慶應大学伊藤教授の大ウソ (補遺)
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NHK『食の起源』が考古学的証拠に反する嘘八百の番組であることを,この連載の本文で詳述した.ところが週刊ポストが早速,提灯記事《糖質制限ブームの真逆へ、Nスペ『食の起源』に驚きの声出る》を掲載した.(2019年12月20・27日号)
同記事曰く《シモンズ大学が13万人の食生活と健康状態を20年以上追跡調査し、普段の食生活で糖質の摂取量が標準的な人(総カロリーの60%が糖質)と、とくに少ない人(総カロリーの35%が糖質)を比べると、後者の死亡率が1.3倍以上に高まった》と.
この記事を書いた記者は,NHK『食の起源』を観ていない.もし放送を観ていたら,番組の途中で伊藤教授が矛盾したことを吹きまくったことに呆れたはずである.
例えば伊藤教授は,《標準的な大人の場合,毎食,茶碗に1杯程度》の米飯が適量だと主張した.この米飯量は240kcal(=茶碗一杯)×3食=720kcalである.
(『食の起源』の一場面)
厚生労働省のガイドによれば,30~49歳で身体活動レベルがIIの男性の推定エネルギー必要量 (kcal/日) は2,650kcal である.
すなわち,伊藤教授が主張する720kcalは,一日に必要な総エネルギー量の27%にしかならないので,実はこれはかなり厳しい糖質制限に他ならない.
伊藤教授は「糖質を減らすと死亡率が高くなる」と言いながら,厳しい糖質制限を視聴者に推奨したのである.自分が何を言っているのか,全くわかっていないのだ.でたらめも甚だしい.
私が連載《慶應大学伊藤裕教授の大ウソ (一), (二), (三) 》で暴いたように,同教授の主張は支離滅裂である.これを垂れ流したNHKの罪は大きい.(了)
[この連載記事の一覧]
慶應大学伊藤裕教授の大ウソ (一)
慶應大学伊藤裕教授の大ウソ (二)
慶應大学伊藤裕教授の大ウソ (三)
慶應大学伊藤裕教授の大ウソ (補遺)
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