭いがつくと嫌じゃないですか」といいやがった.新幹線の車両はほとんど換気がされていないのが事実である.
 余談だが,私が会社員だった頃,大阪に出張した時は新大阪駅で「551蓬莱」の豚まんを買って帰ることが多かった.出張カバンの中にはいつもポリ袋が入れてあり,豚まんの箱を厳重にくるんで持ち帰った.そうしないと新大阪から東京まで新幹線の車両中に豚まんの匂いが充満してしまうからであった.蓬莱の豚まんの匂いはすごかったなあと,懐かしく思い出す.
 閑話休題.では旅客機はどうか.
 先日,スペイン旅行中に感染した女子高校生だ女子中学生だかが,成田空港の検疫官の要請を振り切って沖縄の自宅に帰ってしまった (羽田→那覇を飛行機で移動) という事件があった.もちろん親が煽動したのであることは疑いない.
 で,この女子学生が搭乗した羽田‐那覇便で,左右前後のシートに乗っていた旅客は接触者として追跡されるとニュースは述べていた.もし旅客機の中の換気が充分で感染リスクが低いのなら,そんな作業は必要ないはずだ.そこのところ,回答者の専門家はどうお考えか.
ある程度の距離があり、会話や発声がないのなら 》という仮定がそもそも成立しないのであれば,《感染リスクは少ない 》などと言わぬほうがよろしい.

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2020年3月25日 (水)

今そこにある危機

 本日夜の報道番組は,小池都知事が記者会見で現時点は「重大局面」との認識を述べたと伝えた.
 共同通信の報道《小池都知事、週末の外出自粛要請=感染爆発「重大局面」―新たに41人・新型コロナ》[2020年3月25日 21:32] から一部を引用する.
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 今朝のテレ朝《羽鳥慎一モーニングショー》で,安倍首相御用達の政治評論家として知られる田崎史郎氏が,小池知事を非難した.大阪府知事が政府からの「三連休における大阪・兵庫の往来自粛要請」を受けて動いたのを引き合いに出して,三連休が終わってから小池知事はなにを言ってるのか,遅い,という趣旨である.田崎氏によれば,小池知事は自らの再選と東京五輪問題にかまけて,新型コロナウイルスには関心が向いていないのだと解説した.《羽鳥慎一モーニングショー》におけるこの遣り取りは,水島宏明氏がテキストにして詳しく述べている.(《「埼玉県知事はK-1に自粛要請しても都知事はプロレスで何もせず」とテレビが批判した小池知事の対応遅れ》[3/15])
 プロレスやアイドルのライブなど,都内における大小のイベントが自粛せずに行われていることについては,そもそも都知事と都の関係部署との間の意思疎通がないのだろうと私は思う.小池知事が「東京のロックダウンもあり得る」と記者会見で述べたあと,都内の感染状況を発表する定例の会見で都職員 (毎日ニュースに登場するあの人たちだ) は,メディアから「ロックダウンの可能性は高いのか」と訊かれて,「感染者の感染経路はほぼ追跡できているので,そういう状況ではない」という趣旨のことを述べて,小池知事のメッセージを即座に否定した.
 こうして一日後,都内の感染者数は41人となり,これまでの最多を更新してしまった.感染経路不明の感染者も10人の大台を超えた.おそらくこの都職員たちの動きの鈍さ (あるいは面従腹背) に業を煮やして,小池知事は「感染爆発の重大局面だ」と述べたものと思われる.
 このように,地方自治体の公務員たちは,首長選挙が近づくと首長の言うことに従わなくなる.もし現首長が落選でもしようものなら,新首長は,前首長に協力的だった公務員を一斉粛清するからである.これがいわゆる「レームダック化」である.もし小池知事がレームダック化しているとしたら,迫りくる感染爆発に対処できようはずがない.都庁が小池都知事の指揮に従うかどうか,これが東京の運命を決める一つのファクターであろう.
 
 ところで大野元裕埼玉県知事は,国の要請を無視してK-1がスーパーアリーナでイベントを強行開催 (他の記事でも書いたが長嶋一茂はこれに協力) した時は,会場まで出向いて遺憾の意を表明した.また北欧旅行中に新型コロナウイルスに感染した志木市の夫婦が,帰国時に成田空港の検疫を偽装突破した時は,メディアに会見し,検疫を突破する悪意の国民に対する対策を国は考えて欲しいという趣旨のメッセージを発した.首長のすべきことをきちんと行っているという印象である.
 神奈川県の黒岩祐治知事は昨日,メディアの取材に対して「東京の封鎖は東京都だけで決められる話ではない」と述べ,自治体間で連携する必要があるとした.私は神奈川県民として黒岩知事の見解に納得した.
 さて埼玉と神奈川はいいとして,問題は千葉だ.森田健作知事は,千葉県を昨秋の台風15号が襲った直後に公務を放り出して東京都内の理髪店へ散髪しに出かけたり,別荘に行ったりして所在がつかめなくなった.また議会では居眠りをしている.(FRIDAY DIGITAL《私混同批判・森田健作千葉県知事 本日も県議会で居眠り》[掲載日 2020年1月10日])
 もし最悪の事態となって東京がロックダウンされた時,東京・埼玉・神奈川は連携して緊急事態にあたるだろうが,千葉方面がザルになるような気がしてならない.都市難民が大挙して東京と千葉の県境を越えようとする時に,県庁と県警の指揮を執るべき森田知事が所在不明である可能性があるからだ.
 聞くところによれば,森田知事の頭髪は,都内の特定のところでしか散髪できないと知事本人が述べている.どういう特殊な 頭髪 散髪なのか,だいたい想像はつくが,東京ロックダウンの前に,その特殊な散髪を済ませておいて欲しい.首都圏の人間として切に願うところである.

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2020年3月24日 (火)

東京ロックダウン

 読売新聞《東京は若年層クラスターが無自覚に拡散させる恐れ…小池知事「都市封鎖など強力措置も」》[掲載日 読売新聞 2020年3月23 20:35] から一部を下に引用する.
 
東京都の小池百合子知事は23日、記者会見を開き、「東京は若年層のクラスター(感染集団)が発生し、無自覚のうちにウイルスを拡散させる恐れがある」とした上で、「ロックダウン(都市封鎖)などの強力な措置を取らざるを得ない可能性もある」との見解を示した。
 
 先日の「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」が提言した内容は,今現在の日本が極めて緊迫した状況下にあることを伺わせた.
 厚労省クラスター追跡班の実際の活動をNHKが特別番組《“パンデミック”との闘い~感染拡大は封じ込められるか~ 》で少し紹介していたが,おそらく夜討ち朝駆けの奮闘をしていらっしゃる東北大学・押谷先生の表情は厳しかった.大都市で感染経路不明の感染者がじわじわと増えており,これがクラスター追跡班のマンパワーを超えた時に,東京や大阪は「オーバーシュート」を迎える.日本は今まさに武漢前夜といった状況である.
 
 先日も専門家会議は大阪府知事と兵庫県知事に,三連休中に大阪と兵庫の往来を野放しにすると極めて危険であると伝えて対策を求めた.
 大阪府知事は事態の深刻さを理解し,ただちにメディアを通じて府民に訴えたが,こともあろうに兵庫県知事は「いつも大阪はおおげさだ」と嘲笑した.これは「専門家会議は大げさだ」という意味である.これほど愚かな自治体首長は全国を探しても他にいないのではないか.
 
 ことの重大さは東京都知事にも伝えられているだろう.
 記者会見の様子を報道したテレビを観ると,小池知事の表情は真剣だった.複数の格闘技団体が首相の要請を無視して試合を強行し,アイドルグループの少女たちも都知事のライブ自粛要請を無視 (**) して歌ったり踊ったりしている.この状況に,知事は迫りくる東京の武漢化可能性を覚悟したものと思われる.
 日本人はパニックを起こしやすい.東京が封鎖 (*) された時,どれだけ冷静に都民が行動できるか.それが東京の運命をきめる.
 東京がロックダウンされれば,神奈川,埼玉,千葉各県は東京と遮断されて準ロックダウン態勢に突入だろう.
 私は日頃から首都直下地震に備えて準備をしているが,地震対策は救援が来るまでの自宅避難を二週間とみている.しかし都市のロックダウンははるかに長期戦となるだろう.ただし地震と異なって,ライフラインのうち電気・都市ガス・水道の公共設備,および電話・インターネット等の通信設備は死なないのが救いだ.
私は家にとどまる.あなたもそうして
 
(*) 封鎖前にあらかじめ政府は安全な所に退避せねばならない.昔から政府機能の移転分散は論議されてきたが,具体策はあるのだろうか.また新聞と放送,特に大切なのはテレビとラジオだが,何としてでも機能を維持してほしいと願う.
 読売の記事を読んで,不謹慎のようだが,小池知事は『シン・ゴジラ』でクレジットに取材協力者として名を挙げられたことを思い出した (花森防衛大臣のモデルだとの説あり).
 不謹慎といえば,朝日新聞は,小滝ちひろ編集委員がツイッター上に「新コロナウイルスは、ある意味で痛快な存在かもしれない」と投稿 (3/13) して炎上し,同社は謝罪に追い込まれた.
 その余震も治まらぬというのに,続いて朝日新聞アジア総局 (バンコク) 駐在の吉岡桂子編集委員が,さしたる急用もないのに台湾に入り,自ら望んで観光気分でホテルに隔離され,フェイスブック上に「隔離日記」と題したおふざけを投稿し,在台湾邦人の激しい批判を浴びた.しかし吉岡編集委員は全く悪びれていない.
 この吉岡桂子という愚か者は1964年の岡山県生まれ.このくらいの歳の朝日の記者といえば,もう教条的な新中国,親北朝鮮だろう.端から台湾を侮辱するつもりだったと思われる.いかにも朝日新聞的な不謹慎である.
 愚か者といえば,テレ朝《羽鳥慎一モーニングショー》で,レギュラーのコメンテーターである長嶋 かす 一茂氏が,いつものもっともらしい言動に反して,さいたまスーパーアリーナで強行開催された格闘技「K―1」の年間最大イベント「K’FESTA.3」で解説を務めたことが報道された.言動不一致とはこのことだ.かす 一茂氏が試合を楽しんでいた時,会場の外では主催者に中止要請を無視された埼玉県知事が,苦渋の表情で遺憾の意を表明していたのである.《羽鳥慎一モーニングショー》は長嶋 かす 一茂を出禁にすべきである.
 要請を無視といえば,スペイン旅行から沖縄に帰国した本島中部在住の学生で10代の女子学生が極めて悪質であった.このばか女は,3月20日の帰国時に成田空港検疫所でウイルス検査を受け,結果が出るまで空港内での待機を要請された.しかし結果を待たず,待機要請を振り切って同日中に飛行機を利用し県内の自宅に戻った.検疫所では職員が懸命の説得をしたが,完無視したという.この事件は厚労相が遺憾の意を表明するに至った.
(**) ばか女といえば,アイドルグループ劇場版ゴキゲン帝国のプレイングマネジャーである白幡いちほ.都知事の要請を蹴って強行したライブのことは既にWikipedia【劇場版ゴキゲン帝国】に掲載されたほどである.以下はWikipediaからの引用.
3月21日 渋谷WWWXにて劇場版ゴキゲン帝国Ωとしての1stワンマンライブを行うはずが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で前日に会場側から中止を求められ、急遽無観客でライブを実施。
 このライブの様子はテレ朝《サンデーステーション》が報道した.それを観たところ,同グループのメンバーは自分たちはファンのいない部屋でショーを行い,それをネット中継していた.白幡は,彼女らがショーをしている部屋とは別のところにある狭い地下室にファンを集め,そこに中継動画を配信した.つまり白幡いちほは,自分たちを安全圏に置いて,ファンたちは感染リスクにさらしたのであった.
 白幡は,野球や相撲の無観客試合を見て,「無観客ライブ」は安全だと思い込んだらしい.だが白幡がやったことは,単にライブ会場をステージと分離し,ファンたちを狭い部屋に押し込んだだけであった.自分たちは安全にして,ファンの安全は無視.哀しいかな白幡に必要なのはPCR検査ではなくIQ検査だったのである.
 
20200325d
↑自分たちは安全;テレ朝《サンデーステーション》の画面を撮影した画像
 
20200325e
↑ファンたちは狭い地下室に入れられて密集;同上

 小池知事が「無自覚な若年層」と指摘するのが,このアイドルグループとそのファンたちだ.
 彼らを煽動しているのが,堀江貴文,古市憲寿,三浦瑠璃の三人であることは諸兄既にご案内の通りである.
 (この稿おわり)


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2020年3月23日 (月)

鍋炊きピラフ

 先週の土曜日 (3/21) に放送されたNHK教育《城戸崎愛さん追悼番組 城戸崎愛 ひと皿に愛をこめて》を観た.
 私は城戸崎さんの番組 (《今日の料理》) はたまにしか観なかったが,楽しそうに料理を作る先生だったなあという印象を持っている.城戸崎さんは大正十四年生まれで,享年九十四.若く死んだ私の母よりも一年早い生まれで,長寿の人であった.
 番組の中で城戸崎さんが世に出したレシピのいくつかを紹介したが,「炊飯器で炊くピラフ」は城戸崎愛さんの考案だという.これは知らなかったので私は驚いた.
 その時の放送では,鍋を使って米をバターで炒めたあと城戸崎さんは「あたしなんかホントにこのままお鍋で炊きたいんですけど,みなさんは電気釜が好きですね」と言った.
 実を言うと私は鍋でピラフを炊いたことがない.水加減 (スープの量) の失敗がこわいのである.必要なスープ量は火加減によっても変わるから,失敗した時 (結果的にスープが足りなかった時) は目も当てられないことになる.
 とはいうものの,追悼番組を観ながら「一度やってみるか」と思った.

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2020年3月22日 (日)

問題の切り分けができない人たち

 朝日新聞DIGITALに《フリー給付金4100円「ふざけるな」 立憲・蓮舫氏》(掲載日 2020年3月11日 17:22) が掲載されている.
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 トリミングの関係でこの記事の末尾が切れてしまっているが,《事がなくなった方たちの明日の不安にこたえることはできない。(11日、参院会派の会合で)》である.
 また上の引用は断片的でわかりにくいが,新型コロナウイルス対応に関して現在実施中の小学校等の一斉休校要請につき政府が打ち出した施策に関するものである.(制度の名称は小学校等であるが,障碍のある子どもについては中学校以降の教育課程も含む;詳細は厚労省のサイトに掲載)
 小学校等が一斉に休校すると,子供の世話のために仕事を休むあるいはセーブしなければならない人たちが発生することは,既にメディアが繰り返し報道しているところである.この事態に対して政府が打ち出した対策について簡単に説明しよう.
 まず今回の施策は,二つの内容から成る.まず一つは,子弟の保護者が被雇用者である場合だ.学校の休校に伴って休暇を取得しなければならない時,休暇を取得しやすくなるように,雇用主に給付する助成金である.これは被雇用者が正規雇用か非正規雇用かを問わない.給付の条件は,休暇を取得するにあたって通常の有給休暇と同額の賃金を支払うこと.助成金の額は,被雇用者一人について一日に八千三百三十円である.
 二つ目は,上のこととは全く別に,学校の休校にともなって仕事量を減らさざるを得ないフリーランス (個人事業主) の保護者に,収入を補填しようという施策である.補填額は一日に四千百円である.
 今回の一斉休校は我が国の過去に例を見ないことであるため,国の諸々の制度と整合性の取れた施策とするためには,かなり長期間にわたる検討を要すると考えられる.しかし事は緊急を要する.未曾有の事態であるから多少の瑕疵は大目に見るしかないと思われる.その瑕疵とは,やむを得ないこととはいえ,上記の二つの施策をあたかも一つのものであるかのように発表してしまったことである.そのために国民の一部と国会議員の一部に誤解が生じたのである.
 
 さて元々蓮舫という人は《「ふざけるな」と言いたい》からわかるようにヒステリックに攻撃的で,それは彼女の人格であるから致し方ないが,発言の趣旨がわかりにくくて困る.
その最たるものが、フリーランスへの給付金1日4100円。根拠を聞くと、東京都の最低賃金×4時間。「ふざけるな」と言いたい》から取り上げて考えてみる.普通の知的レベルの人なら,ここは「ふざけるな」と罵倒するのではなく,「こんなに安くてよいのでしょうか」と発言の趣旨を明確にするところであるが,この人は攻撃性に見合う知性がないので,こんな幼稚な表現しかできない.
 彼女の粗暴な発言を聞いてる国民は,呆れつつ彼女の言いたいことが「こんなに安くてよいのでしょうか」であると解釈して先に進む.世話の焼ける面倒な女である.
 だが「安い」にも色々ある.彼女の主張が「絶対金額として安い」のか,それとも「相対的に安い」のかがわからない.「東京都の最低賃金×4」のすぐ次に「ふざけるな」と言っているところを見ると「絶対的に安い」と怒っている (例えば「最低賃金×7にせよ」など) ように見えるが,しかし続いて《多様な働き方、それでもこうした時の給付金は、旧態依然とした事業主と正社員を基軸に考えている 》と言っているので,個人事業主への給付が被雇用者よりも少ないことに異議を唱えているようでもある.どっちだか不明である.
 ついでに言うと,蓮舫議員は《(政府与党は) 旧態依然とした事業主と正社員を基軸に考えている 》と言うが,政府の施策は正規雇用と非正規雇用を同じに扱うとしている.すなわち蓮舫議員は考え違いをしている.あるいは意図的に歪曲している.
 これについては厚労省のサイトには次のことが明記されている.
 
