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2019年8月19日 (月)

なんで上から by 橋本環奈

 NHKスペシャル『昭和天皇は何を語ったのか ~初公開・秘録「拝謁(はいえつ)記」~』を視聴した高齢者は多かろう.この番組は,初代宮内庁長官の田島道治氏が記した『拝謁記』を,氏の死後保存してきた遺族がNHKに提供したことを報道したものである.今回の番組はほんの速報程度の内容であり,NHKから『拝謁記』の史料検討を依頼された日本近現代史専門家 (*) たちが,いずれ詳細な議論を国民に明らかにしてくれるものと期待される.
(*) 日本大学の古川隆久教授,志學館大学の茶谷誠一准教授,成城大学の瀬畑源非常勤講師,京都大学大学文書館の冨永望特定助教を中心メンバーとする十人.
  
『拝謁記』に関する第一報であるNHKニュースが流れたあと,おもしろいものを読んだ.
 一つは,あの八幡和郎が書いた《NHK「昭和天皇 拝謁記」の悪質な歪曲に呆れる》(掲載日時;2019年08月19日 06:01) である.この記事は政治ネットメディアである例のアゴラに掲載された.その文章中の一部を下に引用する.
 
歴史研究家が何人か登場していたが、あまり有意義なコメントは出てこなかった。外交や政治や皇室についてのリアリティの知識や感覚がない人が推理や解釈などしても価値がある分析などできるはずがない。資料分析の専門家は参考意見を言うだけに留めておいてほしいものだ。
 
 NHKスペシャルの中でコメントしていた一人に,歴史家として著名な秦郁彦氏がいる.八幡は,暗に秦氏は《外交や政治や皇室についてのリアリティの知識や感覚がない人 》だというのだが,私のような一般人は,八幡のエラソーな書きっぷりに「なんで上から」と思ってしまう.秦氏を挑発するなら,ちゃんと名指しをするのが礼儀だろうと思う.
 また八幡は『拝謁記』の内容は目新しいものではないと切り捨てている.『拝謁記』全文を読んだのはNHKから史料の分析を依頼された専門家たちであり,新聞社等のメディアに提供されたのは『拝謁記』の一部であると毎日新聞が書いている.だとすると八幡は『拝謁記』の一部分すら読んでいないわけで,NHKスペシャルを視聴しただけで,よくまあ『拝謁記』の価値を否定できるものだと感心した.
 
 もう一つは,これまた「例の」w 天木直人がアップした
NHKニュース9が報じた昭和天皇の本音と日本の夜明け 》(掲載日時;2019年8月16日) である.一部を引用する.
 
実際のところ、NHKは古川隆久という学者を登場させて要領の得ない解説をさせていた。
 古川隆久という学者は、みずから解説するのではなく、こういうべきだったのだ。
 こんな重要な史実を、私ごときが解説などする資格はないと。
 
 天木直人は,古川教授の学識を一刀両断に《私ごときが 》と書いて全否定しているが,そのエラソーな態度とは逆に史実と史料の違いを理解していないという無知をさらけ出している.古川教授がコメントしたのは『拝謁記』という「史料」についてだ.ああ恥ずかしい.その程度の学力でよくまあ,だ.橋本環奈ちゃんの最近のCМにならえば「なんで上から」である.

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