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2019年12月12日 (木)

みをつくし料理帖

 NHKを観ていたら近々放送の『みをつくし料理帖スペシャル』の番宣をやっていた.これは以前放送された時代劇,『みをつくし料理帖』の続編らしい.
 時代劇といえば,私は,大河ドラマを昭和四十年頃までは観た記憶がある.
 第一作の『花の生涯』は,物語の終わりを少し観た.
 第二作の長谷川一夫が大石内蔵助を演じた赤穂浪士』(昭和三十九年),緒形拳が豊臣秀吉を演じた第三作『太閤記』(昭和四十年),やはり緒形拳が弁慶をやった『源義経』(昭和四十一年) は最初から最終回まで観た.特に『赤穂浪士』は大河ドラマ史上最高視聴率記録を持っている上に,庶民の忠臣蔵観を形作った傑作だった.私はいくつもの名シーンを覚えている.
 
 それ以来,映画の時代劇は好きだったが,テレビ時代劇は全くもってただの一作も観ていない.
 民放では,東野英治郎が主演した時代の『水戸黄門』を大衆食堂のテレビなどで目にしたことはあるが,もともと『水戸黄門』は筋書きが有るような無いようなものだから,記憶に残るというような性質のものではない.残念なことにお銀さんの入浴シーンはもっとあとのシリーズだったから,それも記憶にない.また『水戸黄門』以外の民放時代劇は全く観ていない.
 しかし『みをつくし料理帖スペシャル』の番宣をチラと見た感じでは,主演の黒木華さんが,すばらしく時代劇の雰囲気に合っているように思えたので,これはちょっと観てみようかなと思った.
 実は原作小説の『みをつくし料理帖』は,何年も前に一冊だけ本屋で手に取って買ったことがあるのだが,文庫本で十冊を超す長編だということを知らずに読み始めたためにストーリーがチンプンカンプンで,途中で読むのをやめたのであった.当然のことながら,長編小説と,短編あるいは中編小説を積み重ねて全体として長編になっている小説とでは物語の構造が異なっている.だから『みをつくし料理帖』の途中の部分を抜き出して読むということ自体が間違いなのであった.
 その伝でいくとNHKのドラマ『みをつくし料理帖』の続編と思われる『みをつくし料理帖スペシャル』は,それだけでは成立しないドラマだと思われる.
 それはNHKも承知していて,このあいだの日曜日に総集編を放送した.これを録画しておいて観始めたのだが,これが極端な切り貼り方で,連続ドラマだったときの放送を観ていない人には訳がわからないものだった.
 それならばいっそのこと小説を読もうと思い,まず第一作『八朔の雪』を読み始めた.『みをつくし料理帖スペシャル』は録画しておいて,原作を読了してからにすればいいという算段である.もちろんドラマと原作小説は少し違うだろうが,そのことを承知していればテレビドラマも楽しめるのではないかと思う.さあて,読書開始だ.

 

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