小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設します
 お知らせ
 新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校等に通う子の保護者である労働者の休職に伴う所得の減少に対応するため、正規雇用・非正規雇用を問わず、労働基準法の年次有給休暇とは別途、有給の休暇を取得させた企業に対する助成金を創設します 》(引用文中の文字の着色は当ブログの筆者が行った)
 
 上の厚労省の発表は3月9日であり,蓮舫議員が会派の会合で《ふざけるな 》と語ったのは3月11日である.当然,政府の施策では《正規雇用・非正規雇用を問わず 》とされたことは承知の上で《旧態依然とした事業主と正社員を基軸に考えている 》と発言したのである.これを国会の委員会で発言すれば事実誤認あるいは事実の歪曲であるとして大きな問題になるが,自会派の会合なら嘘を言っても文句は言われないからだ.これは蓮舫という人は,二枚舌 裏と表で言うことが違うことを示している.彼女がこういうことをする議員であると国民は知っておく必要がある.

 さて,フリーランス (個人事業主) への給付金 (四千百円) が少々安いとは,私も思う.しかし今回の措置は一定期間を区切っての臨時措置であることを考慮せねばならない.この場合,給付金額の高い安いは生活保護費と比較するのが妥当だろう.新学期が始まるまでという短期間にもかかわらず四千百円という低額給付では生活が困窮するという場合は,そもそも他の支援制度を継続的に活用すべきだと考えるのが妥当である.不自由な生活 (メリットとデメリットがある) を強いられる生活保護の一歩手前に,生活困窮者等を対象に行われる各種の支援制度があるからである.
 要するに今回の小学校等の臨時休業に伴う個人事業主への支援は,一時的なものであり,生活保護ではないというのが大前提である.今回の休校で生活困難になるほどであれば,そもそも他の生活支援制度を活用すべきである.この基本的なことを蓮舫のような人は理解できないのである.
 
 では,元々頭の中がグチャ 国家未曾有の危機に際して頭の中がグチャグチャで言うことが支離滅裂になった蓮舫議員に代わって,問題点を整理しよう.フリーランス (個人事業主) への給付が,事業主に雇用されている被雇用者 (平たくいえば,会社の従業員だ) への支援よりも低額か否か,である.
 ここで「被雇用者への支援」としたのは,支援が実際には,被雇用者への直接的な給付金ではなく,雇用主への助成金として行われるからである.
 なぜ「被雇用者への直接的な給付金ではなく,雇用主への助成金として行われる」のか.これについて,直接的に被雇用者へ給付すべきだと言う人がいるが,それは会社勤めをしたことのない人だ.
 例えば,ここにシングルマザーがいるとする.彼女は小学校一年と三年の子供がいるので,学校が休校になったら仕事を休まざるを得ない.その時,行政から直接給付金をもらっても意味がない.実際には仕事を休めないからだ.休んだら無断欠勤となり,馘首の対象者となってしまう.法律上,そうなるのだ.
 この無断欠勤でクビという事態を回避するには,雇用主も制度に巻き込む必要がある.今回の制度が,被雇用者に有給休暇を与えた事業主に対する助成金という形を取ったのは,これが理由である.別に厚労省のサイトにそういう説明がかかれているわけではないが,長いこと会社勤めをしているとそういう理解ができるようになる.または雇用主の代理である管理職でなくても,労務とか人事の担当者なら簡単な知識の範囲内のことである.
 雇用主に対する助成金という形にすれば,この助成金を受け取る雇用主は,小学生の子供の面倒をみるために仕事を休んだ保護者を解雇できないのである. 
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 上の画像は「新型コロナウイルス感染症による小学校等休業対応助成金 (詳細版)」の一部である.労働基準法に定められた年次有給休暇の他に,子供の面倒をみるための「特別な有給の休暇 (賃金全額支給)」を従業員に与える事業主には助成金を出します,という内容である.この助成金がどのように適用されるかを以下に説明する.
 従業員が欠勤した時に,いくら賃金をカットするかは,法定ではなく雇用契約によるので話は簡単ではないのだが,ごく大雑把に話を進める.
 一例として,月例賃金が25万円の女性会社員Aさん (正規雇用) を考える.雇用契約の内容にもよるが,仮に年次有給休暇以外に一日休むと月例賃金から約8,000円と少し (250,000 × 1/30=8330) がカットされる.年次有給休暇を使って休めばもちろんこのカット分は支払われる.
 さて今回の「小学校等休業対応助成金」では,小学生の子供の面倒をみなければいけなくなった保護者に対して,年次有給休暇以外に特別に有給の休みを与えてくれませんか,というのが趣旨である.本来は欠勤として賃金カットされるべきところであるが,もし与えてくれれば一日当たりの賃金8,330円は国が助成しますというわけだ.
 この助成金制度はいかにももっともらしいが,実はここに落とし穴がある.もしAさんが休むと,通常の場合はその穴埋めを誰かがしなければならなくなる.同僚たちが手分けしてAさんの仕事を分担するのだが,当然ながら同僚たちには残業が発生する.この残業代は雇用主の負担なのである.しかも普通は残業代は割増がつく.
 さらに,学校の休業によってAさんが取得した休みが有給であると,実際にはAさんは働いていないのに,社会保険における雇用主の負担分はそのままであるという不公平が生じる.
 雇用主と,雇用主に雇用された労働者の間には「ノーワーク・ノーペイの原則」が適用される.これは,当該労働者が何らかの事情で仕事をしなかった日や時間については,雇用主にその分の賃金を支払う義務は発生しないという原則である.その何らかの事情とは「当該労働者の責任による事情」か「当該労働者と雇用主のいずれの責任でもない事情」である.「子どもが病気なので出勤できない」は前者であり,「コロナウイルスの感染拡大を防ぐために小学校等を休業するよう首相が要請したため出勤できなくなった」は後者である.この後者の場合,首相がお願いしようが何をしようが雇用主はAさんの休みを有給にする筋合いはないのである.
 さてこの原則には例外があって,それが年次有給休暇である.ただしこれは雇用された労働者の自明な権利ではなく,長い年月にわたる歴史的経緯があって法的に認められたものである.子供の面倒をみるために保護者が休み (繰り返すが本来は欠勤として扱われる) をとらねばならない時,これを有給にすることは首相の思いつきで簡単にはできないことなのである.ただし,その保護者と雇用主との間に結ばれている合法な雇用契約において年次有給休暇以外の有給休暇を定めることは可能だ.要するに雇用契約が優先するので,首相の要請で欠勤を有給化することはできないのである.
 もう一度Aさんの例について考えてみよう.A (月例賃金25万円) さんの雇用主が政府の助成金 (一日当たり8,330円 ) を受け取ってAさんに有給休暇 (本来は欠勤として無給である) を与えたとする.すると,その穴埋めに同僚たちが残業を強いられる.雇用主はその同僚たちの残業代を負担しなければならなくなる.Aさんは損をしていないが,雇用主は赤字である.一日や二日のことならともかく,Aさんの休みが数週間にも及ぶと,雇用主は,雇用契約に反してAさんよりかなり不利な立場に置かれるのだ.
 実際,私があるテレビの情報番組を観ていたら「会社に,政府の助成金をもらって,私を休ませてくださいと言ったら,赤字になるからダメだと断られました」とインタビューに答えた女性がいた.
 実はその会社は正しいことを言っているのである.その会社が赤字にならないようにするには,会社にも一日あたり8,330円 (同僚たちの残業代合計) を政府が支払うことにすれば,会社と従業員の双方にとってだいたいトントンになる勘定だ.
 助成金を16,660円として,そのうちの8,330円をAさんに雇用主が支払うという制度であれば,中小企業の雇用主はAさんに特別な有給休暇を与えるかも知れないが,今般の助成金制度では雇用主は利用しないだろう.私が上に「この助成金制度はいかにももっともらしいが,実はここに落とし穴がある」と書いたのはこのことだ.この助成金制度は実は画餅なのである.すなわち小学生の子供を持つ保護者で,今回の助成金制度の恩恵に浴することができるのは少数であると考えられる.元々から従業員に手厚い賃金制度を有する大企業は,今回の助成金制度を利用するだろうが,経営体力があまりない中小企業が利用するには無理があるからだ.
 
 このように今回の「新型コロナウイルス感染症による小学校等休業対応助成金」制度が絵に描いた餅になってしまったのは,首相と今井首相補佐官の思い付きを強行したからである.制度というものは時間をかけて緻密な検討を必要とするが,それをしないからこんなことになる.
 首相が学校の一斉休業を発表する当日になって,ようやくその内容を知らされた萩生田文科相は,保護者の収入減補償をどうするのかと抵抗したと伝えられる.当事者である萩生田文科相と文科省の官僚が反対するのは当然だが,首相と今井補佐官は反対を押し切った.その結果が,この杜撰な画餅の助成金制度である.
 このブログ記事は,蓮舫議員の自派会合における「ふざけるな」発言から書き始めた.
 その発言からわかるのは,蓮舫議員が労働法と労働行政の実際を全く理解していないことである.それを示しているのが彼女の発言《多様な働き方、それでもこうした時の給付金は、旧態依然とした事業主と正社員を基軸に考えている 》である.しかし逆説的だが,むしろ労働法と労働行政の実際をきちんと踏まえて「旧態依然とした事業主と正社員を基軸に考え」ていれば,こんな杜撰な画餅の制度にはならなかったのである.
 蓮舫議員という人は勉強が嫌いで,上っ面の知識で物を言う.無知をさらけ出した例の「二位じゃだめなんでしょうか」発言もそうだった.今回の助成金制度でも,自分は会社に勤めた経験がないのだからちゃんと勉強してから発言すべきであった.この人はこれからも「政策」を作れない政治家として世の中を渡って行くのだろう.お気楽な人生ではある.
 余談だが,勉強嫌いという点では蓮舫議員並みの,会社員の神経を逆なでした男がいる.日本音楽家ユニオン代表運営委員の土屋学氏だ.
 下の画像は日テレ《Oha!4 NEWS LIVE》が報道した「新型コロナ感染症に係るフリーランス支援についての記者会見」(3/12) での土屋氏の発言である.
 
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 土屋氏はこう言った.
もし4時間演奏したら我々は3万2000円もらえるはずなんですけど,それが4100円というのはありえないじゃないかと,普通の労働者並みにやっていただけることがベストなんじゃないか
 四時間働いて32,000円もらえるとすれば,会社員と同じ働き方をすると一日に64,000円になる.雇用された労働者の月例賃金にすると月収192万円という計算になる.大企業の役員並みの収入だ.そんなに高収入だったら政府から支援金なんかもらわずに,子供の面倒をみてくれる人を雇って自分は働けばいいのだ.
 だが実は,土屋氏はここでインチキをやっている.四時間で32,000円つまり一時間あたり8,000円というのは委託業務遂行報酬の単価に過ぎない.土屋氏はこれを委託業務遂行報酬額にすり代えているのだ.会社員ならすぐわかるそんなウソをついてまで音楽家は政府のカネがもらいたいか.カネ欲しさにウソをつくな.日本音楽家ユニオンには,正直に生きる人間の矜持というものがないのか.
 日テレのこの番組では,子育てしながら講演などのフリーランスで働く女性 (下の写真) が取材に応じた.この女性は《休業補償はあてにせず,子供を預けて働くことにします 》と語った.土屋氏とは正反対の,これぞフリーランスの鑑である.
 
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「新型コロナ感染症に係るフリーランス支援についての記者会見」(3/12) のことは,AERAdot.が《「なぜフリーは半額の4100円なのか」西田敏行理事長の日本俳優連合などが怒りの声》[掲載日 2020/03/20 17:55] を載せている.
 この記事の中で,日本俳優連合国際事業部長というものものしい肩書の森崎めぐみ氏は次のように語っている.
 
「『4100円』は、休業補償の額としてありえません。同じ労働者でも、雇用形態によってなぜ金額に差があるのか。明確な説明をしてほしい」》(引用文中の文字の着色は当ブログの筆者が行った)
 
 この人もウソつきである.フリーランス (個人事業主) は自営業であり,雇用されていない.労働者とは「事業主に雇用されて使用され,賃金を支払われる者」をいう.フリーランスは自分自身が事業主だから労働者には該当しないのである.森崎めぐみ氏のように,いくら美人でもカネのことでウソをついてはいけない.
 フリーランス協会 (一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会) 代表理事の平田麻莉さんは,NHK NEWS WEB《フリーランスへの休業支援 1日4100円で調整 政府》[掲載日 2020年3月10日 14:59] の中で,《自営業に休業や補償の概念がなじまないことは承知している》とした上で,しかし国の政策のために収入が減った自営業者には《経済的な支援が必要だと思います 》と話しているが,これこそが正しい意見である.
 新型コロナ感染症の影響で客が激減した街の食堂にも,音楽家にも俳優にも,経済的支援が必要である.しかしそれは事業主に雇用されている人に対する支援とは,法的に切り分けて考えなければならない.そうしないと,個人事業主も労働者だと言い張って,無意味な待遇比較論を行う者が出てきてしまうのである.
 
〈資料〉フリーランス向けの支援は「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金 (委託を受けて個人で仕事をする方向け) 支給要領」を参照.






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2020年3月20日 (金)

専門家会議の提言 /工事中

 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が示した前回の見解 (《新型コロナウイルス感染症対策の見解》) は,末尾に次のように記した.
 
全国の若者の皆さんへのお願い
10代、20代、30代の皆さん。
若者世代は、新型コロナウイルス感染による重症化リスクは低いです。
でも、このウイルスの特徴のせいで、こうした症状の軽い人が、重症化するリスクの高い人に感染を広めてしまう可能性があります。
皆さんが、人が集まる風通しが悪い場所を避けるだけで、多くの人々の重症化を食い止め、命を救えます。
 
 これに対して私は記事《若者にとって迷惑な高齢者》で次のように書いた.
 
これは明らかに見当違いである.専門家会議は,何よりもまず,重症化リスクの高い高齢者に行動の自制を求めるべきである.
 
