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2019年12月10日 (火)

明るい歌

 私が高校生だった頃から大学時代にかけて,主に関西圏の学生たちによって,米国の音楽潮流の影響下に日本でもフォークソングという音楽ジャンルが立てられた.東京の学生たちも似たような音楽活動をしていたが,多くは「カレッジ・フォーク」とも呼ばれたポップスで,明るくて毒気のないものが多かった.カレッジ・フォークは大学祭で歌われるのが相応しく,フォークはバリケード封鎖された大学の中でよく歌われたといえば,当らずといえども遠からずである.
 そこら辺のことはWikipedia【フォークソング】の[日本のフォーク]項目をみると,次のように書かれている.《商業フォーク、産業フォークとも呼ぶのがふさわしい》とは厳しすぎるように思うが.
 
1960年代には、ロックバンド風のサウンドやスタイルがグループ・サウンズとして発展し、グループ・サウンズ (以下GS) 流行期、GSと同じステージにフォークグループが立つことが珍しくなかった。現にGSとフォーク共演のコンピレーションアルバムは何枚も出ている。日劇ウエスタンカーニバルと呼応した形で、日劇フォークカーニバルという企画もあった。1960年代後半には、岡林信康、高田渡、遠藤賢司、高石友也 中川五郎、加川良らの、反戦フォーク、プロテスト・フォークが全盛期を迎えた。また60年代後半から70年代初頭にかけてはフォーク・クルセダーズ、もとまろ、赤い鳥、ピンク・ピクルス、ウィッシュ、五つの赤い風船らも話題曲を発表した。
日本におけるフォークの呼称には様々なものがある(フォークシンガー参照)。1970年代前半にはレコード会社が、フォークの売り上げが大きくなるとの予測を立てた。レコード会社が積極的に売り出したのは、売れ線のヒットねらいのフォークだった。これらのフォークの特徴は、大衆に媚びた内容、非メッセージ性、フォーク・アイドルとしての売り込みなどである。商業フォーク、産業フォークとも呼ぶのがふさわしい内容で、これらはヒットを記録することにより音楽産業に取り込まれていった。産業ロックや、ニューミュージックの一部と同様で、売り上げの最大化を目指したものも多い。

 
 昨日,そんな時代の音楽をYouTubeで漁っていたら,《"はしだのりひこ"に元メンバー北山修が最後に贈った言葉に涙が止まらない【元クルセダーズ】》を見つけた.
 このファイルは,出来が悪いことと,コメントを読むと無断転用だと書いてあって,問題含みのようだ.
 しかしそれはともかく,「あ,これだったのか」と私は思った.
「これ」とは,Wikipedia【はしだのりひこ】にあるライブのことである.
 
2017年4月23日、KBS京都開局65周年企画「京都フォーク・デイズ ライブ~きたやまおさむ~と京都フォークの世界」にゲスト出演、約10年ぶりに表舞台に姿を現し、車椅子姿で10年ほど前から「パーキンソン病」を患っていたことを公表した。このKBS京都のライブの後に京都市内の病院に入院したため、これが公の場に姿を見せた最後の場となった。
 
 この引用文中の「KBS京都のライブ」とは,上に挙げた《"はしだのりひこ"に元メンバー北山修が……》の音源である.このライブの半年余後に,はしだのりひこ 逝去.享年七十二.
 この音源を聞いた限りでは,北山修も はしだのりひこ も,一昨年にはほとんど声が出なくなっていたようだ.彼らよりも少し若い私自身も最近,声がかすれて高い声が出ない.
 歌が歌えないというのはちょっとさみしい.仕事をしている頃は,若い人たちと時々カラオケに行ったりしたが,この五年ほどカラオケに無縁だ.もしかすると,歌って声を出さないと声帯が硬くなるのだろうか.あるいはあちこちの皮膚と同じく老人性乾燥のために声帯が柔らかく振動しなくなっているのかも知れない.のどが角質化してたらどうしよう.足の踵かよ.
 トレーニングするといいかも.そこで老爺も一人カラオケなるものをしてみんとて,駅の近くのカラオケ屋をネットで調べてみた.
 すると,それらの店のサイトからは,なんとなく一人カラオケを歓迎しないという雰囲気が感じられたのである.そりゃそうだよね.利益にならないもの.
 さらに相談掲示板を読んだところ,《まずは、1人で入っても馬鹿にしないような、接客態度の良いカラオケ屋を探してみましょう 》とあった.ビッグエコーがおすすめ,とも.なるほどね.少しハードルが高そうだけれど,一人カラオケで はしだのりひこ を歌いまくってみようかと思う.
 
 ところで,上に「明るくて毒気のない」と書いたが,はしだのりひこ の作った歌も毒気がなかった.でも私はそういう曲が今でも好きだ.
 一番気に入っているのは『嫁ぐ日』で,ネット上には《嫁ぐ日 はしだのりひことエンドレス-2018》ほか,いくつもアップされている.CDは今でも通販で入手可能.おすすめは『はしだのりひことエンドレスVol.1+5 』(ユニバーサル ミュージック) だ.
 その「エンドレス」のボーカルだった林竹洋子さん,今もお元気なんだろうか.
 
[追記]
 調べたら,林竹(旧姓)洋子さんはご健在で,ライブでご活躍であった.
 林竹さんの歌唱は『嫁ぐ日』の他に『時は魔法遣い (結婚賛歌)』『星と虹と』がYouTubeにある.この三曲に加えて,CDには『霜の音』『生きているのに』『明日の色は』が収録されている.

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