考証『ツバキ文具店』(二) /工事中 9/14更新
祖母が亡くなったあと『ツバキ文具店』に戻ってきた雨宮鳩子が最初に請け負った代書は,封書の手紙ではなく暑中見舞い葉書の代筆だった.代書屋の仕事としては,本業とは言い難いものだ.
暑中見舞いや年賀状,転居や退職の挨拶葉書などを印刷所に発注することは昔からあるが,これが不都合なのは,通信面の印刷に最低料金がある (例えば最低枚数が二百枚だと,五十枚でも二百枚でも同一料金となる) ことと,宛名は手書きにせざるを得ないことだ.しかし印刷枚数が百枚,二百枚程度であれば,PCの葉書印刷ソフトとプリンタがあれば,通信面の文面を相手によって一枚一枚すべて変えることもできるし,フォントもデザインも自由自在なので,個人で挨拶状を作成するならこれが一番よろしい.
ところが皆がPCとプリンタを持っているわけでもない.そこでそのような人のために「手書き代筆サービス」という業者が実際に存在する.通信面の文章原稿と宛先リストを用意すれば,手書きで挨拶状を作ってくれるというものである.(業者の例)
さて鳩子が受注した暑中見舞い葉書の代筆は,「手書き」ということだけを代行する業者の代行サービスではない.顔見知りの魚屋の奥さんから,葉書の通信面の文章もデザインも丸投げ
……
《こんなつなぎ言葉を使っていませんか? 「なので~」》
https://allabout.co.jp/gm/gc/422410/
「……。なので~」と話をつなげていく例をよく耳にします。意味は通じても、文章言葉や改まった場では向かない言い方です。つい使ってしまいがちな「なので」も、ときには言い換えることで違和感がなくなります。
執筆者:井上明美
手紙の書き方ガイド
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