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2019年12月21日 (土)

評論家ですらなく

 朝日新聞DIGITALが《小泉氏「大人を糾弾するより」 グレタさんの活動に異論》(掲載 2019年12月20日20時17分) を掲載した.その記事の中から小泉環境相の発言を抜粋する.
 

小泉進次郎環境相は20日の会見で、環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(16)の活動に触れ、日本の若者は「大人を糾弾するのではなくて、全世代を巻き込むようなアプローチを取るべきだ」などと異論を述べた。
 
小泉氏は今月、スペインで開かれた第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)に参加した際、日本の若者と懇談した。会見でそのことに触れ、グレタさんの影響は大きいとしつつ「後を追うのではなくて、別のアプローチもあるということを日本から発信したらどうか」と提案したと、明らかにした。
 
また、グレタさんは欧州と北米を温室効果ガス排出が少ないヨットで往復したが、小泉氏は「正直言って日本でみんな飛行機乗らないのは無理」とも述べた。
 
 他紙がこの会見の内容について,報道して自社の立場を明らかにしていないので,上の記事が朝日の世論誘導である可能性を排除できないのであるが,記事がもし事実であるとすれば,この小泉進次郎という代議士が政治家ではなく,評論家ですらなく,世渡り上手な大人の一人に過ぎないことを示すものだろう.
 自分の信念 (があったとしても) を決して吐露しないこと.物事に正面からの意見を表明しないこと.これが世渡りの術である.
 小泉大臣の発言《大人を糾弾するのではなくて、全世代を巻き込むようなアプローチを取るべきだ 》はグレタさんの主張を斜め上から,方法論レベル (アプローチの問題) に貶めるものだ.そしてこの発言はタチの悪いことに,止め処なく敷衍することが可能だ.
 例えば「トランプ大統領を巻き込むようなアプローチを取るべきだ」「全世界を巻き込むようなアプローチを取るべきだ」etc.
 これが,わずか十六歳の少女に対して大人が言うことだろうか.日本の環境政策に関する権力者である大人が.
 金もなく権力もなく,自分の意見をスピーチすること以外に為すすべのない少女が,大人を糾弾して何が悪い.
 どこかのメディアが小泉大臣に,香港の民主化運動についての意見を問いただしてくれないか.きっと「習近平主席を巻き込むようなアプローチを取るべきだ」 と答えるだろう.
 
 小泉大臣は,国際社会からの日本批判に対して「真摯に受け止める」しか言わなかった.これからも言わないだろう.
 国内問題では,レジ袋の有料化に対して質問したメディアに,自分の飼い犬の糞の始末のことを語った.犬と散歩している時に,犬が糞をしたらレジ袋に入れるのだそうだ.誰もそんなことを訊いてはいないのに.
 こうやって彼は何事についても自分の意見を述べることなく,青年たちには「発信したらどうか」とひとごとのように言い,そうして権力の階段を目指して用心深く生きていくのだろう.

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