 私のこの意見について,その後のことを以下に記す. 
 昨夜 (3/19 23時頃),前回の記者会見で予告した通り,専門家会議は《新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言》(2020年3月19日) をまとめて発表した.
 しかしテレビの報道番組によれば,会議中,委員間で大きな対立が生じたという.そのため「提言」の発表は予定時刻から大幅に遅れて始まった.
 ついでに書くと,専門家会議の構成は以下の通り.
――――――――――――――――――――――――――――――――
座長  脇田隆字  国立感染症研究所所長
副座長 尾身茂   独立行政法人地域医療機能推進機構理事長
構成員 岡部信彦  川崎市健康安全研究所所長
    押谷仁   東北大学大学院医学系研究科微生物分野教授
    釜萢敏   公益社団法人日本医師会常任理事
    河岡義裕  東京大学医科学研究所感染症国際研究センター長
    川名明彦  防衛医科大学内科学講座(感染症・呼吸器)教授
    鈴木基   国立感染症研究所感染症疫学センター長
    舘田一博  東邦大学微生物・感染症学講座教授
    中山ひとみ 霞ヶ関総合法律事務所弁護士
    武藤香織  東京大学医科学研究所公共政策研究分野教授
    吉田正樹  東京慈恵会医科大学感染症制御科教授
――――――――――――――――――――――――――――――――
(上表の註記)
★岡部信彦氏は,国立予防衛生研究所が国立感染症研究所に改称した時に新設された感染症情報センター室長に就任.WHO西太平洋地域事務局,感染症情報センターセンター長を歴任して現職.新型インフルエンザ (2009年) の専門家会議の議長を務めた.
 安部首相と今井尚哉首相補佐官の二人は,専門家会議も菅官房長官も端から無視し,保護者の休業補償をどうするのかと食い下がる萩生田文科相の反対(*) をも押し切って全国一斉学校休校を独断専行した (西日本新聞《首相独断、官邸に亀裂 一斉休校要請 菅氏らに不信?決定から除外》[掲載日 2020/2/29 6:00]) が,岡部氏はこれを公然と批判(**) している.
 (*) の資料;朝日新聞DIGITAL《臨時休校要請、首相「独断」に腹心の影 菅氏ら置き去り》[掲載日 2020年2月28日 22:28]
 (**) の資料;DIAMOND online《学校休校は専門家会議「完全スルー」で決まった、社会不安を生みかねない》[掲載日 2020年3月3日 5:22]
 岡部氏はまた,2012年施行の改正前の特措法制定に向けて議論をまとめた立場から,新型インフルエンザ改正新型インフルエンザ等対策特別措置法にも反対の立場を表明している.(朝日新聞DIGITAL《「コロナ、そこまでのものか」専門家会議メンバーの真意》[掲載日 2020年3月18日 17:00])
 この朝日の記事で岡部氏は次のように述べている.
新型コロナはそこまでのものではないと考えているからです。新型インフル等特措法に『等(とう)』を入れることには私も強く賛成しました。新型インフルだけでなく、新しくて重症で広がりやすい病気の場合にも、応用として使えるようにしておいた方がいいと考えたからです。しかし、そこで想定した新感染症は、感染症法での1類感染症(エボラ出血熱など)並みの極めて危険なものです。緊急事態宣言を出せば、私権制限などで対策の幅が広がる半面、社会の日常的な活動を止めてしまうと副作用も大きくなります。致死率が5%、10%を超える1類感染症並みであればやむを得ませんが、新型コロナは指定感染症で2類相当とされました
 大雑把にいうと岡部氏の意見は「新型コロナ感染症は指定感染症2類相当の,あまり危険ではない感染症である」との主張である.
 だが本当にそうか.下表は3月20日現在の全感染者数,全死者数,致死率をまとめたものである.(出典は worldometer)
 これを見ると,ドイツ,USA,韓国は新型コロナ感染症をよく防御していることがわかる.しかし日本は,パンデミック本家本元の中国,および今やWHOにパンデミックの中心地であると指摘されたヨーロッパの中で,「ウイルスと戦争状態にある」と宣言したフランス,女王が国民に声明を発して奮起を促した英国と同列なのである.
――――――――――――――――――――――――――――
Country  Total Cases  Total Deaths  Mortality Rate
China    80,967     3,248      4.0%
Italy    47,021     4,032      8.5%
Spain    20,412     1,044      5.1%
Germany   19,848       59      0.3%
Iran     19,644     1,433      7.3%
USA     16,913      230      1.4%
France    12,612      450      3.6%
S. Korea   8,652       94      1.1%
UK      3,983      177      4.4%
Japan      963       33      3.4%
――――――――――――――――――――――――――――
 この表をメディアが提示すると,「新型コロナ感染症は危険ではない」派の人々は「感染者数が少ないから見かけ上の致死率が高くなっている」と言うのが常である.
 しかし本当にそうか.感染者が増えれば必然的に死亡者数は比例して増加し,致死率はやはり3%台になると考えるのが論理というものである.
 あるいは「軽症者は検査対象から外しているから致死率が高い」と言う人もいる.それならば,なぜ軽症者を検査しない? 世界のデータと比較できないそんなガラパゴス的データがなんの役に立つ?
 さらには,検査を拒絶され,新型コロナ感染症にカウントされずに死んでいった多数の肺炎患者がいるのではないかと考える人もいる.(ただしこれは日本医師会が否定している)
 なにゆえに頑なに厚労省は検査を拒むのか.それが国民の大きな疑問である.が,ここではその問題はさて置いて先に進む.
★釜萢敏氏は日本医科大学卒業.1988年開業.高崎市医師会理事,高崎市医師会副会長,高崎市医師会会長,群馬県医師会参与を経て2014年に日本医師会常任理事.《「新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査を巡る不適切事例」の調査結果について》を取りまとめた.この調査結果に次のようにある.
本調査は、医師がPCR検査を必要と判断したにもかかわらず、検査に結び付かなかった不適切と考えられる事例が生じていることを受けて、2月26日から3月13日まで、都道府県医師会の協力を得て実施していたもので、最終的には3月16日正午現在の報告数が取りまとめられた。
 不適切事例として報告されたのは、26医師会から290件で、大阪47件、東京36件、兵庫27件、埼玉20件、熊本15件などとなっている。
 同常任理事は、「内容については十分検討が必要だが、各地域でPCR検査を実施する余力がなかったことが今回の不適切事例の背景にある。しかし、この問題については今後改善する」との見方を示した。
 また、新型コロナウイルスに関する「帰国者・接触者相談センター」への相談件数(2月1日~3月13日)が全国で184,533件あり、そのうち「帰国者・接触者外来」の受診につながったのは7,861人、PCR検査の実施に至ったのは5,734件であったことを報告。「相談から検査につながったのは3.1%であり、やはりこの数は少ない」と指摘。

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子どものケンカみたいな orz

 テレビ報道を観ていたら,大阪府の吉村洋文知事が,この三連休は特に大阪・兵庫両府県間の往来自粛してほしいと府民に呼び掛けたことが放送された.
 吉村洋文知事は,全国自治体に先駆けて,大阪府の医療施設をクラス分けして新型コロナウイルスに感染した重症者と軽症者を別々に診療・治療する方式を打ち出すなど,有能な首長とお見受けする.また和歌山が感染拡大を抑え込んだのも隣接する大阪府の協力があったからだろうと言われている.一時は危険な状況と思われたがどうやら感染拡大の鎮静化に成功しつつある北海道・鈴木直道知事と並んで,吉村知事に対するメディアの評価が高いのは頷ける.
 大阪府や北海道に比較して無策のように見えるのは名古屋市だ.名古屋市南部の医療機関で作る団体は名古屋市役所を訪れて,このままでは医療が危機に陥るとして河村市長あてに要望書を手渡したほどである.(東海テレビ3/16放送《新型コロナ感染者受け入れ…「名古屋南東部の病院に集中している 分散を」病院等が市長に申し入れ》)
 今現在,何が起きつつあるのかを正しく認識できないと,危機に立ち向かえないのは当然であるが,そういう点で緊急時の自治体リーダーとしての資質に問題がありそうなのは兵庫県の井戸敏三知事だ.同県知事は,吉村知事が府民に呼び掛けたあと,メディアの取材に対して情けない有様をさらした.同知事は七十四歳の高齢者であるが,テレビ報道を見る限り,もはや的確な状況対応力を失っているように見える.
 井戸知事の件について報道した朝日新聞DIGITAL《兵庫知事「大阪だってお互いさま」往来自粛要請に不快感》(掲載日 2020/03/19 20:56) は次のように書いている.
 
井戸知事はさらに、大阪府側が往来自粛の対象として兵庫県を名指ししたことについて「大阪だってお互いさま。あまり、人のことは言わない方がいい。コロナウイルスは県境に従って活動するわけではない」と述べ、「大阪はいつもおおげさですよね」と不快感を示した。
 
 大阪府も兵庫県も,新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解を基に政府から要請を受けたとのことだが,対応が正反対となった.
 吉村府知事はこの連休に危機感を持ったために府民に呼びかけを行ったのだが,井戸知事の反応は,大阪がそんなことを言うならこっちも言わせてもらう,という子供のケンカみたいな態度だった.井戸知事が吉村知事に売ったケンカは,すなわち専門家会議に売ったケンカである.しかも,新聞には書かれていないがテレビでは「この連休も今までと同じだ.特に変わったことはしない」と言ってのけたのである.他県民からみて,大丈夫かこの人は,と思わざるを得ない.
 朝日の記事は中立的だが,明確に井戸知事の肩を持ったのが毎日新聞だ.(毎日新聞《「意味ある?」「やり過ぎ」 突然の往来自粛要請に戸惑いの声 大阪、兵庫》(掲載日 2020/03/19 20:45)
 政府は兵庫県の感染拡大状況を危惧していると報道されている.井戸知事はそれが気に入らないのだろう.この人は「自分 (兵庫県) は大丈夫だ」という根拠のない自信を持っているのだろう.井戸知事のように,正常性バイアスを持っている高齢者はあぶない.






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2020年3月19日 (木)

フランスの戦い方

 新聞 (デイリースポーツ 2020/03/19 15:50) が,フランス在住アナウンサーの中村江里子さんのブログ (最新記事は《厳しい言葉でしたが。》2020-03-19) を紹介していたので早速読んでみた.彼女の文章から下に一部を引用する.

国民性ってあると思います。ここまでしなければ危機を感じることが出来なかったのは残念ですが、私はこうなった時のフランス人は強いと信じています。きっと、文句を言わず、みんなが感染者を増やさないために努力をすると信じています。
 
 デイリースポーツの記事の見出しは《パリ在住・中村江里子 外出禁止令に「ここまでしなければ危機感じられず、残念」国民性に言及》で,これを転載したmsnの見出しは《パリ在住の中村、仏国民性に「残念」》だったが,これらの見出しは中村さんのブログの趣旨を少し歪めていると思う.私の受けた印象では,中村さんの言いたいことは《こうなった時のフランス人は強いと信じています。きっと、文句を言わず、みんなが感染者を増やさないために努力をすると信じています 》だ.
 
 フランスのマクロン大統領はテレビ演説し,新型コロナウイルスの感染拡大を受け,3月17日から仏全土で外出制限を実施すると発表した.外出制限は17日正午 (日本時間17日午後8時) から実施する.移動制限の違反者には最大135ユーロ (約16,000円) の罰金を科す.中村さんが《厳しい言葉でした 》と書いたのはマクロン大統領の演説にある「我々は戦争状態にある」のことだ.ウイルスとの戦争である.
 指導者によるこういう国民への鼓舞は,いかにもフランスらしい.先の大戦でも,フランスはよく戦った.仏軍は戦争に弱かったが,仏国民の精神は不屈であった.
 それに関しては集合住宅の窓から下げられた市民のメッセージが感動的だった.
 On reste à la maison, faites pareil は,「私は家にとどまる.あなたもそうして」という意味のようだ.(私は仏語がわからないのでいい加減だが)
 窓の垂れ幕は,なんだか大戦時のレジスタンスのようである.中村さんは《こうなった時のフランス人は強い 》という.私もそう思う.フランスに勝利を.

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それでもエジプトへ行く人々

 私はこのブログの記事《愚かな老人たち》に下のように書いた.
 
「自分は大丈夫,感染しない」と根拠なく自信満々の愚かな高齢者たちが,何十人もナイル川クルーズを楽しみ,そして帰国して新たな感染者クラスターを形成する.この有様を見て,私は老人の一人として若者にまことに申し訳なく思う.それにしても総理は,こういう時に特措法を発動し,ツアーの解散を命令せずにどうする.そのための特措法だろうが.
 
 上の文の意図は,ナイル川クルーズを行程に含むエジプトツアーが,参加者の帰国後に多数の新型コロナウイルス感染者を出しているにも拘わらず,催行中止を表明したJTBを除いては,他の大手中小の旅行代理店が依然としてエジプトツアーの催行を強行しようとしていることを非難するものだ.
 各メディアが伝えたところによれば,安倍首相は昨日 (3/18) の新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で,欧州全域やエジプトおよびイランに発給済みの査証の効力を,今月二十一日から四月末まで停止すると表明した.これらの国々からの日本人を含む入国者全員に対して,自宅や宿泊先などで二週間の待機を要請する.
 これまでの事例で明らかなように,各地の自治体・保健所から自宅待機を要請されたにも拘わらず,スポーツジムや飲食店に出かけるという例が相次いでいる.中には保健所の調査に虚偽を答え,接触者を拡大した悪質な者もいる.
 移動の自由は基本的人権である.しかし私たちは権利を主張するに際しては,それが公共の福祉に背かぬものであることを自らに問わねばならぬ.すなわち他人の生命を脅かし,日本経済を窮地に追い込む行動を厳に慎むべきは自明のことである.
 しかるに業界最大手の一つ,クラブツーリズムがエジプトツアーについて下した判断は次の通りである.(3/18現在)
20200319b
旅行出発前に任意保険のご加入をご検討ください 》,これがクラブツーリズムの方針である.(悲嘆)
 
 上の記事を書いたあと,クラブツーリズムは公式サイトに小さくヨーロッパ,エジプトを目的地とするツアーを期限を切って中止すると表明した (3/18更新) が,個別のツアーは募集を続けている.これで企業の社会的責任を果たせると思っているのである.
 阪急交通社はツアー催行の強行を表明している.(下の画像は3/19朝現在で確認した;図中の赤い線は当ブログの筆者が描き入れた)
 
20200319d  
 
 私は実例を知っているが,高齢になると社会的な関心を失い,テレビもネットも遠ざけ,例えば新型コロナウイルス感染が国難状況に至っていることをほとんど認識していない老人たちがいる.また少しは見聞きしていても,自分は大丈夫と思って楽観している人々がいる.
 そのような人々が存在する以上,ハイリスクなツアーは催行と募集を中止するのが旅行代理店の社会的責任であると考える.ハイリスク国から日本へのビザを政府が失効させたという事態なのに,それらの国へのツアーは「キャンセル料は規定通りいただきます」などと言っている場合か.(←阪急交通社)

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悪毒王

 このブログの記事を書く時に,専門用語の調査と理解に私はそこそこの時間をかけている.
 別稿で「スーパースプレッダー」という言葉を用いた時,ウェブの検索結果の中に「悪毒王」というのが出てきた.「スーパースプレッダー」を中国語で「毒王」というから,その類語としてヒットしたのだと思われる.
 悪毒王の話はおよそ次のようなこと.
 
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 釈迦入滅前の時代,インドに悪毒王という王がいた.悪毒王は戒律を守らず.仏法僧を誹謗し,因果も信ぜずに悪を尽くした.
 このままでは悪毒王が地獄に堕ちることを悲しんだ釈尊は,一計を案じた.
 釈尊は弟子の迦葉舎利弗目連を召して,彼らに「悪毒王は何を好むか」と問うた.すると彼らは「悪毒王は牛を好みます」と答えた.
 そこで釈尊は「迦葉が牛主に,目連が牛飼いに,舎利弗が牛になって悪毒王を訪ねなさい」と言った.
 彼らは悪毒王の元へ行き,鶏賓国より牛を連れて献上に来たと奏上したところ,大層立派な牛だったので,王は大いに喜んだ.
 王は三人に褒美を授けようとしたが,牛主の迦葉は辞退し,かつ「この牛は飼うのが難しいので,私達が面倒をみましょう.王廷内にとどまって王にお仕えいたします」と言った.
 王はますます喜んで新しく牛舎を造り,その牛を飼うことにした.
 次いで王は迦葉に「牛主の名はなんというか」と訊ねた.迦葉は「妙法と申します」と答えた.「では牛飼いは」「蓮華と申します」「牛の名はなんという」「経と申します」
 王はその後,この牛を見たい時にはいつも「妙法と蓮華,経をここへ率いてまいれ」と言った.
 ほどなくして悪毒王は死んで地獄に堕ちた.
 地獄の獄卒が閻魔大王の前に悪毒王を引きずりだすと,閻魔は「この者は善人である」と言った.
 獄卒が「この男はいささかの善根もなく,民を苦しめました.また食,財,色,名誉,睡眠の欲に耽りました.さらには貪り,怒り,無知の心が甚だしい悪人です.どうして罰を蒙らないことがあるでしょうか」と言うと,閻魔はこう言った.
「この者は,牛に執着したがために身口意の三つの業を正しくすることはできなかった.しかしいつも妙法蓮華経と唱えていたから,これが善根となり,よって悪道に堕ちることはない.妙法蓮華経を唱えた縁により再び娑婆に帰ってまことの法華経の修行者となり,仏果を成就するであろう」
 悪毒王は死後七日目に蘇生し,ただちに釈尊の許に詣り,罪業を懺悔したという.
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 妙法,蓮華,経.早口言葉で妙法蓮華経,妙法蓮華経.一休さんの頓智噺のようである.よかったよかった.

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2020年3月18日 (水)

アクティブシニア

 産経新聞が《「ウイルスばらまく」と外食の50代男性が死亡 愛知・蒲郡》(掲載日 2020/03/18 15:35) を報じた.
20200322d
 産経のこの記事によれば,新型コロナウイルス感染が判明した後に「ウイルスをばらまいてやる」と暴言を吐いて飲食店をハシゴし,フィリピンパブの接客女性を感染させて世間の憤激を買った男 (愛知県蒲郡市,五十七歳) が死んだという.週刊誌によればこの男は「シャブ」がどうのこうのと日頃から公言していたという.「ウイルスをばらまく」を有言即実行した異常性からして,こいつがシャブ中方面のかただったというのは,さもありなんと思われる.
 テレビ等の報道によれば,名古屋市内で発生している新型コロナウイルスの二つのクラスター (小規模な感染集団) について,愛知県の大村秀章知事は一昨日 (3/16) の定例記者会見で,最初に発生したスポーツジムを舞台にしたクラスターはほぼ収束に近いと語った.
 下の画像は,テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』の画面を撮影したものである (3/16).このいわゆる「スポーツジムルート」の感染者数はこれ以上増加していないと聞くが,死んだウイルスばらまきシャブ男はこの絵の右端に描かれている.
  
