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2019年1月12日 (土)

料理は上手にできなくてもよろしいんです

 ネット上で「人気のある料理研究家ランキング」なんてことを検索すると,第一位が平野レミさんで,第二位が土井善晴先生だったりする.
 平野レミさんを見習っても料理が上手になるわけではないから,彼女の人気の理由はタレント性ということだろう.従って平野レミさんはランキングの別枠として,実質的に土井先生の人気が第一位なのは大いに納得できる.

名言連発! 土井善晴が「きょうの料理」の歴史を語る 》と題した記事を読んでみたら,↓こんなことが書いてあった.

――作った料理で失敗だったり改善の余地があったりしたことはありますか?
 料理に失敗はないので、お母さんたちが失敗したと言うことが私には不思議ですね

 土井先生は講演や著書で「肩に力を入れず気楽に調理をすればいい,上手にできなくてもいいんです」旨のことを繰り返し述べておられる.盛り付けでも「地球の引力に任せたらいい」(鍋やフライパンから器に流し移せばいいとの意) と述べている.これも土井先生の名言だろう.

 さて今日 (1/11) のNHK『きょうの料理』は「小豆がゆ」だった.作り方を簡単に言うと,小豆を茹でて,その茹で汁で粥を炊く.(詳しい作り方はここ )
 この小豆粥は,粥を炊いているあいだに餅を焼くのであるが,その際に事故 w が起きた.
 土井先生は「魚を焼く時は一度しか引っくり返しませんけど,餅は何度も裏返して焼きます」と言いながら餅を最初に裏返したときには,既に真っ黒焦げになっていた.火力が異常に強かったのである.餅の一つは,両面とも黒焦げになってしまった.

20190111k

 そこで土井先生はどうしたかというと,焦げた面を箸で強く押しつぶして「こうすれば白いところが出てきます」と言った.
 片面だけ黒焦げの餅は「こういうのは,きれいな顔の方を上に向けとけばよろしねんから,ほんまですって」と言った.w
 これに対して司会の後藤アナは「いろんな知恵を授けていただきました」と礼を述べた.ww
 先生は出来上がった小豆粥を大ぶりの椀に盛りつけたのだが,まず椀の半分だけ粥を入れ,そこに餅を「きれいな顔の方を上に向け」て載せ,(下の画像)

20190111l

さらにその上から粥を盛りつけた.(出来上がりの画像)

20190111m

 上の出来上がり画像で明らかなように,焦げた餅はうまく粥で隠されて,全く見た目でわからなくなっている.www
 
 土井先生が《料理に失敗はないので、お母さんたちが失敗したと言うことが私には不思議ですね 》と言い,常々「上手にできなくてもよろしいんです」と仰っていることの実践を私は見た.w
 こういう軽妙なところが土井善晴先生の人気の秘密であろう.

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