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2019年9月 7日 (土)

能登の柚餅子

 先日の記事で紹介した映画『武士の献立』は,加賀と能登が舞台である.
 物語のクライマックスで登場する加賀の饗応料理の数々は素晴らしいが,映画のストーリーにおける伏線として使われているのはそれではなく,能登の柚餅子である.
* 春が幽閉されている真如院を訪ねた際に,偶々城下で柚餅子を買い求めて持参したところ,真如院が甚く喜んだ.
* 夫の安信と能登を旅した時に,春は柚餅子作りの様子を見た.
* 春が舟木家を出奔した時,真如院の墓に柚餅子をお供えした.
* 春は,迎えに来てくれた安信と共に加賀に戻る途中,柚餅子を作る村で再び柚餅子を買い求める.
* 春と安信は,道端の地蔵尊に柚餅子をお供えして真如院を供養する.
 このように,能登の柚餅子は真如院を象徴する小道具として何度も描かれる.
 
 実をいうと,私は能登の柚餅子を,小さく切り分けたものを食べたことはあるが,丸ごと全体を目で見たことがない.
 そこで今回,清水の舞台から飛び降りて能登の柚餅子を買い求めてみた.柚餅子総本家中浦屋の通販で一つ三千二百四十円,送料九百七円の合計四千百四十七円であった.
 届いた柚餅子は箱入りで,蓋を開けるとポリ袋に包装されており,想像よりも小さく掌にちんまりと乗るほどの大きさだった.
 
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 箱に同封されていたリーフレットには「薄くスライスしてチーズに載せて酒肴に」などと書かれていた.かなりなお値段といい,スライスして食べるところといい,からすみに雰囲気が似ている.安酒の晩酌に,ちょいとツマむというレベルの食べ物ではない.
 それじゃあ贈答用に使えるか.富裕階層の話は別として,一般人の中元歳暮の贈答用食品は一万円以下が相場だ.しかもそこそこの重さと箱の大きさが求められる.ところが能登の柚餅子はとても小さいので,これ一つでは宅配便では贈りにくい.受け取ったほうが「ナニコレ?」と思ってしまう.そこで三個か四個を詰め合わせるとすると価格は一万数千円となり,これなら同じ価格帯の高級な果物のほうが,頂戴する側としてはうれしいような気がする.
 つらつら思うに,これはやはり北陸旅行の御土産に適しているように思う.箱一つをポンと手渡して「はいお土産!」というのがよい.

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