20200316k
 
 上の画像から,感染者を年代別に集計したのが下の表である.
――――――――――――
     男性  女性
20代        1
30代    1    1
40代        3
50代    3    2
60代    10    5
70代    5    6
80代    2
――――――――――――
 感染ルート図を見ると明らかであるが,感染拡大に大きな役割を果たしたのは女性である.
 最初の一人はハワイ旅行で夫婦共に感染した60代女性(a)で,図の最上段に描かれている.この夫婦の妻がいわゆるアクティブシニア (総務省「変わる高齢者像 -アクティブシニアの出現-」) で,スポーツジム経路クラスターにおける一人目のスーパースプレッダーである.
 まずこの女性は,ジムとは別のルートで60代男性三人を感染させた.次にAジムで十人を感染させた.この十人のうち二人は家族に感染させた.
 また十人のうちの70代女性(b)は知人の70代女性(c)と食事を共にして,これを感染させた.一緒に食事しただけで感染させたというのが凄い.しゃべりまくることを「口角泡を飛ばす」というが,どんだけ飛沫を飛ばしたのか考えるだに恐ろしい.このルートで合計八人が感染したが,その中にシャブ中男がいたのは既に述べた.
 注目すべきはAジム感染者のうちの50代女性(d)である.この女性はAジムで五人,Bジムで四人,Cジムで一人を感染させた.スポーツジム経路における二人目のスーパースプレッダーである.
 スポーツジム会員の男性諸氏には納得いただけるかと思うが,高齢男性の場合,普通は一つの総合スポーツクラブに入会する.筋トレでも有酸素でも水泳でも,色々なことができるからだ.ストイックなトレーニングをする人は単一目的のジムひとつの会員になるようだ.私は君子危うきに近寄らずの教えに従って今は筋トレ目的のジムを退会したが,そのジムでは,私だけでなく他の会員も私語をすることなく黙々とトレーニングに励んでいた.
 ところが中年から高齢の女性の場合,目的がトレーニングではなく,社交であることが多々ある.彼女らは全く体を動かすことなく延々とおしゃべりを続けている.私が入っていたジムでは,男性会員から運営側に「女性会員のやりたい放題をなんとかしてほしい」とクレームがつくのだが,スタッフは自分の祖母のような女性たちに意見することができない.かくて昼間のジムはサロンと化す.スポーツクラブには必ず浴室があるが,そこにしか来ない「お風呂会員」という特殊な人たちもいると聞いたことがある.
 このように目的が社交である場合は,複数のジムやスポーツクラブの会員になることが可能だ.トレーニングしないから,毎日ジムに通っても疲れない.そりゃそうだ.スポーツジムルートにおける二人目のスーパースプレッダーの50代女性は,その種の会員だったと私は邪推する.三つのジムの会員ということは,会費が三倍かかるわけで,かなり裕福な人だったのだろう.
 閑話休題.NEWSポストセブンの《コロナ騒動でアクティブ叩き 年長者を敬う価値観が崩壊か》[掲載日 2020/03/16 16:00] を読んで頷くところが多かった.記事の書き出しはこうだ.
 
ここ数年、目にするようになった「アクティブシニア」という言葉がある。高齢者のなかでも、特に2007年以降に定年を迎えた団塊の世代を指すことが多い。ステレオタイプな高齢者の趣味にとどまらず消費欲が旺盛なその世代は、新型コロナウイルスの感染が目立つ世代でもある。コロナ騒動によって「アクティブ●●●」がネガティブな意味に変化し、背景にあったはずの価値観も壊れつつある様子について、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が解説する。
 
 中川は次のように書く.
 
コロナ騒動でネットでしきりと書かれるようになった言葉が「アクティブ」だ。これに「ジジイ」と「ババア」を組み合わせる。高齢者が発熱したり咳が出るというのに外で活動し、その後陽性と判明した時に使われる。
 
 毎日,夜のテレビニュースで各都道府県における新規感染者が報道される.昼間の情報番組では必ず,各都道府県別に合計の感染者数が図示されるが,性別のデータは公表されていない (丹念に自治体発表を調査すればわかるが) ものの,年齢階級別の感染者数は厚労省が集計している.下図は,厚労省「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向」の3/20更新版から引用した.
20200322b
 日本では,新型コロナウイルスのPCR検査は法に基づく行政検査として公共機関 (国立感染研,各地衛生研究所および大学等) で行われる.検査の窓口 (以前は保健所であったが,現在は新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター) の検査受け入れが,なぜか国が定めた基準 (厚労省通知「新型コロナウイルス感染症に関する行政検査について」) よりもハードルが高く判定されるため,検査可能数を下回る実績となっている.すなわち国の基準では医師が「検査が必要」だと判断すれば検査が行われることになっているが,実際には拒絶される例が多い.日本医師会がその実態を調査集計して「不適切な例」として公表したが,テレビ報道 (テレビ朝日《ワイドスクランブル》等) によれば,公表後も実態は変わっていないようである.
 従って上に示した棒グラフは,実際に検査に漕ぎ着けた場合の感染者集計であって,真の感染状況を示しているわけではない.
 そのようなバイアスが掛かっている点には注意が必要だが,上のグラフは,必ずしも高齢者が感染者の中心年齢階級ではなく,幅広い分布を示している.
 朝は混んだ通勤電車に乗って出勤し,晩まで仕事をして人との接触が多い勤労者世代,つまり40代,50代そして60代前半が感染者の中心であることは当然のことと納得できる.しかし勤労者は少ないはずの70代以上のいわゆるアクティブシニアは,自治体による感染者の状況説明でヒンシュクを買うことが多いのは確かだ.中川淳一郎はこう書いている.
 
5ちゃんねるでは「行田の60代感染女性 池袋のライブハウスに来場、スポーツクラブでダンス、三味線教室に参加、赤十字病院にも訪れる」というスレッドに「アクティブ」と多数書き込まれた。
用例としては「アクティブにも程がある」「どんだけアクティブなんだよババアwww」などだ。
確かにこの女性はアクティブだ。下痢の症状が見られた翌日にライブハウスへ行き、その翌日から2日連続でジムでダンスなどをし、2日目は公民館の三味線教室にも行っている。5日後にまたジムへ行き、90代の母親を連れて2回赤十字病院にも行っている。
 ほかにも「ハワイから帰国した愛知の60代女性が感染、ジムで接触した70代男性も感染」「千葉の70代女性が高熱のまま空路で富山へ。以後、富山、岐阜へのバス旅行完遂」「静岡の60代男性がクルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス号から下船後にジム2回利用も虚偽申告」「神奈川の70代男性は発熱後にジムを5回利用し濃厚接触者1406人」などがある。これには「楽しそうな人生だなあ」などと書かれる。
「高齢者は充分人生を謳歌したのだからあまりもう迷惑かけるな」的価値観を抱く若者・中年が今回は不満を爆発させている状況にある。昨年「上級国民」と大批判された池袋暴走事故の加害者・飯塚幸三元院長(88)も妻と一緒にフレンチを食べに行くために車を運転し、事故を起こした。これもアクティブと解釈される。
 
 中川がネットから拾って書いている例では,ダイヤモンド・プリンセスから下船した静岡市の男性乗客が,保健所に嘘をつくという極めて悪質な男であった.が,悪質例はこれにとどまらない.日テレNEWS24《埼玉で感染の女性 旅行中に熱も無申告で検疫通過》[掲載日 2020/03/18 22:11] 他によれば,北欧ツアー中に発症した埼玉県志木市の60代女性は,帰国時の成田空港で病状を申告せずに検疫をすり抜けた.この女性は帰宅してから病状が悪化したため検査を受け,陽性であることが確認された.70代の夫も症状がみられるという.
 埼玉県知事は記者会見して遺憾の意を表明し,このような検疫すり抜けに対しては対策を国にお願いしたいと述べた.
 この夫婦は,検疫時にはおそらく解熱剤で偽装工作をしたと思われ,悪質アクティブシニアの最高峰であるとしていいだろう.検疫をすり抜ければどうにかなるという思考が信じがたいほどの頭の悪さ (当然,どうにもならないのだ) を示しているが,このような年寄たちの身勝手が,若者たちの怒りをかき立てるのだ.
 
 ダイヤモンド・プリンセスのついでに言うと,船内での検疫が遅々として進まない頃,日テレ《スッキリ》でMCの加藤浩次が船内の高齢の女性乗客に電話でインタビューをした.彼女は「船が接岸している桟橋に臨時の医療設備を作ってほしい」と言った.彼女が言うには「わたしは重い持病があるので,こんな状態で船に乗せられていたら,コロナの前に持病で死んじゃう」とのことだった.加藤浩次は「みなさんの大変なご苦労はお察しします」旨のことを,なぜか最大限の敬語で受け答えしていたが,私がMCなら「そんな重病なのになんでクルーズを?」と言う.彼女みたいに頭の悪さ丸出しのことを言うから年寄は若者に嫌われるのだ.
 
 頭が悪いということのついでに言うと,東京五輪の聖火がギリシャから日本に到着した記念の式典で大会組織委員会の森喜朗会長が「宮城県」を「ミヤザキケン」,「石巻市」を「イシマキシ」と言った.森会長は現役政治家時代からバカ丸出しだったが,スポニチが報じたところによれば,先月 (2/21) 東京五輪・パラリンピックの日本選手団が着用するオフィシャルスポーツウエアの発表会が都内で行われた際に,「私はマスクをしないで最後まで頑張ろうと思っている」と述べた.もはや常人の手の届かない境地に達しているらしい.
  
 さて週刊誌等の記事によれば,団塊世代以上の高齢者は「逃げ切り世代」と呼ばれる.これより下の50代は「逃げ切れるかどうかあぶない」という.厚生年金や共済年金は,要らなければ給付を辞退できるのだが,余程の金持ち以外は受給しているだろう.だがその年金は現役勤労世代が負担しているのだ.私もありがたく頂戴しているが,だからこそ若い人たちに迷惑をかけたり恨まれたりせぬように余生を生きたいと思うのである.

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簡単フェットチーネ

 年寄の朝飯昼飯は,簡単質素をもって旨とする.
 夕食は軽く済ませよと下戸は言う.江戸時代の夕飯は,屋台で田楽の串をつまんで,長屋に戻ったら朝炊いた冷や飯に湯をかけて食う.それだけで充分だぜと.
 しかし上戸はそういうわけにはいかない.夜は長いのである.
 まずは刺身が要る.どこで調達しようか.
 藤沢駅の周りでいうと,駅に隣接するフジサワ名店ビルの地下に「魚つる」という鮮魚店があって,ここが一番安い.安いのはいいけれど,販売単位が大きい.マグロでもブリ系統でも二人前から三人前の柵で売っている.トレーでいうと千円~二千円.今夜は刺身だと気合を入れる日はここで買う.
 南口に小田急デパートの地下にある「魚の北辰」,これは北口の「さいか屋デパート」の地下にもあって,お値段はかなり割高だが,少しずつ色んな魚を買い求めるのに重宝する.一日目はバチマグロの刺身,二日目はブリの照り焼き,三日目はカレイの煮魚という具合に,頭の中に献立を作りつつ鮮魚を見繕っていくわけだ.
 魚介は「魚つる」か「魚の北辰」で決まりだが,あとは名店ビルの地下,小田急デパート地下,さいか屋デパート地下,藤沢ルミネに入っているクイーンズ伊勢丹を巡回して肉,野菜,惣菜類を購入する.天ぷらは,さいか屋の地下に「ハゲ天」が復活したので,これで決まり.惣菜は大抵の時はクイーンズ伊勢丹で間に合うが,調味料や加工食品はダイエーまで行く.特に安いわけではないけれど,品揃えの点で,スーパーで我慢だ.
 
 とまあ,こんな具合に三日から四日分の夕食のために食材・食料を買い込むのだが,それは酒肴を拵えるためだ.
 朝飯と昼飯はできるだけ簡単に済ませたい.
 それには,加工食品を活用するのがよろしいと思う.
 
 そこで私は常日頃から,店頭にどんな加工食品が出ているかをチェックしている.
 高齢社会では間違いなく一人暮らしが増えるから,食品メーカーは「一人前」の量の食材を開発している.その一つを買って試してみた.
 マ・マーの独居向けブランドw「Palette」である.商品のラインアップはロングパスタ「フェットチーネ」が五種類 (プレーン,ほうれん草粉末入り,トマト粉末入り,小麦全粒粉入り,ライ麦粉入り) あって,ソースも五種類 (きのこ,海老,帆立,スモークチーズ,パルメザンチーズ) ある.すべて一人前の包装である.組み合わせは二十五通りあるから,好みの組み合わせを選ぶことができる.もちろん他社製の一人前入りソースを使ってもいい.
 今回はプレーンのフェットチーネと「きのこのクリーミー・ボロネーゼ」にした.麺 (80g) はちょうどカップうどんのような形状に成型されている.茹で時間は五分だが,鍋の水量が少ないと,茹で汁が何故かかなり白濁する.水は多めにするのがいいようだ.
 指定の作り方だと,茹で上げた麺をザルで湯切りし,皿に盛ってソースを上からかけ,皿の上で麺とソースを和えることになるのだが,これはよくない.大きいパスタ皿を使わないと,ソースと麺を混ぜにくいし,気を付けないとソースが飛び散る.
 従って,いったんザルに取って湯切りした麺を空になった鍋に戻し,ソースをかけて和えるのがよい.これなら秒速で和えることができる.
 
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 上が出来上がり写真だ.ソースはかなり薄味なので,血圧高めの貴兄におすすめである.
 ただし,写真を見ても歴然だが,いくら昼飯といっても,これでは「すうどん」みたいなもので,かなりわびしい.
 ブロッコリとかキャベツとかを茹でて冷蔵庫に常備菜として用意しておくとよい.これはマヨネーズをかけて食べる.
 あるいはアスパラガスとベーコンを炒めたものを常備菜にしておいて,それを盛りつければちゃんとした昼飯だと胸を張れる.
 このPaletteは気に入ったので,私の備蓄食品の仲間入りである.



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2020年3月17日 (火)

あまりにも無能な厚労相 /工事中

 読売新聞によれば加藤厚労相はマスク製造業者が疲弊してつぶれても構わぬとの意思を示した.(《マスク製造業者「残業も休日労働も可能」…厚労相が周知の考え》/掲載日 2020/03/17 11:46)
 
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わたしには秘密にしておいて

 このブログで何度も,終戦後に日本に入ってきた欧米の歌や映画のことを書いてきた.
 映画という文化は,シナリオを映像にするという作業においては昔も今も変わらないのだけれど,特に洋画ではこの七十年間に映像化技術の革命つまりCGが多用されるようになり,ジャンルによっては (例えばファンタジーやSFなど) 昔の作品はいかにも古色蒼然としてしまった.
 ところが音楽は,録音と再生の技術は高度に発展したけれど,そのために昔の音楽が古びるということがなかった.
 私が若い頃はLPレコードをターンテーブルに載せて針を静かに落とし,お気に入りのスピーカーから聞こえてくる音に聴き入ったものだが,いまやCDの時代も既に終わり,音楽は配信されてくるものになった.
 しかしそれでも私は,深夜に,古めかしい道具を使って1950年代の音楽を聴くのが好きだ.
 
 私が貯め込んでいる音源は,ほとんどが女性歌手のものだ.戦争が終わった極東の島国に生まれ育った少年たちは,イギリスやアメリカ,フランス,イタリアの歌姫たちに恋をしたのだった.
 私たち七十過ぎの世代が死に絶えたら,彼女たちが歌ったラブ・ソングも時の流れの彼方に消えていくのだろうと思うと,静かに切ない.
 その懐かしのラブ・ソングにもいろいろある.片想い,失恋,恋人の死…… ハッピーな歌はあまり思い出せない.それにそんな歌は聴きたくないし.
 片想いの歌なら,“Keep it a secret”を老人は忘れがたい.
 
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 オリジナルはジョー・スタッフォード (1952年録音) だが,その後にカバーした歌手によって,歌詞にわずかな異同がある.
 この歌のシーンは,お節介な女友達が「ねえねえ,彼がまた新しいコと一緒にいたわよ」とか「元カノとヨリがもどったのかしら,二人して飲んでたわ」とか言ってくるというのだ.ここで“if”は婉曲な言い方.遠回しに,彼女の無神経さを非難している.
 rendezvousは,ドアを開けて入ると,飲み物と軽食を出す小さなカウンターがあって,壁にはダーツの的がある.ジューク・ボックスが隅に置かれていて,フロアにはジルバかなにかを踊れる狭いスペースがある.そんな街の片隅にある店のことだろう.いかにも古い映画に出てきそうだ.
 “Painting the town”は口語.文章ではあまり使わないかも知れないが,辞書にはある.
 “Pay no attention and just let be”は,余計なお世話に少し腹を立てている描写だ.そして“But keep it a secret from me”の悲しい恋心.
 第二次大戦後に歌われた,もっともリリカルな片想いの恋の歌がこれだ.

