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2020年2月29日 (土)

神の不在

 今朝の報道によれば,トイレットペーパーや生理用品が品薄になるというデマが熊本県内に拡散し,買い占めが発生しているという.
 毎日新聞などの報道は,それについて「デマだ」と明言したにもかかわらず,今日の午後には私のうちの近所のスーパー (神奈川県藤沢市) にも人々が殺到した.現在,店頭からトイレットペーパーもティッシュペーパーも姿を消している.
 そしてフリマではそれらの高騰が始まった.
 
 あまりにもわかりやすい既視感なので,不謹慎だが笑ってしまう.
 石油ショックの時も,そうだったなあ.(Wikipedia【トイレットペーパー騒動】)
 人々が狂ったようにトイレットペーパーを買い集め始めた時,「それはデマだ」とメディアが報道すると「本当にデマだったら,わざわざデマだとニュースが強調するわけがないじゃないか」という,もうわけのわかんない理屈で人々は店に殺到したのだった.
 あの時は狂瀾が収束するのに半年を要した.今度はどれくらいだろう.
 確かなのは,日本人はトイレットペーパーに信仰に近いものを持っているということだ.紙がないことは神の不在 (ジャン=ポール・サルトル) を意味する.尻を拭けなくなるのは,悪魔の所業なのである.畏れよ,ハルマゲドンは近い.ヾ(--;)ワケノワカンナイコトヲ
 
 この愚かな騒動の発端は,マスクが店頭から消えたことと,転売屋のやりたい放題でマスクに狂気の沙汰の価格がつけられていることだ.
 さらには,転売屋を取り締まる気はない (註1) と政府が言明した (註2) からである.従って,マスクを潤沢に供給するか,転売屋を取り締まらない限り,消費者は次々に他の商品の買い占めに走るだろう.もはや理屈ではないのである.あの時もそうだった.そしてこれが日本人の民度なのである.
 
[註1]
「まだそこまでの事態ではない」が政府見解.
[註2]
「通販業者に出品自粛を要請する」が政府方針.命令ではなく,単なる「お願い」だから無視してもお咎めなし.(2/28)
 東日本大震災の時も,Amazonと楽天は,転売屋の跳梁に対して我関せずの方針を貫いた.これは我々の記憶に刻まれている.彼らの理屈は「転売は道義的に問題があるだけで,資本主義の下では禁止されるべき商行為ではない」だった.

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