続・明治のクチャラー
昨日放送された大河ドラマ『いだてん』の冒頭の一シーンのこと.
志ん生 (ビートたけし) が自宅の居間でテレビを見ていると,弟子の今松 (荒川良々) がやってきて座敷に上がり込む.下は,そのシーンを撮影した画像.
今松は,こともあろうに師匠の前で,立ったままで飯を食っている.いくら何でも時代は明治だぞ.どういう弟子だ.分をわきまえろ,このばかが,と言いたくなるくらいに,このシーンは非現実的だ.
(下向きの矢印 (↓) は箸を手にしていることを示している)
右向きの矢印 (→) は,このシーンで今松が口を開けたままクチャクチャと咀嚼していることを示している.そして今松はこのあと,口にものが入ったままでしゃべった.
こんなクチャラーが,噺家になれるはずがない.物を食う所作のある落語は多いが,クチャラーではそれらの噺を演じられないのである.
前回の記事に書いた森山未來は,物を食いながら落語を聞いて,口の中の咀嚼物を全国の視聴者に見せつけながら馬鹿笑いをした.
この荒川良々は立ったままで咀嚼しながらしゃべった.無礼極まりない.仮にそれがクドカンの台本に書いてあり,あるいは演出だとしても,「時代考証がおかしいです」と,なぜ拒否しないのだ.言われれば何でもするのか,お前は.
「いだてん」に次々にクチャラーが登場するのはなぜか.もしかするとクドカン本人がクチャラーなのか.たぶんそうかもな.
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