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2020年1月12日 (日)

横浜 崎陽軒/亜利巴″巴″のランチ

 数人でランチタイムに新年会「のようなもの」をやろうという話になった.
 場所は横浜駅周辺で,店探しは私がやることになった.
 飲食代はワリカンなので,ブフェ・スタイルがよかろうと思い,ウェブを検索したところ,横浜駅のすぐ近くの崎陽軒本店地下の「亜利巴″巴″」はどうだろうかと思った.これまで私はこのレストランで食事したことがない.何事も事前調査が必要だから,昨日でかけてみた.
 
「巴″ 」は「バ」と読む.つまり店の名は「アリババ」だ.
 この店名のセンスは,昭和末期の「夜露死苦 」よりもずっと前,例えば昭和四十年代の国鉄中央線高円寺駅南口商店街裏通りのスナック・バーを想起させる.ママは推定年齢五十八,一人だけのホステスの名はアケミである.
 店の公式サイトの「店舗詳細」に↓こう書いてある.
 
[スクリーンショット]
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中近東のバザールをイメージした店内 》には中近東というよりも昭和の場末感が漂っていた.崎陽軒そのものは古い会社だが,横浜駅東口に崎陽軒本店がオープンして外食産業に参入したのは平成八年 (1996年) だから,それほど古い店ではない.つまり店の内装は最初っから昭和
レトロを意図したものと思われる.壁も調度もチープ感があるが,これは演出だろう.
 さて店の入り口を入ると,「本日はツアーの昼食会場になっております」との掲示があった.これについては店のサイトにも,下の断り書きが掲載されている.
 
[スクリーンショット]
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 しかしまだそのツアーは到着していないようで,席にはかなり余裕があった.
 実はこの日にこの店に来たのは,土日祝日はワイン飲み放題と公式サイトに書かれていたからである.新年会にもってこいだ.
 
[スクリーンショット]
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 だがしかし昨日は土曜日だったのに,テーブルに置かれたドリンクメニューには,アルコール別料金と書かれていた.《赤白ワインも飲み放題 》は羊頭狗肉というか,釣り広告であった.公式サイトの記載が更新されていないので事実とは異なってしまったのかも知れないが,たとえ結果的にであれ,公式サイトに嘘を書いてはいかんなあ.
 もうこの時点で新年会の会場にする気はなくなっていたのであるが,気を取り直して料理を取りにいった.
 その料理だが,品数が極端に少なかった.料理が並べられたテーブルは小さく,そのせいで周りを客がグルリと取り囲み,隙間がない.従って,列に並びたくても隙間がないので,どうやっても「割り込み」になってしまうのだ.
 どうしようかと思い悩んでいたら,隣に立っていた若い男の客が,女性従業員 (推定年齢四十六歳) に「どこが列の一番後ろなんすか?」と訊ねた.
 彼女は「さあ,どこなんでしょ」と答えた.
 
 しばらく待っていたら一人分の隙間ができたので,そこに潜り込んだら,すぐ後ろの女性客 (推定年齢六十三歳) に睨まれた.
 ホテルの朝食バイキング会場でも,もう少し料理の並べられているスペースはあると思う.席の数は多いのだが,料理の数が少ないことが,そもそもの問題だと私は思った.
 
 で,私が潜り込んだ列の隙間には,すぐ前にフライドポテトが置かれていたので,それを取った.下の画像のプレートの左下だ.
 ポテトフライの横には,なんだか丸いもの (白い←) があった.肉団子かと思って一つ皿に載せたら,あとでこれはタコ焼きだと判明した.店のサイトに《中華・洋食・和食にサラダ・デザートが食べ放題★》とあるが,和食とはこのタコ焼きのことだった.
 タコ焼きの隣は大きな蒸籠があって,シウマイ (緑の←) が温められていた.崎陽軒といえばシウマイだから,これは外せない.二つ取った.
 シウマイの隣はマカロニグラタン (赤い→) だった.上に載っているはずのチーズは,先客にごっそり持っていかれ,一見するとマカロニサラダのようだった.
 グラタンの次はピラフ (黄色い←) らしきもので,その隣はスープのフタ付き寸胴鍋がドーンと置かれていて,中身はクタクタに煮込んだキャベツのスープに,わずかに溶き卵が浮いていた.下の画像で,プレートの向こう側にあるカップがそれだ.クノールのスープのほうがなんぼか
 
 スープの次はサラダだが,並べられていた野菜は,レタス,キュウリ,タマネギ,トマトで,それに春雨サラダとポテトサラダが付け合わせになっていた.下の画像を見ての通り,サラダのボウルが小さすぎて,これでは喫茶店のモーニング・サービスについてくるミニサラダじゃないか.マグカップと大きさを比較してほしいと思う. 
 