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2020年3月16日 (月)

マスク品薄は当分解消せず

 今朝のNHKニュースは,当分の間,マスクの品不足は解消しない見通しだと放送した.
 政府は今日から「マスクの転売を禁止」すると謳ったが,これの実効性について信用する人はほとんどいなかったのではないか.
 何故なら,マスク品不足解消に必要なのは「転売禁止」ではなく「適正価格での販売」だからである.
 例えば通販サイトに高額のマスクが出品されているとして,それが転売かどうかを調べるには,出品者をしょっ引いて仕入れルートを尋問調査する必要があるのだが,それにはかなりの警察マンパワーと通販サイトの協力 (警察の求めに応じて出品者の実名と所在を提供する) が要る.
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 上の画像は,今日も平気でAmazonに掲載されている高額マスクの一例である.出品する奴もいい度胸だが,Amazonのコンプライアンスにも呆れる.Amazonは日本政府にも警察にも協力しないだろう.不届き者が逮捕される見込みは薄い.
 Amazonは東日本大震災の時も,乾電池等の異常高価格を放置した.それが彼らのビジネスの流儀だと私たちは知っておく必要がある.(楽天は,異常な高価格のマスク出品に対しては,少し前から意識的にアカウントの削除をしているという噂がネット上にあるが,筆者は事実かどうかを未確認だ)
 
 政府 (経産省) はマスクの増産をメーカーに要請しており,月間六億枚を目指していると発表したが,一説によると需要は月に九億枚だという.これでは店頭にマスクが出て来るわけがない.
 テレビ報道によれば,台湾はマスクの製造ライン (機械設備) を増設して台湾政府の増産要請に応じたという.
 日本では,同じくテレビ報道によれば,工場 (テレビ画面には零細な下請け工場が映っていた) の稼働時間延長で対処しているらしい.政府の当初の発表では月産四億枚目標だったが,これが六億枚にしか増産できないのは,製造設備の増設をしないからだ.
 私はメーカーにいたからよくわかるのだが,設備投資をすると需要が減った時に大変なことになる.今回のマスクのようにいずれ需要が減少することが見込まれている時にメーカーが設備投資をするわけがない.
 これをどうしたらよいかというと,設備投資に助成金を出すと共に,将来的に需要が減少した時,例えば中国産の安い輸入マスクに高い関税をかけて国内メーカーを保護すると,メーカーに約束することが必要だ.
 しかしそれはわかっているのだが,政府は国産メーカーの保護はしないだろう.習近平を怒らせたくないから.

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2020年3月15日 (日)

愚かな老人たち

 朝日新聞は《女子大教授がエジプト旅行で感染 卒業式中止で学長憤り》(掲載日 2020年3月14日 23:04) を報じた.
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 このスクリーンショットに続くのは《業式を心待ちにしていたのに」と怒りをあらわにした 》である.
 この件の第一報のあとネット上には,問題の女性が教員ではなく職員だとする誤報が多数書かれたが,実は上の朝日の記事のように教員,しかも七十代の教授であることが大学側から発表された.(3/17現在,まだこの女性の氏名は特定されていない)
 この女性教授は2月21日~3月1日にかけてエジプトをツアーで訪れ,ナイル川でクルーズ船を利用した.(エジプトのツアーで感染した高齢者が他にも多いところをみるとエジプトは人気観光地であるらしい)
 教授は帰宅後に下痢や咳,発熱などの典型的症状を発症して13日に帰国者・接触者相談センターに相談したところ,14日に陽性が判明して入院した.
 学長が記者会見で怒りを顕わにしたのは,この教授が大学に無断でツアーに参加したからである.
 おそらく卒業式を控えた大事な時に,コロナウイルス感染リスクが高い海外旅行は慎むようにとの指示が,学長から内々にあったのであろう.だが女性教授は無視した.
 哀しいかな高齢者は前頭葉が小学生並みにまで衰え,強い自制力も脳の論理的思考力も若い頃に比較して急速に衰えるため,自分はウイルスに感染しないという根拠のない自信を持つにいたる.だから,行くなと言われると,黙って行っちゃえばわかんないわ,という方向に考える.まるで駄々っ子だが,一部の高齢者は小学生並みの前頭葉しか持っていないのである.前頭葉が小学生の大学教授というのが悲しい.
 根拠のない自信とは,よく知られているが,正常性バイアスと呼ばれるものだ.Wikipedia【正常性バイアス】から下に引用する.
 
正常性バイアスとは、認知バイアスの一種。社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のこと。
自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる。「正常化の偏見」、「恒常性バイアス」とも言う。
 
 高齢者の正常性バイアスは,高齢社会が孕む大きなリスクである.リスクが現実化した災厄の被害者は若い人たちだ.
 昨年四月に東京池袋で,旧通産省工業技術院長の飯塚幸三が乗用車を暴走させ,母子がはねられ死亡した事故は若い人たちの強い怒りを買った.
 現場検証に立ち会った飯塚幸三は両手に杖を持ち,虚ろな眼をしてよぼよぼと歩いていた.杖なしでは歩けぬ.それほどに衰えた脚でも「自分は事故は起こさない」と信じていたと思われる.
 飯塚の虚ろな眼差しは,まるで《自分にとって都合の悪い情報を無視 》しているようだった.自分が犯した罪を自覚することも,悔いることもなく飯塚は生きて行くだろうと私は思った.

 郡山女子大学のサイトに次の文章が掲載されている.
 
3月15日から学内の除菌・消毒作業と、濃厚接触者の健康観察等を進めています。そのため3月末まで大学を閉鎖することになりました。3月18日の卒業式を実施できないのは、本当に辛く悲しいことです。新型コロナウイルスという脅威によるとはいえ、たった一人の不注意な行動が、多くの方々に迷惑をかけてしまいました。特に卒業予定のみなさんには、誠に申し訳ありません。
卒業証書・学位記と免許・資格取得証明書等は、ひとりひとり丁寧に郵送致します。卒業するみなさんが、きちんと勉強し、充実した学生生活を送ったことがそれで証明されます。胸を張って、次のステージにお進みください。そして、新型コロナウイルスが落ち着いた頃、先生や後輩に会いにまた来校してください。
 
 これはおそらく学長がしたためたお詫びの言葉であろう.たった一人の歳甲斐のない不心得者のために,卒業生たちの大切な思い出は奪われた.胸を張って次のステージに進んでくださいという言葉に,学長の無念が窺われる.
 女性教授の症状は安定しているという.病室でこの愚か者は今何を思っているか.
 想像だが《自分にとって都合の悪い情報を無視 》しているのではなかろうか.過ちを悔いるほどの理性はもう持ち合わせていないと私は思う.
 
 郡山女子大教授の他に,エジプトのナイル川クルーズに参加し,帰国して発症した者たちは多い.NHKの報道によれば,本人たちと家族,濃厚接触者を合わせて二十六人に達する.(3/16現在)
 ちなみにナイル川クルーズを行程に含むエジプト・ツアーで,催行を中止したのはJTB.
 大手の旅行代理店ではクラブツーリズム (『エジプトエアー復路直行便利用(カイロ~成田間)ナイル川クルーズとエジプト満喫8日間』) も阪急交通社 (『2019年新造船「メイフラワー」で巡る!感動のゆったりエジプト・ナイル川クルーズ10日間』) も催行を強行する.
 中小旅行代理店も,コロナウイルス禍なんぞどこ吹く風で催行決行.(3/17現在)
「自分は大丈夫,感染しない」と根拠なく自信満々の愚かな高齢者たちが,何十人もナイル川クルーズを楽しみ,そして帰国して新たな感染者クラスターを形成する.この有様を見て,私は老人の一人として若者にまことに申し訳なく思う.それにしても総理は,こういう時に特措法を発動し,ツアーの解散を命令せずにどうする.そのための特措法だろうが.

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2020年3月14日 (土)

ご出世なさいませ

 土曜の夜,さきほどNHKの『ブラタモリ』をオンにしたら,私は知らなかったのであるが,タモリと二年間のコンビを組んできた林田理沙アナはこの回の放送が最後なのだという.彼女の一層の活躍のためとはいえ,視聴者としてはさみしい.
 放送が終わるや早速,産経新聞に《タモリ、NHK林田理沙アナに「ご出世なさいませ」》が載っていた.(掲載日 2020年3月14日 19:42)
 そこにこんなことが書いてある.
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林田アナとともに、熊本・天草と長崎・島原を訪れたタモリ。「2年間本当にありがとうございました。きょうが最後になってしまうと思うと本当に寂しい」と振り返った林田アナに対し、「と言いつつもみんな、次の日から他の番組で知らん顔してやっている。ご出世なさいませ」とからかっていた。
 
 さすがは日本語の不自由さにかけて定評のある産経だ.またやってるよ.
 上の産経記事は《と言いつつもみんな、次の日から他の番組で知らん顔してやっている。ご出世なさいませ 》を丸ごと「からかい」としているが,これは間違い.もしも《ご出世なさいませ 》に「寂しいなんて調子のいいことを言いますね」などというニュアンスがあると思ったのであれば,書いた記者の読解力は中学生並みであり,まことに情けない.
と言いつつもみんな、次の日から他の番組で知らん顔してやっている 》と《ご出世なさいませ 》は一続きの言葉ではないのだ.高校の国語試験で解釈問題にするといいかも知れない.
と言いつつもみんな、次の日から他の番組で知らん顔してやっている 》は,林田アナをからかっているのだが,《ご出世なさいませ 》は違う.からかいではない.これは昔から,前途のある若者に贈るはなむけ (餞) の言葉なのである.時代劇,時代小説の愛好者なら知らぬ者はないほとんど定型句だ.
 例えば時は幕末に近い頃,ある小藩に下級武士だが著しく優れた青年がいたとする.家老はこの青年武士の才を見込んで自宅に住まわせ,文武の教育を施すことにした.数年後,藩お抱えの剣術指南も学者も,拙者らはここまででございますと家老に告げた.そこで家老は藩主の許しを得て,青年を長崎に留学させることにした.
 さて家老には娘がいた.娘は青年にひそかな恋心を抱いていた.
 青年が旅立つ日の朝,見送る娘は別れの哀しみを隠して言う.ご出世なさいませ.
 
 とまあ,タモリが《ご出世なさいませ 》と言ったその時,年寄りたちの頭には上の場面が浮かぶ.
ご出世なさいませ 》のどこがからかいなのか.記事を書いた産経の記者は馬鹿も休み休みいいなさいませ.これは,二年前に『ブラタモリ』のアシスタントに抜擢されて以来,NHKの看板アナウンサーへの道を歩んできた林田理沙さんへの,タモリの「贈る言葉」なのである.
 
 Web東奥 (東奥日報) はちゃんと《「ご出世なさいませ」とはなむけの言葉を送った 》と書いている.一流の地方紙は三流の全国紙 (かつて産経は全国紙だったことがある) に優るということか.(ただし,できれば慣用通り「贈った」と書いて欲しかった.間違いじゃないけれどもね)
 その他,中日スポーツは《タモリから「ご出世なさいませ」との言葉が贈られた 》としている.タモリの言葉の意味を理解しそこなったのは,どうやら産経だけであるかも知れない.

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2020年3月13日 (金)

噂と事実/資料の有無

 FNN.jpプライムオンラインが《「大震災9年の節目」に国会空転 森雅子法相「検察官は最初に逃げた」発言の背景と当時の事実関係》(掲載日 2020/03/13 11:40) を報じている.筆者はフジテレビ政治部の千田淳一氏である.
 この記事は導入部で次のように述べている.
 
質疑の中で野党議員は森法相に対し、検察官の定年延長問題に関し、「どのような社会情勢の変化があって日本中の検察官の勤務延長が必要になったのか」と質した。答弁に立った森法相は、1つの例として震災時の検察官の対応をとりあげ次のように述べた。
「東日本大震災の時、検察官は福島県いわき市から市民が避難していない中で最初に逃げたわけです。その時に身柄拘束をしている十数人の方を理由無く釈放して逃げたわけです。そういう災害の時も大変な混乱が生じると思います」
 
 テレビの報道でよく知られているように,森大臣の《東日本大震災の時、検察官は……逃げたわけです 》は,2020年3月9日の参議院予算委員会で小西ひろゆき議員が,検察官の勤務延長が必要になった理由を質問したことに対する答弁であった.
 この答弁だが,NHKの予算委員会中継を見ていた視聴者はみんな「はあ?」と思っただろう.小西議員による東京高検・黒川弘務検事長の定年延長問題に関する件とは無関係のことだったからである.むしろ,無理矢理に定年延長問題と関連付けるとすれば,森法相の答弁内容は「いかに検察がダメな組織であるか」であり,だから定年延長なんかしちゃいけないぞ,ということになる話だ.それを誰あろう当事者である法務大臣が言うのだからもう石が流れて木の葉が沈む支離滅裂で,国民はテレビの前でがっくりと脱力するしかなかった.orz
 で,ここから審議が紛糾し始めた.震災の時に検察官が《最初に逃げた 》のは事実かと野党が質すと法相は「事実だ」と答え,さらに野党が当時の事実関係について公文書を示して追及すると,森法相の答弁は迷走を始めた.そして結局,安倍総理が森法相に厳重注意する羽目になった.
 国家の緊急事態をそっちのけにしたこのドタバタ騒ぎをメディアはどう伝えたか.一番オーソドックスな立場で書かれているのは,元福島県の新聞記者でジャーナリストの あいはらひろこ 氏が書いた《森まさこ法相の 「いわきの検事が逃げた」答弁は本当か? 公文書が語る真実》(ハーバー・ビジネス・オンライン;2020年3月13日 8:33) だ.
 この記事は,森法相の《東日本大震災の時、検察官は……逃げたわけです 》が震災後に福島県で流布した単なる風評を記憶していたものであるのに対して,野党は,震災直後に作成されたメモを基に仙台高検が集約した記録公文書 (*註) を示して森法相を追求したことを記している.
 流言飛語の類 (の記憶) と公文書では,勝負にならない.これまでも法相としての資質に欠けるとの評価をされていた森大臣は一敗地にまみれたのである.
 (*註) あいはらひろこ氏の文章から下に引用する.
仙台高等検察庁大谷晃大検事長名で昨年9月に情報開示された「東日本大震災による被害と検察運営等について(報告)」:平成23年11月14日付文書。東日本大震災の被害を受けた仙台高検館内の地検、支部、区検が2011年3月11日に、津波と地震、原発事故の被害を受け、直後からどのように対応したのかが、つまびらかに報告されている内部文書だ。
 
 とまあ,ここまでなら政権末期によく出て来る頭の悪い大臣が四面楚歌になったという話なのだが,今回はちょっと違う.応援を買って出た人がいるのである.それが本記事の冒頭で述べたフジテレビ政治部の千田淳一氏である.
 千田氏は,仙台高検が震災直後からリアルタイムで集積したメモと,それを基に作成された仙台高検の内部文書の存在には触れない.触れたら森法相を弁護する論理が成立しなくなってしまうからだ.
 当該文書がないものとして,千田氏は次のように書いている.
 
混乱の極みの中で…「避難」と「逃げた」
……
特に福島では原発事故に伴う放射線という目に見えない不安も背景に、原発の避難区域に指定されていない地域から避難する人に対しては、「避難」と「逃げた」という2つの言葉が使われていたのは事実だ。「避難」と「逃げた」、似て非なるこの言葉の温度感は、当時、被災地域に住んでいた人でないと、なかなかわからないだろう。
そしていわき市は当時、北部の一部地域が屋内退避区域だったが、ほとんどは原発事故に伴う 避難区域ではなかった。こうした様々な状況を踏まえると、「職員を郡山に移動させた」という事実は「職員が避難した」とも受け取れる一方、「容疑者を釈放」したことも踏まえると「最初に逃げた」と感じた人もいただろう。ましてや原発事故直後の当時、いわき市内で「避難せずに」住んでいた人たちにとっては後者の思いが強かったかもしれない。
そう考えると、森法相の「職員は最初に逃げた」という発言については、森法相自身が「法務省が確認した事実と異なる」と認めたものの、野党側が指摘するような「事実無根」とまで断定するのは難しいかもしれない。人によって受け取り方が違うし、ましてや9年前と今とでは被災者の感情も同じではない中で、何をもって「最初」とし、何をもって「逃げる」と判断するかは見方が分かれる部分もある。
 
 要するに千田氏の主張は,『震災当時の福島県に「検察官が逃げたという噂が流布したのは事実である」以上,「検察官が逃げたのは事実」と思うか思わないかは見方による』である.従って森法相が「事実だ」と答弁したのは事実無根ではないと千田氏は言う.俗な言葉で言うなら「火のないところに煙は立たぬ」であり,「煙が立った」が事実でなくても,噂だけでいいというのである.
 ここで問題なのは,千田氏は「検察官が逃げたという噂が流布したのは事実」ということを資料なしで主張していることだ.資料なしでいいのなら,どんな嘘でもつける.氏は「検察官が逃げた」という噂の信用性を検証する気はないようだ.
 テレビというメディアは,報道部はもちろん政治部も「噂を事実であると考えるか否かは見方による」としてはなるまい.事実であるか否かの判定は,資料に基礎を置かねばならない.上に紹介した千田氏の文章は,フジテレビという局の報道が信用できないものであることを示している.

