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2019年10月 9日 (水)

横浜美術館と WINE STAND BASIL

 ようやく昼間の気温が下がって,外出しても汗をかかずに済む季節になったようだ.
 少し前のことだが,藤沢駅のホームに美術展などの案内掲示をするスペースがあり,そこにオランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たちがあった.今週末から来週にかけて,またまた東京湾に台風が上陸するらしいので,今のうちに出掛けてこようと思った.
 横浜市は,六十五歳以上の高齢者に「濱ともカード」という優待施設利用証を配布している.横浜美術館はこれが使えるのかと思ってネットで調べたら,月に一度だけ「コレクション展」が無料で鑑賞できるのだという.しみったれているなあ.
 ちなみにこのカードは,横浜市内の高齢者は「持っているけど使わない」ものらしい.どの施設で利用できるのか,スマホでネット検索できる高齢者以外にはわからない仕組みになっているからだと思われる.例えば横浜美術館は横浜市のお膝元でありながら,カード特典はないに等しい.美術館に限らず,横浜市の高齢者優待事業に協賛していない施設 (それがほとんど) で「ここは濱ともカードを使えますか?」と施設側に訊ねて,「いいえ」と断られるのを何度か経験すると,もう使う気になれない.カードのデザインも,デカデカと「寿」と書いてあり,こんなものを人前で出したくない.高齢者=寿というのが行政側の国語感覚なのである.w
 あ,いいことを思いついた.条例で横浜市の高齢者は,運転する車のボンネットにデッカイ「寿」ステッカーの掲示を義務付けるのだ.高齢者が運転を嫌がって事故が減るかも知れない.
 それはともかく,横浜美術館のカフェ (単なる休憩所だが) では電子マネーもQRコード決済も使えない.濱ともカードも使えない.使えるのはクレジットカードだけである.コーヒー一杯をクレカで払う高齢者がいたらお目にかかりたい.ミュージアムショップも同じだ.絵葉書一枚を買うのにクレカを使うのは勇気がいる.
 ついでに書くと,横浜市の「敬老特別乗車証」は,これを使ってバスに乗るためには,厚生年金をフルに受給している健常高齢者の場合,年額九千円を負担しなければならない.たまにバスに乗るだけで,そんな高額負担を納得する者はいない.これも,敬老精神ありますという形だけの「お飾り」だ.
 もっと書くと,林文子横浜市長は,元々がお茶くみOLから身を立てて遂には外車販売会社の社長,ダイエーの会長,東京日産自動車販売の社長に上り詰めた 立身出世伝 立志伝中の人である.だから営利事業と聞くと血が騒ぐのだと思われる. 市長は横浜の生まれではないので,ペリー以来の横浜の歴史なんか知ったことではないから,山下公園一帯を大規模再開発し,現時点で市民の大部分が反対であるとされるカジノを山下埠頭にぶっ建てることに執念を燃やしている.再開発構想をごり押しすれば,赤レンガ倉庫も馬車道も歴史の証人氷川丸も,古き良き港横浜の情緒は霧消するだろう.自民党公認を勝ち取り,晴れて故郷の東京から国政に打って出るにはそれくらいのことを
 
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 さて上の写真 (↑) にある横浜美術館の最寄駅は,みなとみらい駅で,地上に出るとすぐ近くに敷地入り口がある.
 
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 (↑) 上の写真は美術館前の広場で,掲示板の奥に玄関がある.
 
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 (↑) 玄関を入ると大きな立て看板.今回の美術展のメダマはルノワールの『ピアノを弾く少女たち』だというアピールだ.ルノワールはほぼ同じ構想とサイズで六枚の絵を描いた.下の画像はそのうちの一つで,Wikipediaに掲載されている作品.オルセー美術館蔵.
 