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 (炭水化物ランチ)
  
 食べた感想だが,冷めたフライドポテトはたぶん業務用冷凍食品を揚げたものだ.肉団子と間違えて持ってきたタコ焼きはこれも冷凍食品を揚げたもので,揚げすぎて黒く焦げていた.中の水分は蒸発してしまったのだろう,中には空洞ができていて,フォークの背で押したらペシャリとつぶれた.タコが入っていたかどうかはよくわからなかった.
 シウマイはさすがに崎陽軒のものだから,文句はない.シウマイ界の絶対王者だ.
 次のチーズのないグラタンは冷えていて,しかも味がほとんどついていなかったが,これは何かの間違いだろうと思った.私が「グラタンの素」かなんかで作ったほうが旨いと思ったからである.

 黄色の←のピラフ的な何ものかは,すっかり冷え切っていた.私は開店してすぐに店に入ったのだが,この料理はかなり前に作り置いたものだと思われた.
 スープについては,感想を述べたくない.決して述べたくない.
 
 あんまりな料理に気落ちして,がっくりと肩を落とした私の脳内で,誰かがネバーギブアップ!と叫んだ.
 そうだ,まだ取ってきていない料理がある.それを食べてみようじゃないか.私は再び料理が並べられているスペースに行った.
 すると少し離れたところの誰も並んでいないテーブルに,「ローストビーフ」と書かれたポップがあり,二切れのローストビーフが載った皿が二枚置かれていた.
 あとは,スパゲッティ,小さくカットした魚の素揚げ,切り餅の半分くらいに四角くカットしたピザを取った.他に何だかわからない「茶色いおかず」もあったが,それは敬遠した.食べ残したらペナルティがあるらしかったからである.
 ローストビーフは,ウェルダンのステーキみたいな色をしていた.イオンの総菜売り場で販売されているローストビーフの切り落としより硬かった.
 魚の素揚げは鱈だったが,揚げすぎてパサパサになっていた.鱈は揚げすぎるとこうなっちゃうのよね.
 スパゲッティには小さな肉片のようなものとアサリが入っていた.その肉片を口に入れたら,レバーだった.私は具がレバーのスパゲッティを初めて口にした.いい経験をしたと思う.
 ピザは冷凍食品を思わせた.
 さて,まだ食べていないものがある.それはカレーだ.
 小さなボウルに白飯を少し盛り,カレーの寸胴鍋からカレー掬い取って飯にかけた.
 テレビでハウス食品のCM《プロ クオリティ<プロはソースで勝負>篇 》を見たことのある人は御存知だが,具の入っているカレーは素人クオリティなのである.プロはソースで勝負する.その点で亜利巴″巴″のシェフはプロ中のプロと思われた.具が煮溶けたのではなく,最初から具では勝負しないというコンセプトなのだと思われた.だがしかし,プロクオリティのカレーソースも,ジャーの中に保温されていた白飯も,人肌よりちょっと高い程度の温度であり,私としてはもう少し熱くして欲しかった.プロはぬるいカレーで勝負するのかも知れないが,私は素人と呼ばれてもいいと思った.
 
 残念ながら,このカレーソースのぬるいプロクオリティに完膚無きまでに打ちのめされた私には,もはやデザートに手をのばす気力が残っていなかった.伝票を取って席を立ち,ヨロヨロと歩いてレジに向かった.
 レジで「Suicaは使えますか?」と訊いたら,キャッシュレス時代なのに「使えるのはクレジットカードだけです」とのことだった.横浜駅のすぐ近くなのにSuicaが使えないとは…… SuicaはJRの駅周辺では普及していると思っていた私は驚いた.QRコード決済は言わずもがな.
 だがしかし,これは昭和レトロの演出かも知れない.上っ面だけではない,このレストランの一貫性は,もしかしたら賞賛されるべきものかも知れないと思う.
 ところで,お会計は二千四百円だった.決してお安くはない値段だが,料理は野菜サラダを除いて全品が茶色であり,お子さんに彩りもきれいなお弁当を日々工夫して作っているママさんが,亜利巴″巴″ の料理を見たら何と言うだろうと私は思った.「ボッタクリだわ!」と言 (この稿おわり)
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