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2019年3月30日 (土)

ラジオはどこへ行く

 日本民間放送連盟(民放連)がラジオのAM放送の廃止を計画していると報じられた.(共同通信 3/22)
 AM局の多くは広告収入が低迷しているため,番組の放送を,災害対策として実施しているFMによる補完放送(ワイドFM)に一本化したいという.
 私は思うのだが,中波AM放送とワイドFMと,どちらが災害に強いかというと疑いもなく中波AMに決まっている.ワイドFMは,万が一中波AM放送が災害で停止したときの保険にすぎない.それに,全国の家庭で,災害用に非常袋に入れてあるポケットラジオは,中波受信専用である.小型でワイドFMが聴取できるラジオもあるだろうが,それは近くの中継局が健在だった場合にのみ役立つだろう.遠距離のFM中継局からの放送を受信できるのは,それなりの高性能ラジオだ.
 私の住んでいる地域では,むしろ中波AM放送の方がワイドFMよりも受信状態が良好である.日本の中波ラジオ放送がどうなるか,わからないが,なくならないことを切に望む.
 ところで先日,ガラクタ市みたいなところで,おそらく昭和二十年代のものと思われるジャンクのラジオを見つけた.
 木製のキャビネットの裏から中を覗くと,戦後は五球スーパー (スーパー・ヘテロダイン回路) が家庭用機の標準であったのだが,これは古めかしいST管 (スタンダード・チューブ) を使用しているものの高周波増幅一段と中間周波増幅一段の六球スーパーというちょっと高級なラジオである.昭和三十年代に入ると,MT管 (ミニチュア・チューブ) の五球スーパーが標準機になったから,このジャンク・ラジオは昭和二十年代のものであると推測される.
 
20190328g
 
20190328h
 
 上の画像は,木製キャビネットから取り出したラジオである.これを見ればわかるように選局ダイヤルメカは歪んでいるし,整流管の横の,真空管が挿されていないソケットは,無意味なダミーである.既製品のシャーシに余分な穴が開いていたので,体裁上,止む無くST管ソケットを取り付けて穴をふさいだのであろう.
 その他,あちこちの工作の出来栄えを見ても,これはメーカー品ではなく,アマチュアの自作機であることを窺わせる.選局ダイヤルメカの歪みは,シャーシに取り付ける穴の位置を間違って開けたためである.w
 このラジオのように,戦後しばらくは,多くのアマチュア・ラジオ愛好家たちが秋葉原辺りで部品を集め,無銘のラジオを製作して市場に供していたのである.(資料《日本ラジオ博物館 》)
 私の生家のラジオも,近所のおじさんに頼んで製作してもらったものだった.私はこのラジオを,父親に「勉強のためです」と嘘をついて分解したが,悲しいかな元にもどせなかった.そのトラウマが,後にこの歳になってもラジオをいじくる爺さんを作ったのである.
 
 おそらく 上写真の左側に写っている電源トランスは,これだけ古いものだともうオシャカ (規定電圧が出ない) になっているはずだが,三本のST管用アルミ製シールドケースは磨けば新品同様になるし,バリコンと中波同調コイルは問題なく使えると思われる.バリコンとコイルは秋葉原で骨董品の入手が可能だが,ジャンク屋にあるシールドケースは,かぶせ蓋がないとか,シャーシから取り外す際にネジ穴のある個所が破損してしまった半端品ばかりなのである.サイズの揃ったものが三本も,瑕疵欠損のない状態で手に入ったのはかなり嬉しい.
 アルミシャーシはきれいな外観のものに代え,回路部品 (抵抗器,コンデンサ) は経年劣化しているから交換して,レトロでありながら現在も中波AM放送を聴取できるカッコいいラジオに再生してみたい.さて久しぶりの電気工作だ.さあやるぞっ.

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