別れ
私の愛犬 (トイプードル) は,ほぼ一日中寝ている.一人で静かに寝ていることもあるが,私がテレビの前の安楽椅子に腰かけると必ず,膝の上に乗りたいとせがむので,床から拾い上げるとそのまま丸まって眠る.
彼女の歳を人に例えると,私とほぼ同じである.片手の掌に載るほど幼かった犬に,それだけの歳月が経った.
白内障で,右目はたぶん見えていない.左目の症状が進行するのはこれからだろう.
私は犬でも猫でも好きだが,犬と長いこと一緒に暮らしているので,書架には犬マンガが多い.
ひょんなことから昨日,おおがきなこ『いとしのオカメ』(サンマーク出版) を買って読んだ.愛犬との別れを描いたエッセイ漫画である.
作者の筆は淡々と進む.次第に読んでいる私の涙腺がゆるみ始める.
そして158ページの「そして今さっき 死んだ」のところで,とうとう泣いた.おいおい泣いた.
漫画を読んで泣いたのは『星守る犬』以来のことだ.そして今も鼻水をすすっている.
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