鍋考
テレビの経済番組で,愛知県に本社を置く鋳造メーカー「愛知ドビー」が何度か紹介された.(テレビ東京『ガイアの夜明け』,テレビ東京『カンブリア宮殿』,NHK『逆転人生』)
同社製の超高級鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」 (Vermicular)」が爆発的に売れているのだそうだ.
テレビの料理番組や料理本を観ていると,登場する高級鍋はたいていル・クルーゼかストウブだが,これにバーミキュラが加わって鍋戦国時代の到来かと思われる.
おもしろいのは,テレビの料理番組で講師がストウブを使用して煮込み料理を作る際に,無水調理ではなくフタをしないで煮ていたりすることだ.それなら普通の安い鍋でもいいじゃないかと思うが,ストウブの鍋がプロの矜持というものらしい.w
テレビ東京『昼めし旅』なんかでも,局側の取材担当者が,畑で農作業している高齢男性をつかまえて「あなたのご飯を見せてください!」と頼むと,超大豪邸に案内されることが多い.そしてその農家の長男のお嫁さんが,ファッショナブルに改装された広いシステムキッチンでカボチャを煮たりするわけだが,その時の鍋は赤いル・クルーゼだったりする.カボチャの甘みをル・クルーゼが充分に引き出してくれるらしい.カボチャはどう煮ようとカボチャだと思うが.
以上,安い片手鍋しか持っていない私が,思いっきりひがんで嫌味を書いてみた.(貧泣)
しかし実を言うと,私のひがみ根性の裏側には高級鍋が欲しいという気持ちがあるのだ.ならば欲しけりゃウダウダ言ってないで買えばいいじゃんと言われそうだが,その価格に納得できないところがあるのだ.
例えば売れ筋の一つと思われるストウブの両手ホーロー鍋「ココット ラウンド バジルグリーン」の場合,Amazon prime 販売価格は以下の通りだ.(本日現在)
径10cm ¥9,500
14cm ¥18,360
18cm ¥24,400
20cm ¥29,160
22cm ¥33,480
24cm ¥37,800
ストウブのココットとは仕様が違うだろうから比較にはならないが,ル・クルーゼの両手ホーロー鍋「ココット ロンド」は,同じく Amazon prime 価格だと以下の通りで,ストウブよりは手頃な価格帯のシリーズがある.
径14cm ¥11,458
18cm ¥16,148
20cm ¥17,727
22cm ¥17,760
24cm ¥17,760
若い人の場合,これくらいの価格の鍋なら一生モノだというわけでエイヤっと買ってしまうかも知れない.しかし三十代の人の一生モノは五十年使えるからいいが,七十代の爺様の場合は余命十年だから非常に割高になる.高級鍋はコスパが五倍も悪いのだ.
しかも,テレビを見ていると,通販のジャパネットが「フタ付きフライパン大中+無水調理鍋+レシピブック」のセット合計¥14,900を,受付を30人増員して販売したりする.受付増員はともかく,このセットの鍋はたぶん三千円~五千円くらいで,ものすごく安い.
ジャパネット以外では,アイリスオーヤマとかパール金属などの国産普及品メーカーの無水鍋が Amazon prime 価格四千円台で買える.一万円から数万円に達する高級品と普及品の価格差は,何によるものなんだろう.密閉性か?あるいは耐久性か?
価格差が,耐久性の違いによるものなら,老い先短い私には普及品で充分だが,密閉性が違うということになると性能に差があるということだから,高級品に食指が動く.
だがはたして高級な鍋はよい商品なんだろうか.
高価な商品だから,実際に購入して性能を比較することは一般のブロガーには難しいのだろう.ネット上を探しても,どの鍋がどんな特徴・性能を持っているかは書かれていない.Amazon のレビューを読むくらいしか鍋の性能を知る手掛かりがない.
「料理にル・クルーゼを使うとテンションが上がる」というレビューを Amazon で読んだ.ま,それも性能のうちか.
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