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2020年3月11日 (水)

静岡人はレベル低すぎ

 私は会社員生活の大半を静岡県で過ごした.ほぼ静岡県民と言っていい.
 その準静岡県民の眼から見て,莫大な数のマスクをヤフーで売って大儲けした焼津の諸田県議は,いかにも静岡県民だという印象だ.
 諸田県議は貿易会社を経営している.その会社が約十年前に一枚十五円で中国から輸入したマスクが長期不良在庫化しており,これをマスクの需要が高まったと見てヤフーオークションに出品したのである.
 この行為がネットで非難轟轟となり,記者会見する羽目に陥った.
 その記者会見で以下の遣り取りがあった.画像の下に「記者」とあるのは女性で,記者会見の幹事社だから,おそらく静岡新聞社ではないかと思われる.
 余談だが,地方新聞社にも優れたジャーナリストはいるだろうと思う.しかし静岡新聞は,その紙面を読めばわかるが,かなり程度が低い.それなのに静岡県民は,どういうわけか全国紙はあまり読まないで,静岡新聞ばかり読んでいる.特に静岡県中部.
 関東地方では,私が若い頃から駅売りの新聞といえば日経だった.昔「日経を読むのは仕事」という有名な惹句があったくらい,キヨスクの前にタケノコ積みされる新聞は,日経が読売や朝日の何倍もあり,会社員たちが一部とっては通勤電車に乗り込んでいく のが朝の日常風景だった.
 ところが昭和四十七年に就職し,現在の静岡市清水区に住むことになった私が驚いたのは,キヨスクで売れる新聞は静岡新聞とスポーツ紙だったことだ.日経を置いていないキヨスクだってあったほどだ.みんな国政や国際情勢なんかには無関心だった.商店街のニュースにしか興味のない人々にふさわしいのが静岡新聞だった.静岡県の民度の低さを象徴するのが静岡新聞であった.
 私が静岡県から神奈川に出てかなり経つが,今でも静岡は昔と変わっていないだろうと思う.というのは先日,静岡に住んでいる高齢の知人たちから,静岡市内で飲み会をやろうとの誘いがあった.私はメールの返信に,今はそんなことをする事態ではないと,言葉を選んで返信したが,その飲み会の幹事は,私が何を言っているのかわからないようだった.もしかするとNHKの報道も民放の情報番組も見ていないのかも知れないと私は思った.
 
 さて国政にも国際情勢にも無関心な県民が,自分たちの代表として選出したのが,後先のことを考えずに行動する性格の諸田県議であったことに私は大いに納得する.物事を深く考えずに行動するのが平均的な静岡人だからである.もちろん思慮深い県民もいるに違いないが,私の知っている静岡人にはそういう人は一人もいない.
 その諸田県議が会見で説明した,事の顛末は以下の通りである.
 新型インフルエンザが流行した2009年もマスクが品薄となった.記者会見の質疑によれば,諸田県議が中国から大量のマスクを輸入したのはこの時だったと思われる.しかし流行はほどなく収束したため,諸田県議は山のような不良在庫マスクを抱えてしまった.他の商品のオマケに付けて捌こうとしたようだが,焼け石に水だったらしい.そこへもってきてこのマスク騒動だ.諸田県議は千載一遇の不良在庫一掃の機会だと喜んだに違いない.ところが十年も保管されていたマスクは,調べてみたらすっかり品質劣化していた.普通の人間ならここで販売を断念するところだ.品質劣化したマスクなんかただのゴミだが,しかし諸田県議はあきらめなかった.「このマスクの市場価値を自分では判断できないから,一円からスタートして価値をオークションで判断してもらおう」(本人の弁),これはいい思い付きだよかったよかったと,明るく前向きに諸田県議はヤフオクに出品したのであった.「市場に判断してもらう」と言えばもっともらしいが,つまりは自分で考える頭がないということに気が付かなかったのである.こうして諸田県議は転売屋の仕入れ元になった.
 
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記者「転売ですよね?」
諸田「わ,私の場合は在庫があったものを……」
記者「在庫は,元々買ったものですよね? 時期があいているだけで転売ですよね?」
諸田「いえ,いえ,いえ,以前仕入れたものを売っているだけですから転売ではありません」
 
 この応答をテレビ (テレ朝『羽鳥慎一モーニングショー』) で観て,私は情けなくて安楽椅子からヘナヘナと崩れ落ちた.
 メーカーや問屋から買ったり,外国から輸入した商品を売ることが転売なら,薬局がマスクを売ることは転売であるということになる.
 三菱商事や三井物産は転売屋だということになる.記者が県議を問い詰めた論理は「物品販売はすべて転売だ」という奇想天外な理屈だ.
 かくも社会常識も教養もない地方新聞記者には理解できぬであろうが,諸田県議の非は,転売か転売でないか,そんなところにあるのではない.国の危機に際して,自らの県議という立場をわきまえぬ愚かさにあるのだ.(念のために言えば,諸田県議の行為は転売ではない)
 そんなこともわからぬ中学生並みの頭の新聞記者が,鬼の首でも取ったかのように,あるいは恋人の心変わりを責める女のように,理屈も常識もなく「元々買ったものですよね?」「転売ですよね?」とヒステリックに諸田県議を追い詰め,諸田県議はその見当はずれの追及に,口ごもってきちんと反論できなかった.無学無知軽薄な新聞社と思慮浅い議員.このいかにも静岡的な光景を見て,しみじみと私は落ち込んだ.
 さて,諸田県議がヤフオクの商品ページに書いた説明によれば当該マスクは「変色,黄ばみ」がある十年前の新古品だ.Amazonあたりでバラ売り (箱なし) している中国製マスクを買ってみて,黄ばんでいたら諸田県議のマスクである可能性がある.諸田マスクと名付けてオブジェにしたらどうだろう.

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2020年3月10日 (火)

若者にとって迷惑な高齢者

 昨日,新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が「新型コロナウイルス感染症対策の見解」を発表した.その一部を厚労省のサイトから下に引用する.
 
(3)重症化する患者さんについて
これまでにわかってきたデータでは、感染が確認された症状のある人の約80%が軽症、14%が重症、6%が重篤となっています。しかし、重症化した人も、約半数は回復しています。
重症化する患者さんも、最初は普通の風邪症状(微熱、咽頭痛、咳など)から始まっており、その段階では重症化するかどうかの区別がつきにくいです。
重症化する患者さんは、普通の風邪症状が出てから約5~7日程度で、症状が急速に悪化し、肺炎に至っています。
 
 下の画像は,専門家会議の尾身副座長がNHKの夜七時のニュースで解説している場面である.丁度上に引用した文章に相当する箇所である.
 
20200310a
 
 上のテレビ画面で専門家会議の尾身副座長が示した「ウイルスの実態」とは,
* 感染すると2割が重症乃至重篤な容態となる.
* 重症患者の半数は回復しない
 
である.回復しない,と言われてもなあ.w
 中国武漢のデータによれば,感染して重症化するのは,ほぼ高齢者である.日本の場合に外挿すると,感染者が100人いるとするとその2割に相当する老人層が重症化する.そしてその半分,つまり10人が死ぬ.
 尾身副座長は上の番組で「致死率はSARSに比べるとかなり低いとみられる」と発言したが,それは全年代平均値の話だろう.SARSの場合は65歳以上の致死率が50%以上だとされているから,今回の新型コロナウイルスも,高齢者の場合はSARS並みの致死率だということになる.
 専門家会議は,国民に不安を与えたくないとの意図から,上の画像の表現をしたのであろうが,これでは漠然とし過ぎて何も言っていないに等しい.例えば「40歳以下の人たちは,これまでに国内で幾つかの例外はありますが,ほぼ軽症で済みます」と言い切ってもいいのではないか.逆に基礎疾患持ちの高齢者にとってみれば,ほぼ引導を渡されたに等しいが.w
 私たち高齢者にしてみれば,誰に向かって言っているのかわからぬ言い方ではなく「高齢者の皆さん,皆さんにとって新型コロナウイルスは極めて危険な病原体です.外出は必要最低限の買い物に限ってください.ジムで風呂に入ったり,宝塚歌劇団公演に出かけたり,コンビニでバイトしたり,ウイルスをバラまいてやるとあちこちに電話してからフィリピンパブに行き,店のオネーチャンの肩に手をまわして下手な歌を歌うのはもっての外です」と断定的に,尾身副座長に警告してもらうほうがありがたい.断定的に警告しないと,発症して発熱しているにもかかわらず旅行に行ってしまう元気な婆さんや,発熱してるのにジムで汗をながしてトレーニングする不死身の爺いが出てきて,感染を拡大しちゃうからである.私に言わせれば,こういう高齢感染者は自業自得である以上に,社会に打撃を与える不届き者である.
 これはもう,今の日本を支えている若い人たちにとってみれば,ほんとに迷惑な話である.専門家会議は,若い人たちが感染を広げているみたいに言う (*) が,それは逆だ.爺さん婆さんが家で冬ごもりしてくれていれば,そもそも高齢者が感染する機会は激減するはずなのである.
 私なんかベトナム旅行と国内旅行をキャンセルして,キャンセル代は七万円に達した.ドえらい損だが,若い人に迷惑をかけるよりはなんぼかマシであると思って我慢する.
 
(*)  専門家会議の見解から引用
全国の若者の皆さんへのお願い
10代、20代、30代の皆さん。
若者世代は、新型コロナウイルス感染による重症化リスクは低いです。
でも、このウイルスの特徴のせいで、こうした症状の軽い人が、重症化するリスクの高い人に感染を広めてしまう可能性があります。
皆さんが、人が集まる風通しが悪い場所を避けるだけで、多くの人々の重症化を食い止め、命を救えます。
 これは明らかに見当違いである.専門家会議は,何よりもまず,重症化リスクの高い高齢者に行動の自制を求めるべきである.

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2020年3月 9日 (月)

機に臨んで変に応ず

 日本医事新報社のWeb医事新報に,神戸大学医学研究科の岩田健太郎教授 (感染治療学分野) が《【識者の眼】「新型コロナウイルス感染症:非常に厄介だが、対峙の方法はほぼ確立している」岩田健太郎》を寄稿している.少し前の御自分の発言はまるでなかったことのような内容なので驚いた.
 日本での新型コロナウイルス感染禍が現在ほどではなかった初期の頃,岩田教授は日テレの『ミヤネ屋』の取材に応じて,「大したことはない」との見解を示していた.この種の感染症にどう対処するかはもう確立しているからであると,自信満々だった.岩田教授が言うには「一人の感染者がいるとして,それが誰と誰に接触して,その接触者がまた誰と誰に接触したかということを追跡し,隔離していけば感染の拡大は抑え込める」というのが感染症対策の基本であると教授は『ミヤネ屋』で断定した.そして「検査なんか無駄だ.検査が必要だという人は感染症の基本を知らない」と語った.名指しはしなかったが,テレビ番組でPCR検査の必要性を主張していた白鴎大学の岡田晴恵教授を指した嘲りであることが明々白々だった.
 岡田教授は当初から,この新型コロナウイルスが厄介なのは,軽症者が多いことだ (中国では,無症状の感染者がいるとの見解が,対策当局の研究者から発表されていた) と指摘していた.軽症者あるいは無症状の感染者が,感染を自覚せずに多数の人と接触するから,感染ルートの追跡はいずれ不可能になるという見解を,岡田教授はテレビ (『羽鳥慎一モーニングショー』) でコメントしていた.岡田教授はほとんど毎日テレビでコメントしているが,主張は一貫している.
 同じことを東北大学医学系研究科の押谷仁教授 (微生物分野) もNHKスペシャルで語った.(拙稿《君にとっては他人事だから》参照)
 押谷教授は同番組で,武漢における爆発的感染に関して,明らかな感染症状を示している人が感染を拡大しているだけでなく,軽症者が感染を拡大している可能性が高いと述べた.また,「武漢の医療機関はレベルが低いから感染を拡大させてしまっている」という見方は誤りであると明言した.武漢の対策当局が軽症者による感染拡大ルートをようやく発見できたときは,既にタイミングを失していたので爆発的感染に至ってしまったのだと押谷教授は見解を示した.そして「武漢の医療機関のレベルは高い.私でも間違っただろう」と述べた.誠実な発言だと私は感じ入ったが,その後も押谷教授の主張はブレていない.
 一方の岩田教授はどうか.冒頭に挙げた医事新報の記事の中で教授は次のように書いている.
 
臨床症状は風邪のようなもので、8割は自然に良くなってしまう。そういう意味では怖くない。が、そこが怖いところでもある。インフルエンザと異なり、症状が軽微な本感染症では、多くの人々は罹患しながら外を歩き回ってしまう。症状の軽さこそが感染の広がりの原因になってしまう。
 
 この引用文中の《症状の軽さこそが感染の広がりの原因になってしまう》こそが,岡田教授の当初からの主張であった.だからこそ,検査によって軽症の感染者を把握しなければいけないと岡田教授は言い続けてきたのである.それに対して岩田教授は「検査なんか無駄だ」と岡田教授を嘲っておきながら,今になって,まるでコピペのように岡田教授の主張を自分の意見のように書いている.唖然とはこのことだ.
 岩田教授の掌返しを挙げてみよう.
 毎日放送《『検査は間違える』感染症専門家が解説…なぜ新型コロナ「陰性」の人が「陽性」に?》(放送日時 2020/02/12 17:20) では以下のように述べている.日テレの『ミヤネ屋』では,検査は無駄だと言ったのに,このテレビ放送では「検査には限界がある」と少し主張を軟化させた.
20200309c

 また暫くして,毎日新聞《新型コロナ 神戸大・岩田健太郎教授に聞く/下 情報隠さず、封じ込め全力を》(掲載日 2020年3月6日) では岩田教授は次のように語っている.
 
《――政府や地方自治体はどういった対策を取るべきでしょうか?
 ◆新型コロナ感染検査キットのキャパがどれぐらいあり、検査がどれぐらい行われているのか、検査をしないほうが良いのなら理由を積極的に公開すべきです。(注)
 感染検査の総数とその中で何件が陽性だったのかが大切です。例えば、ある保健所で10人検査して3人が陽性だったら、検査を100件に増やさないとだめかもしれません。逆に、10人検査して一人も陽性が出ない地域であれば、そこで検査を増やす必要はありません。感染が増え始めたらそこに資源を投入するのです。つまり、保健所ごとに違う方針を取る必要がある。厚生労働省に指示を仰ぐとか、その指示に従うなどのやり方ではだめなのです。》(引用文中の文字の着色は当ブログの筆者が行った.また下の画像はこの記事のスクリーンショットである)
20200309d
 今度は,まず政府や地方自治体は《検査をしないほうが良いのなら理由を積極的に公開すべきです 》と言っているが,検査は無駄だと自分で言ったことを忘れたようだ.続いて《感染が増え始めたらそこに資源を投入するのです 》として,「感染拡大を防ぐためには検査が必要である」とする側に自分の立ち位置を変更している.このように臨機応変,状況に応じて自在に主張を変える者を,私たち日本人は昔から世渡り上手と呼んできた.
 医事新報の記事の最後を岩田教授は次のように結んでいる.
 
それでも、本稿執筆時点で中国はこの巨大な感染症危機を乗り越えようとしている。新規患者はどんどん少なくなり、生活も通常に少しずつシフトしてきているという。本感染症は封じ込め可能なことを、中国は示したのだ〔もっとも、世界保健機関(WHO)によると、3月3日時点で新規患者130例、死亡31例だから中国もまだ油断はできないのだが〕。
もちろん、日本に同じことができないわけがない》(引用文中の文字の着色は当ブログの筆者が行った)
 
 中国は共産党の独裁下にあり,医師だろうが誰だろうが国家権力の言うことに従わなければ投獄して行方不明にできる.また国民一人一人の所在と行動を監視するシステムを備えているから,国民の行動を完全に制約できる.「日本に同じことが」できるとすれば,もはや日本は民主国家ではない.日本は中国とは別の方法で,すなわち国家の独裁権力ではなく,公共の福祉の理念により国民に行動の自制を要請する (*註) ことによって,感染の拡大を食い止めなければならないと私は思う.
 
(*註)
 クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスに乗船していた静岡市在住の男が,下船後は不要不急の外出を控えるよう求められていたにもかかわらず,下船当日など二度にわたってスポーツクラブに行って浴室を使用した.しかもこの男は感染の判明後,保健所に対して,スポーツクラブを利用したことを隠して保健所を騙した.(テレビ静岡《下船日にスポーツクラブで入浴 利用者「冗談じゃない…」同時間利用者も健康観察へ 静岡市》(放送日 2020年3月1日)
 また産經新聞《感染者、セブンでのバイト隠す「副業ばれるの怖かった」山梨》(掲載日 2020年3月8日) によれば,山梨県内在住の感染者男性が,発熱している状態でコンビニに勤務したことを保健所に隠して騙した.
 またさらに,静岡県議の一人は,立場も弁えずにマスクをオークションにかけて高額の利を得た.しかも転売ではないから問題ないと主張している.
 それどころか新型コロナウイルスに感染した愛知県の男が,検査で陽性と確認された後に自宅待機を要請されたにもかかわらず「コロナウイルスをばらまく」と家族に言い残して外出し,居酒屋とカラオケパブでハシゴ酒をした.(週刊文春《「俺は陽性だ」蒲郡「コロナばらまき男」のフィリピンパブ”犯行現場”》掲載日 2020年3月8日)
 我が国は,このような哀しいまでに愚かな国民を抱えつつ新型コロナウイルス感染症と戦わねばならないのだ.


