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2019年2月22日 (金)

鶏の事情 (3/6 に訂正)

この記事に大きな誤りがあったので,訂正してお詫びする.(3/6 訂正)
訂正部分は着色文字の部分である.
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 今日 (2/22) 放送されたNHK『チコちゃんに叱られる!』で,「鶏はなぜ首を前後に振って歩くのか?」という問題が出された.
 
 私が昔見たテレビの科学番組では,鶏ではないが鳩を使って実験をやった.
 一人が鳩の胴体を手で持ち上げて固定し,もう一人が鳩の足を持ち,歩行する時のように前後に動かす.すると鳩は首を前後に振る.足を動かす動作を早く行うと,首も早く動く.足をゆっくり動かすと,首もスローモーションで動く.
 この実験結果で,番組は「歩行に必要な筋肉は,首振りに使う筋肉と連動しているのです」と結論した.物理的につながっているのではなく,神経の情報伝達的に連動しているという意味だったろうと思う.
 
 ところが「鶏はなぜ首を振って歩くのか」を解説した藤田祐樹 樋口広芳先生 (東京大学名誉教授) の説は,全くこれと異なるものだった.
 鶏は歩行する際に,首を前に伸ばし,その頭の空中での位置を固定し,それから胴体が前進する.この動作を繰り返して前進するので,一見すると首を前後に振って歩いているように見えるが,実は頭を固定し,視野を固定して対象物をはっきり見るのが目的なのだと先生は説く.ヒトなどと違って,目が頭の横にあることと,眼球を自由に動かせないために,首振り動作なしで歩行すると,見る対象物がどんどん後方に流れて行ってしまうのだと.
 先生の解説で,一旦はなるほどー,と思ったが,しかし新たな疑問が湧いた.
 長い距離を二足歩行する鳥には,鶏と鳩などと異なり,歩行する時に首を振らないものがある.ついでに言うと,鶏のヒヨコも首を振らずに歩く.ペンギンも.w
 野鳥の動画を漁ったら,トラツグミは首振りせずに歩くが,バンは首を振って歩くことがわかった.

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 だとすると,問題は次のように言い換えることができる.
「鶏はなぜ視界を固定しないと歩けないのか?」
 鶏や鳩などは,他の鳥にできることができないのだ.
 鶏や鳩など首振りする鳥は,歩行する時に,首振りしない他の鳥と異なって,首を前後に振らないと歩けない特殊な事情を抱えている.(おそらくは脳科学的な)
 逆に言うと,首振りしない鳥は,そういう動作をしなくても歩ける特殊な条件を満たしている.ある動作ができる,できない,の論理的解釈はそういうことである.
 それこそがチコちゃんが問うた「鶏はなぜ首を前後に振って歩くのか?」の真の解答であるはずだ.すなわち視野の固定云々は,二次的な,あるいは表面的な問題である.
 
 そこんところを藤田 樋口先生はどう考えていらっしゃるのか.テレビ番組では簡単に説明できないことなのかも知れない.そこで藤田祐樹『ハトはなぜ首を振って歩くのか』(岩波科学ライブラリー) を読んでみることにした.私の積年の思い込みなのか,樋口先生の説が不完全なのか.おもしろそうである.
 
 ちなみに,ネット上を検索すると,藤田 樋口先生の説をそのまま書いているサイトがほとんどである.首振りしなくても歩行できる鳥が,なぜ首振りしなくても歩けるのか (見る対象をはっきりと見ることができるのか) という理由に触れたものは見つからなかった.

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