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2019年12月11日 (水)

もう忘れかけた厚労省の不正事件

 昔々 (時代でいうと昭和四十年代くらいまで),国家公務員とそれに準じる人たちの事務能力は高かったんじゃないかと思う.
 それが,平成になった辺りから怪しくなった.国民の眼から見て「この人たちチョット駄目なんじゃないか」という事例が出始めた.
「消えた年金問題」とかね.
 しかるに昨今はもう日常茶飯事だ.
 記録は既に処分しました,電子的記録のバックアップは行政文書ではありません,とか.w
 
「厚労省の毎月勤労統計調査の不正問題」なんてのは,一般国民はもう忘れたのではないかと思う.
 だが,実はまだずるずると尾を引いている.
 昨日,厚労省から「雇用保険の追加給付に関するお知らせとお願い」という,調査依頼の文書が届いた.問題の詳細はここ
 
20191211
 
 で,私に何をして欲しいのかというと,十年も前の雇用保険 (保険者番号とか振込銀行口座とか) のことを思い出せというのだ.
 調査に回答するには,十年前の勤務先に問い合わせる必要が出て来る.そして,元の勤務先の後輩に面倒をかけて,その結果として私に給付される金額は,千四百円くらいだという.しかし千四百円が戻ってくればいいほうで,場合によっては「精査したところ,あなたには給付はありません」という結果もあり得ると書いてある.自分たちの不正の始末を国民に押し付けておいて,私たちに何の見返りもないってのはどういうことだ.
 国家行政における「統計」の重要性に鑑みれば,この調査依頼を受ける必要があることは理解できるが,しかしめんどくさい.
 年金問題だって,既にウヤムヤになった.この問題もウヤムヤになるのではないか.調査対象になった多くの国民が,厚労省の厚顔の依頼を無視すれば,きっとウヤムヤになるだろう.国民が調査に非協力的だったという理由で.
 だがむしろウヤムヤになった方がいいかも知れない.この事件に関して「厚労省の役人たちが不正を行った」という記録が歴史に残るからだ.
 追加給付の事務処理がきちんと行われた暁には,問題は解決したということになり,問題を起こした公務員たちは晴れて無罪放免だ.事件はなかったことになる.厚労省のサイトに現在は掲載されている事件関係の文書はすべて削除されるだろう.国会における質疑の記録は残るが,将来,日本の行政における不祥事についてそこまで調べる史家は現れない可能性が高い.
 そして事件に関与した役人たちは堂々と,一般国民をはるかに上回る生涯賃金を得て,退職後は安楽な老後をすごすだろう.
 まことに理不尽である.

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