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2020年3月 8日 (日)

「せいやのエプロン」

 料理が全くできない霜降り明星・せいやが,料理の先生について学ぶという冠特番「せいやのエプロン」(テレビ朝日,3月7日放送) が面白かった.
 出演した料理家は,和風美人の藤田貴子さんと,マシンガントークキャラの祐成陽子さん.それぞれ「イワシのつみれ汁」と「ジョージア料理のシュクメルリ」をせいやに教えた.シュクメルリは松屋のメニューだ.
 お二人のうち特に藤田貴子さんのキャラが立っていた.普段は料理教室を主宰されているとかで,NHKに出演されたことがあるというが,著書はないようだ.
 この番組は,短い放送時間を,せいやのお笑いを中心に編集されていたので,料理番組としては成立していなかったが,もう少し長い放送時間の番組にして,料理方法も詳しく説明するようにしたら人気を博するんじゃなかろうか. 
 今月21日まで《せいやのエプロン 霜降り明星・せいやがスパルタ講師とスープ作りに挑戦!》で配信中.料理番組好きの爺さまにおすすめ.
 
* 関連記事《続・せいやのエプロン


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2020年3月 6日 (金)

納豆事変

 藤沢駅北口の通りにあるダイエーに,食糧調達しに行ってきた.
 災害対策の備蓄品として,私は袋ラーメン (一包装に五食入りのもの) を最低三パックは常備している.それが二パックに減ったので,買い足しに行ったのだ.ちなみに五食入り袋麺は,実店舗店頭では@三百円~三百四十円だが,通販では五百円以上もする.通販で買ってはいけない食品の代表格である.
 予定では「明星 チャルメラ」と「日清 出前一丁」を買うつもりだったが,いつもはあるのに売り切れていた.「チキンラーメン」もなかった.袋麺の棚にわずかに残っていたのは「マルチャン 正麺」と「サッポロ一番 味噌」だが,これは元々たくさん棚に置かれている大定番だからだ.
 トップバリューのラーメンはたくさん売れ残っていた.また意外なことに,カップ麺の棚は豊富に商品が並んでいた.
 テレビ報道によれば,スーパーで即席麺が飛ぶように売れているのは,学校が休校になったからだろうという.冷凍食品も同様に売れ行き好調で,ラーメンと冷凍食品が売れているのは,家で留守番している子供が簡単に食べられるようにとの理由からだろうとされる.
 カップ麺は棚にギッシリと並んでいたが,これはたぶん,袋麺とカップ麺の生産量の違いによる.生産量は圧倒的にカップ麺が多い.従って今回のような突発的な需要に対して,生産能力が元々小さい袋麺は瞬発的な対応ができないのだろうと考えられる.
 
 異様なのは,納豆の棚だった.ナショナル・ブランドの商品は完全に売り切れて,一つもなかった.しかしトップバリュー納豆は全く売れていなかった.
 私たち消費者大衆はテレビのおかげで「納豆は免疫力をアップする」という神話を頭に刷り込まれているわけだが,これほどとは.w
 だが消費者の下した判断は,トップバリューの納豆は免疫力を高めないということである.ww
 最新の女性セブン (2020年3月5日号) に掲載の《ウイルスから身を守る!免疫力を高める最強食品BEST10》に,「免疫力を高める食品」ランキングの第二位に納豆があげられている.この「このウイルスから身を守る」はもちろん新型コロナウイルスを想定したものに違いないが,記事中に直接「新型コロナ」と書くクソ度胸はないらしく,控えめに単にウイルスとしている.で,そこから下に引用する.
 
【2位】納豆/16点
 納豆が2位に入ったのも、腸内で善玉菌として働く納豆菌が大きな理由だ。納豆は食物繊維も豊富なので、ダブルで効果があるという。
「納豆菌は、腸の上皮細胞(腸管バリア細胞)を活性化させることがわかっています。また、納豆に含まれる多糖の一種レバンと、ネバネバの成分であるポリグルタミン酸も、免疫機能を調整してくれる。タレを入れる前にしっかり練って、ポリグルタミン酸を増やすのがオススメです」(管理栄養士の望月理恵子さん)
 さらには、納豆菌によって生成される抗菌物質ジピコリン酸がウイルスを防ぐなど、納豆にはさまざまな効能がある。
「先にタレや、カラシを入れてからかき混ぜてしまうと、ポリグルタミン酸が水分と吸着してしまうので、まずかき混ぜて」(望月さん)
 
 管理栄養士は,栄養士養成課程のある大学,短期大学,専門学校における所定の専門課程を修得したのちに管理栄養士国家試験に合格し,厚生労働大臣の免許を受ければ資格を得ることができる.ハードルの低い国家資格の代表格である.ハードルが低すぎるから,脚力のある人もない人も一緒くたになってしまって,上に引用した記事に登場する望月理恵子さん (ゴミのような著書多数) みたいに世の中を舐めきった人が出てきちゃうのである.
 彼女の無知と勉強嫌いを完膚無きまでに叩くにはしのびないから,《ネバネバの成分であるポリグルタミン酸も、免疫機能を調整してくれる 》について,国立健康・栄養研究所の《「健康食品」の安全性・有効性情報》に掲載されているポリグルタミン酸のデータを下に示してそれに代える.
 
20200306b
 
 要するにポリグルタミン酸は,有効性のエビデンスどころか,その性質 (生物活性) については,カルシウム吸収率以外に,評価が行われた文献自体がないのである.すごいなー理恵子さん.火のないところに煙を立てるとはいい度胸だ.
 もう一つ.《タレを入れる前にしっかり練って、ポリグルタミン酸を増やすのがオススメです 》と理恵子さんは言うが,納豆を箸でかき回してもポリグルタミン酸は増えない.これは母校の東京家政学院では勉強しなかったのかな?
 さらにもう一つ.《納豆菌によって生成される抗菌物質ジピコリン酸がウイルスを防ぐ 》もエビデンスはない.
 ついでに言うが,納豆をしっかり練ろうが練るまいが大きなお世話である.管理栄養士に指図される筋合いはない.w
 
 それにしても,トップバリュー商品の不人気には驚いた.女性セブンを読んでダイエーやイオンに押しかけ,納豆を買い占める女性たちは,おかめ納豆とかのブランド品に対する信仰があるのだろう.もしかしたら「トップバリュー めんえき納豆」を開発したら不人気を克服できるかも知れぬと思ったことである.あ,そうだ,パッケージに理恵子さんの写真を載せるのもいいかも知れぬなあ.

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2020年3月 5日 (木)

隠蔽

 昔のデマ (Demagogie) は,都市伝説と兄弟みたいなものであり,デマの出所が明らかになることは多くなかった.それは主にクチコミで伝えられたために,伝播経路を追跡することが困難だったからである.
 ところが最近は少し事情が変わってきたようだ.デマの伝播がネット,とりわけSNSを通じて拡散するようになったからだと思われる.
 今も治まらないトイレットペーパー買い占め騒動だが,その発端となったデマの出所が明らかになった.米子医療生活協同組合の一人の職員がSNSで発信した嘘が最初であるとネットで追跡され,名前も顔写真も晒されたため,遂に同医療生協は理事長名による謝罪告知に追い込まれたわけである.
 ま,その馬鹿者のことは若い連中に追跡させておくとして,興味深いのはその謝罪告知文である.
 同組合のサイトのトップページを見ると,
 
20200305b
 
となっていて,(http://) www.ymc-net.or.jp/ というURLにたった一つのファイルが掲載されているだけである.(上の画像はトップページのスクリーンショットである)
 これを見て私は「古くさい手を使うなあ」と呆れつつ,狡猾さに感心した.
 
 昔の話だが,まだ日本の企業に「コンプライアンス」という思想が微塵もない時代があった.企業経営者は,利益を得るためにはいかなる悪事をも働くに躊躇しなかった.法令違反は日常茶飯事であり,法違反を消費者に知られることこそが「悪」であると考えられていた.
 そんな時代が終わりを告げたきっかけになった一つの事件があった.雪印集団食中毒事件 (2000年に発生) である.この事件は,そもそもの発端が,下級管理職による品質事故の隠蔽だったのであるが,事件が明るみにでたあと,食中毒の原因究明にあたった保健所や警察当局に対して会社ぐるみの隠蔽工作が行われ,これが国民の怒りを買った.Wikipedia【雪印集団食中毒事件】は次のように記している.
 
1997年の山一證券・北海道拓殖銀行・日本長期信用銀行の倒産ともあわせ、第二次世界大戦後のバブル経済まで絶対的に信奉されてきた「一流企業」ブランドに対する信頼は崩れ落ち、高度経済成長期以来の価値観の転換を象徴する事件となった
 
 中でも国民の怒りは食品産業界に向けられ,メディアも食品企業の不正に厳しい目を向けるようになった.同Wikipedia項目から引用する.
 
影響は雪印だけに留まらなかった。他の乳業メーカーへ注文が殺到したために、乳業各社で生産・配送が受注に追いつかなくなった。また、乳業以外の食品メーカーでも衛生管理をめぐる不祥事が明るみに出たり、パンやトマトジュースなどをはじめとした食品への異物(蝿や蛙など)が混入する騒ぎなど、食品業界全体の食の安全に大きな影響を与えた。》
 
 食品衛生法等「食の安全と適法性の担保」に係る諸法違反は,従前は隠蔽するのが普通であったが,隠蔽が発覚した時には企業の存続に影響を及ぼしかねないとの認識が広まり,雪印事件のあと暫くの間,毎日毎日,全国紙社会面の下四分の一が製品回収告知や謝罪広告で埋められるという事態が続いた.
 ちょうどこの時期,地方の事業所に左遷されていた私は本社の品質保証部門に呼び戻され,それ以後,会社のコンプライアンスに関わる仕事に就いた.
 その当時,会社が品質事故を起こして製品を市場から回収しなければいけない事態になったとき,従来は新聞に製品回収の社告を載せるようにとの指示が保健所からなされた.しかし次第に,零細な会社を除けばほとんどの企業が公式サイトを開設するようになった関係で,公式サイトにも社告を載せることとされた.
 その場合は,トップページに,例えば『不祥事のご報告とお詫び』という社告のタイトルを書き,それをクリックするとリンク先の「お詫び」本文に飛ぶ,という具合にするのが普通だった.しかし一部に,そのようにしない会社が散見された.それは何故か.
 
 社告を掲載するとメディアや一般人が殺到して閲覧する.大企業は自社の公式サイトの運営には社内専任者を置くと共に,更新とメンテは外部の専門業者に委託していることが多い.しかし普段は誰も公式サイトを閲覧しに来ないような無名の会社では,そもそも経営者が自社のホームページに無関心なこともあり,運営を業者に丸投げしていることが普通だ.
 そのため,いざ厄介事が起きて社告や謝罪文を自社の公式サイトに掲載せねばならぬ段になって,よくよく点検してみたらボロボロだったということが起きる.
 企業や団体の公式サイトというのは,ある程度決まったスタイルというものがある.トップページにはその「企業・団体の基本情報」へのリンクを置く.「基本情報」とは,組織の理念,役員 (団体なら理事など) の一覧,有価証券報告書 (団体なら事業活動報告書など),環境保全の取り組みなどの社会的責任に関すること等々である.その他に任意のコンテンツへのリンクと,更新状況を示す「新着情報」を掲載する.これが定式化されたスタイルだ.
 ネット上での情報公開を業者に丸投げしているような企業・団体の公式サイトは,これらのコンテンツの中にコンプライアンス的な問題を孕んでいることがある.それが,例えば『不祥事のご報告とお詫び』を掲載したがために明るみに出てしまった例が,昔はいくつもあった.このブログでも,食中毒事件を起こした会社の実例を紹介したことがある.(養鶏業者だったが,コンテンツに食品衛生法違反の事案を載せていた)
 そういう事態を回避するために考案されたのが,トップページに例えば『不祥事のご報告とお詫び』だけを掲載し,通常時のコンテンツにアクセスできないようにしてしまう方法だ.上に挙げた米子医療生活協同組合と同じスタイルである.
 これは実際には公式サイトを閉鎖したということであるが,いつまでもそのままではいられない.不祥事が世間から忘れられた頃合いを見計らってサイトを再開するわけだが,それまでに問題のある部分を修正するのだ.
 この手口は昔,よく行われた.この記事の初めのあたりに《これを見て私は「古くさい手を使うなあ」と呆れつつ,狡猾さに感心した 》と書いたのは,そういうことである.
 国民には企業や団体について「知る権利」がある.それに逆行する「公式サイトの閉鎖」は,「何を隠したかったのだろう」という疑念を招くのである.
 
[追記1]
 米子医療生活協同組合の謝罪広告を下に引用する.
 
関係各位
 職員の不祥事のご報告とお詫び

 平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 このたび、「新型コロナウィルスにかかわりトイレットペーパーが品薄になる」旨の事実とは異なる誤った情報のSNSへの投稿者の1人が、当組合の事業所に勤務する職員であることが判明しました。
 当組合の職員の極めて不適切な行為により多くの皆様方にご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。
 当該職員には当組合の規定に照らして厳正な対応を検討いたします。
 今後は全職員が社会人としての行動規範を自覚するとともに信頼回復に向けて全力で取り組んで参りますので、引き続きご指導・ご鞭撻の程賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
 2020年3月3日
 米子医療生活協同組合
 理事長 梶野大
 
 題が《職員の不祥事のご報告とお詫び》となっているが,「不祥事」は,Wikipedia【不祥事】によれば《一定の社会的な地位を持つ個人または団体などが起こした、社会的な信頼を失わせるような出来事 》をいう.無名の個人がやらかしたことを「不祥事」とはいわない.不始末,でいい.
 また,《厳正な対応を検討いたします 》として,「厳正な処分をする」はもちろん「厳正な対応をする」とも書いていない.「検討する」だけである.つまり「対応を検討はするが,何らかの対応をしないかも知れない」というわけだ.随分と腰が引けているが,何か不都合でもあるのか.ま,公式サイトを閉鎖してしまうくらいだから,そういう組織なんだろう.
 
[追記2]
 東洋経済ONLINEに木村隆志という人が《コロナで我を失う愚か者たちのバカすぎる行動 買い占め、デマ、差別、便乗…モラル崩壊の唖然》(掲載日 2020年3月7日) を書いている.その一部を下に引用する.
20200307c
 木村氏は,米子医療生活協同組合が,謝罪広告を出すと同時に公式サイトを閉鎖してしまうという《バカすぎる行動 》に出たことを全く批判していない.ウェブのコンテンツを漫然と見ていると,こういうお気楽なことを書いてしまう.


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2020年3月 4日 (水)

なんちゃって赤飯

 テレビでもネットニュースでも,連日「トイレットペーパーがなくなるというのはデマです」と報道し続けているのに,それでもなお愚かな消費者大衆は,トイペとティッシュの買い占めをやめようとしない.昨日のテレビでも,スーパーに押し掛ける人々の映像を流していた.
 シャワートイレがかなり普及しているから,トイペの消費量は昔よりも減っているはずだ.しかるに昔の石油ショックのときも今回の新型コロナウイルス騒動のときも,庶民大衆がまず最初に買い集めに走るのがトイペであるのは何故だ.「君はそんなに尻を拭くのが好きなのか,洗うよりも紙で拭くのが快感なのか」と買い占めする人たち私は問いたい.あ,もしも快感だったらすまん.
 話が少し横道に逸れる.私は普通のやりかたで尻の穴をシャワー洗いしているが,知人の一人は,水流の強さ調節をマックスにして,肛門の中まで洗うのが快感だと言っている.肛門に照準を合わせて最強に水を噴射すると,S字結腸の中が温水で満たされる.そこでイキむと肛門から逆噴射されるので,これを数度繰り返すらしい.逆噴射すると身も心も清潔感に満たされて,恍惚の境地に至るという.病膏肓に入るというが,彼はこれが病みつきになってしまって,なんだかもうソッチ方面に目覚めたような気がするとも言っている.恍惚ってあたりがやばい.
 
 私が直接スーパーの店頭を目視確認したわけではないから本当かどうか知らぬが,テレビ報道では,米や納豆まで備蓄に走っている者がいるという.テレビに登場したある家庭では,冷蔵庫の扉を開けるとギッシリと納豆が詰め込んであった.その家庭の奥さんは「ウチは家族が多いから……」と言い訳していたが,健康にはいいだろうから御同慶の至りである.
 普段はパンばかり食べているくせに,こういう時に限って米を備蓄する気持ちは,わからぬでもない.非常食としての米は信頼感が抜群だ.パン (乾パンとか缶詰のパンは除く) ではそうはいかない.
 玄米の備蓄を勧める人がいるが,私はそこまではしない.一袋二キロ入りの白米を買ってきて,これを二合ずつジップロックに小分けして,冷蔵庫の野菜室に保蔵している.今は新潟県産コシヒカリ (無洗米) と,山形県産つや姫が冷蔵庫に入っているが,特に銘柄にこだわりはなくて,福島県産米のこともある.
 うちは国産米の他にイタリア産米とタイ米も常備しているが,この二つは常温保蔵している.タイ米についてはよくわからないのだが,イタリア産米は新米はよくないとかいう.というか,イタリア人はわざわざ古米を買い求めて料理 (リゾットなど) にするとネット上の記事に書いている人がいるので,それに倣っている.これは,イタリア料理では米はできるだけ古くして,つまりデンプンを老化させて,炊飯後のネバネバを減少させるとよいという意味かと思われる.その伝でいくと,パエリアあたりもスペイン産の古米で作るのがいいかも知れないが,そこまでするのはやりすぎなので,私はイタリア産米で代用してパエリアを作っている.
 
