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2019年11月16日 (土)

時の娘

 読みたいと思ってはいるのだが,途中で挫折した本がいくつもある.特に酷いのは『薔薇の名前』と『時の娘』の二冊で,これまでに三度チャレンジして,途中で放棄した.理由は自分でもわからない.本に対する相性みたいなものがあるのだろうか.
『薔薇の名前』は読書を諦めて,同名の映画のDVDを買った.そしてどういうわけか,半分くらい観たところで眠ってしまった.これはもうだめかも知れないと思う.
 
 中野京子先生の著書にリチャード三世のことが書かれているのを読んで,『時の娘』(ハヤカワ・ミステリ文庫) をもう一度だけ読むのを試みることにした.
 
King_richard_iii
(リチャード三世の肖像;パブリックドメイン,King Richard III.jpg from Wikimedia Commons )
 
 Amazonで探したら,「非常に良い」というコンディションの古本が三百九円で出品されていたので注文した.そしてしばらく商品の発送を待っていたら,業者からメールが来た.それによると,出荷時に検品したところ商品に不備があったという.
「お読みいただくには支障はございませんが,お客様からお代金を頂くお品物ではないと判断し,誠に勝手ながら商品代金・配送料ともに無料でお送りいたします.わずかでもお役に立てれば幸いでございます」旨のことがメールに書かれていた.
 どういうことだと不思議に思って本の到着を待ち,包装を解いて取り出したら,ものすごいのが出てきた.奥付には昭和五十二年六月発行とある.表紙は擦れてよれよれで,紙は褐変していた.確かにこれは,Amazonの古書基準では「可」以下のものだと思われた.
 それじゃあ新品はどうなんだと調べてみたら,驚いたことに現時点においてAmazonで販売されているものも昭和五十二年発行のようである.最初に印刷された本が,四十年以上の歳月を経て,いまだに完売していないわけだ.タイトルに「時」が付くだけのことはあると感心した
 そんなわけはないよなー,と思って新品を買って奥付を見たら,平成二十六年三月第二十八刷だった.(^^;)
 新品を買ったからには,今度こそ完読せにゃ.

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