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(Wikipedia【ピアノに寄る少女たち】から引用;パブリックドメイン) 
 
 今回の美術展の出品作家は ここ で一覧できる.作品リストは ここ
 私はアンドレ・ドランの作品は初めて観たのだが,『座る画家の姪』(『座っている画家の姪』とも) が素敵な絵だと思った.
 平日の午前中ということで,展示室は適度な込み具合だった.ざっと見た感じ,私のような爺 σ(^^) は数人しか来ていなかった.来館者はほぼ女性ばかりで,もしかすると美大生かも知れない若い娘さんが数人,真剣な眼差しで絵を鑑賞していた.あとは高齢の婦人たちであったが,彼女らは,失礼ながら巣鴨地蔵通り商店街へ買い物にきたとでもいうような服装と髪型の皆様であった.それがセザンヌの絵の前で井戸端会議的に「パリに行ってもルーヴルしか観ないなんて人がいるから驚いちゃうよねー」とか会話しておられる.恐るべし,日本婦人の経済力とタフネス.私ゃもう欧州に行く気力も体力もない.お金もね.
 
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 (↑) は大画商ポール・ギョームの邸宅を模型化したものの一部.展示室の壁に埋め込むような形で観覧に供されている.これは撮影可.
 実は朝,バスに乗り遅れまいとして走ったときに足首をくじいたせいで,立っているのがしんどくなってきた.それで,この美術展の他に横浜美術館コレクション展が同じフロアにあるのだが,そちらは次回に,ということにして,飯を食って帰ることにした.
 会場出口の特設ショップで展示会グッズを販売していたので,マグネットを一つと来年の卓上カレンダーを買った.
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WINE STAND BASIL
 
 横浜美術館に隣接する商業施設「クイーンズ・スクエア」で,いい店はないかと少し歩き回った.商店やレストランはいくつかのブロックに分かれているが,「1st」の二階に「WINE STAND BASIL」という店を発見した.ちょっとわかりにくい場所にあるのだが,要するにビルの外に張り出したテラスがレストランになっている.
 上の写真は,遊園地「よこはまコスモワールド」の向こうに見えるランドマーク「コスモクロック21」だ.ウェイターは細身の青年で,テラスの空いているテーブルに案内してくれた.隣のテーブルには,ちょっと知的な雰囲気が漂う中年の外国人女性がいて,グラスワインの赤を飲んでいた.
 私もまねて,グライワインの赤と「本日のシャルキュトリーと前菜の盛り合わせ」を注文した.シャルキュトリーcharcuterie.いろいろな肉加工品のこと.これは千二百円なのに,量が思ったよりずっと多かったので,グラスワインを三杯も飲んでしまった.
 隣のテーブルの外国人女性は,赤の次に白のグラスワインをオーダーした.そしてそれをすっと飲み終わると,カツカツとヒールの音をさせながら去って行った.彼女は特に酒肴をつままなかったようで,それはなかなか恰好いいと思った.
 その次に隣のテーブルにきたのは,まだ二十代の前半と思われる娘さんだった.彼女はランチを注文したあと,スマホで通話をした.電話の相手はどうやら友達らしく,彼女は,クイーンズスクエアかどうかはわからないけれど,服とか雑貨のショップ店員さんのようだった.
「しゃべらなくていいから,わたしの話を聞いてほしいの」
と言った.昼飯時ではあるけれど,たぶん相手はまだ仕事中なんだろう.
 ランチに来るちょっと前に,店に外国人の客がきたという.彼女は英語での接客がうまくいかなかったらしい.店長か先輩かに叱られたのだそうだ.
「それでね,心がおれちゃったの」
と言った.そして,聞いてくれてありがとう,と言って通話を切った.
 若い時は,そんなことはよくあることだ.折れた心は食べれば治る.彼女はランチをもりもりと食べ終わると,伝票をつかんで仕事に戻って行った.私もそろそろ帰ろうと思った.
 グラスワイン三杯が千二百円,シャルキュトリー盛り合わせが千二百円.合計二千四百円に加えて消費税10%のお昼御飯であった.ごちそうさまでした.また寄ります.

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