 さて国産の無洗米と,普通に精米した白米を両方冷蔵庫に入れてあるのは,使い分けしているからだ.
 最近の炊飯器のことは知らぬが,私のうちのやつは三十年以上前の製品で,購入した当初からこの炊飯器は,糯米百パーセントで炊くと,あまりおいしくない.その炊飯器の特性なのかどうか,粳米と糯米をまぜて炊くと,むしろ糯米百パーセントよりも出来がいいのである.
 余談だが糯米はやはり,蒸しておこわにするのがおいしい.炊飯器で炊いたのはイマイチだ.デパ地下で売っているおこわと,自分ちの炊飯器で炊いたナンチャッテおこわを比較すると歴然だ.
 鍋や釜で炊くと必然的にその中で対流が起きるわけだが,蒸す場合は対流が起きない.また米は,炊飯よりも蒸す方法が水分の過剰になりにくいと考えられ,そのことがおこわのネバリと弾力に影響しているのだろう.これについては誰かが論文を書いていそうだが,まだ調べたことはない.
 
 話を元に戻す.というわけで私はおこわを作るときは糯米と粳米を混ぜて炊飯器で炊く.真正のおこわではないナンチャッテおこわ,である.
 この糯米は近くのスーパーで売っている一キロ包装のものだが,このスーパーには無洗米の糯米はないのである.従ってこれと合わせる粳米は無洗米でないほうがいいということになる.(水加減の関係で)
 普段は無洗米が圧倒的に便利なので無洗米を使っているが,ナンチャッテおこわの場合は普通に精米した白米が使いやすいのでこれを用いる.冷蔵庫に二種類の粳米をしまい込んでいるのは,そういう理由である.
 
 で,私の好物のひとつは赤飯だ.いつもはデパートで買っているが,今朝はナンチャッテ赤飯を炊いてみた.世の中には便利な製品がたくさんあるが,レトルトパウチのグリコの「お赤飯の素」もその一つ.洗った米と「お赤飯の素」を混ぜて炊飯すればいいというお手軽さ.
 パッケージ裏面には「粳米三合」「粳米二合と糯米一合を混ぜて」「糯米三合」の三通りの作り方が書いてある.私は上記の理由で,粳米と糯米を混ぜて炊いた.
 
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 上の写真は,見映えをよくするために小豆を多めに盛りつけた.指定の分量 (米三合) で作ると,小豆が少しさみしいから,「お赤飯の素」一袋で米二合を炊くのがいいかも知れない.
 できあがりは,糯米だけを蒸して作った真・赤飯には遠く及ばぬ風味と食感 (弾力) だが,ナンチャッテ赤飯でも,赤飯の雰囲気は味わえる.それで,私はこのグリコのレトルト製品をいつも切らさぬようにストックしている.
 ついでだが,S&Bの「黒ごましお」も便利.赤飯好きにとっては必需品だ.なんなら炊き立ての白飯に,ごま塩だけかけて食うのもうまい.包装米飯と「黒ごましお」の組み合わせは,おかずなしで食が進む.災害時の備蓄品として優秀だと私は思う.デマに弱い人たちは,納豆なんか買い占めていないで,「黒ごましお」をどうぞ.


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2020年3月 3日 (火)

対ウイルス企業存続計画

 朝日新聞DIGITALに《3閣僚、杉田水脈氏パーティー出席認める 自粛要請の夜》(掲載日 2020/03/02 16:25) が載っている.
 いかにも蓮舫氏らしい重箱の隅的質問だと思った.せっかくの予算委員会なのに,時間の無駄遣いだなあ.「出席していました」でオワリではないか.
 新型コロナウイルスへの対応に関する集中審議をすると決めた予算委員会において,別の件を質問した挙句に退席する議員よりはマシだが.
 
「小中高臨時休校」という総理大臣の賭けが唐突過ぎるとの批判がある.単に国民に呼びかけるだけでなく,休校の実行に必要な施策とパッケージにしなければ混乱を招くというのである.
 与党有力者までもが首相決断に疑問を呈するくらいで,なるほどこの件の唐突感は否めないが,これ以上に,唐突な思いつきでは大混乱となる案件がある.
 北海道,東京,神奈川,愛知など感染爆発が危ぶまれる地域で,実際に感染爆発が起きたときに,人の移動と物流に封鎖の網をかけるか否かである.
 四方八方に道路網が延びる東京の封鎖は不可能と思われるが,神奈川なら河川にかかる橋の地点で,人と物の流出を封鎖することは可能だろう.
 仮にそのような事態を想定するに,パニックに陥った国民を押しとどめ,封鎖の実行に当る警察は充分な対ウイルス感染防護装備を準備しているかどうか等を事前に野党は,予算委員会の場で政府に確認しておかねばならぬのではないか.
 
 上記の政治レベルのこととは別に,新型コロナウイルス感染の拡大に対処するために汚染地域が封鎖された場合,各企業が備えるべき「緊急時企業存続計画 (BCP)」はどうか.(Wikipedia【事業継続計画】)
 私は会社員時代に,そこそこの規模の本社在京企業に勤務していた.そして二十年近く前に,その会社の「緊急時企業存続計画」の策定に関与した経験がある.その経験だが,私自身は計画策定時に,災厄として病原体感染の流行は全く想定していなかった.たぶんほとんどの在京企業が,首都直下地震を想定して計画を作っているのではないか.(実際には中小零細な会社にはそもそもそのような計画自体がないであろうが,それはそれで身軽だと言えなくもない)
 しかし明かに対震災の計画では役に立たぬから,数人の突貫プロジェクトで計画を再構築するとして,策定にどのくらいの日数が必要か.
 四日前に「この一,二週間が瀬戸際」と政府が言明したからには,万が一の,感染が爆発的に拡大するという事態の発生まで,今日現在ではもはや二週間の猶予もないことになる.当該地域の現役の会社員諸君,従業員の生命と会社の存続を賭けた正念場がすぐそこにある.

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2020年3月 2日 (月)

君にとっては他人事だから

 慶應義塾大学の岸博幸教授が DIAMOND online に《政府の新型コロナ対策が信用できない背景に見える「人災」》を寄稿している.
 その中に下に示す箇所がある.
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 岸教授は,肩書こそ教授であるが,テレビに出演して何事かしゃべっているのを視聴する限りはテレビタレントである.見識ある学者ではない.
 なぜなら学者というものは,専門外のことについての発言は極めて慎重になるのが常だからである.我が国には生命科学分野において世界的にトップレベルの学者がたくさんいらっしゃるが,そのレベルの学者諸先生が新型コロナウイルスについて軽々に語るのを私たちは目にしていない.これは当たり前だ.素晴らしい学者であればあるほど,慎重であることを私たちは知っている.
 明石家さんまが司会するテレビ番組で軽佻浮薄としか言いようのない馬鹿話をしている武田邦彦 (例えば武田の説「凶悪なウイルスはバナナが採れる緯度帯で発生する」は,バナナを食べると新型コロナウイルスに感染するというデマの変奏曲だ) を一流の学者だと評価する人はいない.同じ番組に出ている池田清彦も専門外のことをしゃべりまくり過ぎだ (Wikipedia【池田清彦】の「主張と批判」を参照).
 話を元に戻す.岸教授の場合であれば,例えば「経営戦略論」などというテーマであれば傾聴に値するであろうが,自然科学の知識は一般人レベルあるいはそれ以下としか見えない.
 上に示した DIAMOND online の記事中で岸教授は,

それにもかかわらず、厚労省の毎日の記者発表の様子を見ていると、事務方ばかりが出席・説明していて、感染症の専門家が同席し、科学的な見地も含めて国民の疑念に丁寧に応えているようにはとても見えません
 
と科学的な問題に関して「事務方」が主導している現状を批判しておきながら,元はと言えば経産省の事務方であった岸教授は「自分にはウイルスに関する科学知識はないが,しかしウイルスについての発言が許される.私は特別なのだ」という根拠のない思い上がり故に,次のようなことを書いてしまう.
 
たとえば私は、重症化率や致死率を見る限り、コロナウイルスは通常のインフルエンザの延長であり、もともと日本で年間3000人がインフルエンザで死んでいる事実も考えると、コロナウイルスをそこまで深刻に捉える必要はないと思っています。しかし、逆に深刻に捉えている人もかなりたくさんいると思います。
 
 岸教授は目下の問題である新型コロナウイルスを「コロナウイルス」と書いているが,もうほんとに無知なので開いた口が塞がらぬ.SARSもMERSも,それぞれ病原体はコロナウイルス (SARS-CoVMERS-CoV) だと言ったら驚いて腰を抜かすのではないか.このように全く知識のない事柄について堂々と発言する岸教授の度胸に私は恐れ入る.おまけに《コロナウイルスは通常のインフルエンザの延長であり 》は日本語の態をなしていない.仮に「コロナウイルス感染の症状はインフルエンザの症状の延長にある」とすれば,内容的に間違いではあるが文章としては成立する.ウイルスという「物体」がインフルエンザという「現象」の延長であるわけがないではないか.論理として,物体は現象の延長にはなりえないのである.こういう出鱈目な文章を書く慶應義塾大学教授とは一体何者であるか.慶應義塾大学の知的レベルは絶望的だ.
 ま,無知であることは今からでも勉強すれば克服できるのだから,それは横に置こう.
 救いがたいのは,岸教授の思考力のなさ,想像力の欠如である.それは《もともと日本で年間3000人がインフルエンザで死んでいる事実も考えると、コロナウイルス (当ブログの筆者による註;正しくは新型コロナウイルス) をそこまで深刻に捉える必要はないと思っています 》に示されている.この《深刻に捉える必要はない》については,後述する.
 先月の二十日までに中国で感染が確認された5,5924人について,WHOが発表したデータによれば,全体の致死率は3.8%であるが,致死率は高齢になるほど高くなり,八十歳を超えた感染者の致死率は21.9%と五人に一人という高率になる.(NHK NEWS WEB《WHO調査報告書 症状の特徴・致死率など詳しい分析明らかに》(掲載日 2020年2月29日 22時55分))
 わかりやすく言い換える.ここに新型コロナウイルスによる肺炎を発症した八十代の重症者が五人いるとする.岸教授はこの五人に向かって「この中の一人しか死なないのですから,大したことはありません.深刻に捉える必要はありません」と言うのである.何という鈍感さ,人間というものを数字でしか想像できない人間的感性の欠如.
 
 ここでNHKスペシャル《感染はどこまで拡(ひろ)がるのか ~緊急報告 新型ウイルス肺炎~》(放送日 2020年2月9日) から,東北大学大学院の押谷仁教授が,言葉を選んで慎重に発言されたことを文字に起こして引用する.

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(下記の発言の際の押谷教授;テレビ画面を撮影した画像)
 
司会者《国内の感染者の症状は比較的軽症で,必要以上に深刻に捉えなくてもよいという指摘もありましたけれども,押谷さんはどんな風に御覧になっていますか.
押谷《私はちょっと違うんじゃないかと思っています.実際に軽症者が多い,症状の出ない,非常に軽い症状で済む人が多いのは事実だと思います.ただし,一部に,確実に重症化する人がいて,重症化している人の病態を見るとですね,もうほんとにSARSと全く同じような病態なので,日本でもこれから感染者が増えてくるとですね,当然,重症化して一部には亡くなる人たちも出て来る.そういうことは予想されるので,決して侮ってはいけない感染症だという風に私は思っています.どうしても数が増えていくと,そうした重症化して亡くなる人が出て来る可能性がありますし,今我々が考えなきゃいけないことはですね,いかにしてそういう亡くなる人たちの数を減らしていくのか,救える命をどうやったら救えるのか.今,感染の連鎖は見えていないですが,突然見える可能性があります.もう既に進んでいて,それが突然見える可能性があるので,その時,医療現場は混乱してですね,救える命を救えなくなる,そういうことが起こらないようにするにはどうしたらいいか.仮に致死率が低くてもですね,亡くなった人にとっては,この病気の致死率は0.1%だといってもですね,何の慰めにもならない.Dr.テドロス,WHO事務局長が,緊急事態宣言をした時に,死者の数が増えていくことに対して,これは一人一人の命なんだと,数なんじゃないんだと.我々も,数ではなくて,毎日武漢を中心に多くの人たちが亡くなっていく,これを数として見るのではなくてですね,実際に多くの人が亡くなっているという事実を直視して,日本でも感染が拡大していくと亡くなる人が起こるということは想定外のことではなくて,充分に想定できることなので,そのための対策をするということが必要なんだといえます.
 
 司会者の発言《必要以上に深刻に捉えなくてもよいという指摘》こそは,岸教授を始めとする医学とは無縁の人たちが,武漢での感染が拡大しつつあった頃から,したり顔に主張してきたことであった.
 しかしこれに医学者である押谷教授は真っ向から反論した.医療従事者の目の前で今まさに死なんとしている人の命を,死者数や致死率で捉えてはいけないと押谷先生は言明したのである.
 救える命を救うということ.すなわち医学の根底にあるのはヒューマニズムであると,この番組を観た視聴者は確信したに違いない.そのことに私は強く感銘を受けた.
 再度言う.岸教授の《たとえば私は、重症化率や致死率を見る限り、コロナウイルスは通常のインフルエンザの延長であり、もともと日本で年間3000人がインフルエンザで死んでいる事実も考えると、コロナウイルスをそこまで深刻に捉える必要はないと思っています》は,人の死を我がこととして受け止めぬ非人間的な言説以外の何物でもない.岸教授にとっては,新型コロナウイルス禍で亡くなっていく人たちの無念の死は他人事にすぎぬのである.
 
[参考資料]
新型コロナウイルスに我々はどう対峙すべきなのか (押谷仁教授メッセージ)
2020年2月4日
医学系研究科 微生物学分野
押谷 仁 教授


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2020年3月 1日 (日)

元も子もない

 報道によれば,習近平の来日が延期の方向だという.
 振り返ってみれば,米国をはじめとする世界各国は,中国全土からの人間に移動制限をかけた.しかし日本が,あくまでも湖北省からの移動に限定し続けたのは,事を荒立てるな,という習近平の恫喝に屈したからであった.移動制限を中国全土に設定すれば,習近平も移動制限がかかることになるからだ.日本国民の安全よりも習近平来日を優先した安倍内閣は,元も子もなくしたことになる.
 
 これまた報道 (読売新聞他) によれば,その中国のメディア (中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報,25日) が日韓を名指しして,世界にコロナウイルス感染を拡大している国であるとの非難を始めたという.
 新型コロナウイルスを世界に輸出したおまえが言うな,である.
 中国科学院などが発表した論文は,新型コロナウイルスは湖北省武漢の海鮮市場が発生源ではなく,外部から持ち込まれたものであるとの認識を示している.(産經新聞《深まる謎:新型肺炎、最初の発生源はどこ? 「海鮮市場ではない」中国政府系機関が分析》他)
 いずれ,COVID-19は中国起源ではないということになるのだろう.

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草の根転売ヤー

 昨日の昼頃,藤沢市にある某コンビニに立ち寄り,棚からパンなどを取ってかごに入れ,レジの列に並んだ.
 ところが列は短いのに全く前に進まない.ヘンだなと思ってレジの前を見ると,若い男女二人がカウンターに薄手の宅配便専用箱をたくさん積み上げて,伝票を書いていた.宅配便配送の申し込み手続きをしていたのである.
 以下は,私のすぐ前に並んで,同様にその光景を見ていた若い男二人の会話.
 
「なにやってんだ,あいつ」
「メルカリだよ,メルカリ」
「ああ,……死ねばいいのに」
 
 なるほど.あの箱の中身は小分けしたマスクなんだろう.あれが転売ヤーか.初めてその実際を見たが,風体はごく普通の若い連中だった.組織的な転売団ではなく,こういう草の根みたいなのが今,日本中で汚いアブク銭稼ぎにいそしんでいるのだなあ.
 
[追記]
 こういうコソ泥も.(朝日新聞《病院からマスクを持ち帰り転売 岩手県立病院の臨時職員》(掲載日 2020/02/29 17:26))
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 朝日は「転売」と書いているが,これは言葉の意味を知らぬ阿呆.よくそれで出版で飯を食っているなと呆れて言葉もない.
 すなわち転売は「買った物をそのまま売」って利を得ることをいい,ダフ屋行為を除き犯罪ではない.しかし,この四十女の行為は,刑法第39章「盗品等に関する罪」に規定されている歴とした犯罪である.
 四十代といえば,私の子供たちと同世代である.人の弱みに付け込んで,小銭を稼げとおまえの親は教えたか.恥を知るがよい.

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