« 考証『ツバキ文具店』(二) /工事中 9/14更新 | トップページ | テレビだっていいものはいい »

2019年9月15日 (日)

災害対策にテレビを

 千葉県に大きな被害をもたらした台風15号に関するテレビの報道番組で,森田千葉県知事が取材に応じていた.取材陣から「復旧対策の初動が遅かったのではないか」として県の責任を問われた森田知事は,困惑の表情を隠せなかった.東日本大震災を経験したはずの東電の危機管理能力が,まさかここまで低レベルだとは,知事は想像もしていなかったのだろう.
 今回の台風被害では,停電の復旧見通しについて東電の説明が二転三転したことが大きな問題とされている.東電側の発表によれば,復旧の見込み時期はずるずると先送りされた.(資料) 東電の説明を信用した森田知事としては憤懣遣るかたない心境だろう.(*追記)
 私の自宅は横浜市であるが,台風通過の翌日に近所を少し歩き回ったところ,自宅周辺に家屋の損壊は見当たらなかったが,太い木が何本も折れて倒れていた.送電網が壊滅した千葉県南部の暴風がどれほどだったか,想像もできない.
 
 ところで,今回の台風被害で意外だったのは,台風災害に対する携帯電話中継局の脆さである.光ケーブルの固定電話回線も同様で,屋外の電柱がボキボキと折れて役立たずになった.つまりインターネットは緊急時に頼りにならないのである.災害に関する情報ツールとしてのテレビとラジオは,情報密度は低いながらも,タフさという点で私は見直した.(甚大な台風被害よりも発生可能性が高い東京直下型地震が起きたときは,いずれにせよ電話もネットもテレビ・ラジオすべてダメになるが)
 というわけで我が家の災害対策を点検したところ,ラジオと乾電池は充分な備えがあるが,ポータブルテレビの電源のことを失念していた.これは部屋の壁のコンセントに接続してあり,サブのテレビとして時々使っている.
 そこでテレビ用のポータブル電源を検討したのだが,今回の千葉県南部のように一ヶ月も停電が続くとすると,とてもじゃないけど能力不足だ.必然的にソーラーパネルを用いて繰り返して充電することが必要になる.
 アウトドア用として評価がよいポータブル電源 (500W) と,それとセットに設計されているソーラーパネルを購入すると,約十万円である.うーむ,高いなあ.コスパを考えるとラジオだけでいいかもなあ,と迷っている.
 
(*追記)
 上の記事は13日発表の復旧見込みをもとに書いたが,15日早朝に東電はこれを修正し,多くの地域で復旧見通しが更に遅れるとした.
 修正理由は「被害状況を精査した結果」であるという.前回の発表における修正理由も「被害状況を精査した結果」であった.つまり前回の発表は嘘であったことになる.
 東日本大震災のときも東電は,福島第一原発の状況について何度も嘘をついた.政府と国民の反応を伺いながら,正しい情報を小出しにした.
 今回の台風被害でも,災害に脆弱な送電網に対するメディアの批判を避けようと思ったのだろう.最初は楽観的な復旧見込みを発表し,そのあとから少しずつ悲観的な見通しを追加発表している.
 会社の体質は,どんなことがあっても変わらないものであるなあと痛感した.

|

« 考証『ツバキ文具店』(二) /工事中 9/14更新 | トップページ | テレビだっていいものはいい »

新・雑事雑感」カテゴリの記事