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2019年1月19日 (土)

朝日新聞社は反社会的勢力の友軍である

 朝日新聞社が運営している情報サイト「AERA dot.」に,以下に示す反社会的な記事が掲載された.(掲載日付 2019/1/17 19:08.)

郵便局でバイトした山口組組員を逮捕 生活苦からファストフードで働く組員は笑顔で新人指導も…
 
 上の記事の冒頭を,下に引用する.
 
暴力団組員が生活苦から素性を隠してアルバイトをし、逮捕されるという切ない事件があった。
 愛知県警は1月、六代目山口組の暴力団組員の男(60)が組員であることを隠し、郵便局でアルバイトし、報酬を得たとして詐欺容疑で逮捕した。
 組員の男は郵便局でアルバイトする際に、『反社会的勢力ではない』と誓約書にサイン。2017年11月29日、1日だけアルバイトをし、7850円の報酬を得たという。
 その後、自ら暴力団の組員だと申し出て退職したという。
 男は生活苦から広告を見て、応募してアルバイトをしたという。

 
 朝日の記事は,郵便局を欺いて就労し,作業報酬を得た暴力団組員に対して《切ない 》と同情してみせている.元々が全国紙という媒体は拡張団という組織を持っており,これが暴力団の資金源であったことはよく知られている.読売新聞なんぞは,新聞社自体が反社会的勢力と関係があった.だから私たちは,朝日の記事が暴力団組員が逮捕されたことに同情しても驚かないのだが,その同情が不当であることを以下に示す.
 朝日の記事は,当該組員が逮捕された理由がなぜ詐欺罪容疑なのかを,たぶん知っている (←警察がメディアを集めた会見で発表するから) くせに敢えて書かずに隠している.その方が記事としておもしろいからであろう.
 さて逮捕されるからには,その法的根拠が存在するのであるが,今回の組員の場合は愛知県の条例である.
 
愛知県暴力団排除条例
第十五条 事業者は、その行う事業に関し、契約を締結するときは、次に掲げる措置を講ずるよう努めなければならない。
 第一項 (略)
 第二項 (略)
 第三項 当該契約の相手方に対して、当該契約の履行が暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなるものでない旨を書面その他の方法により誓約させること。

 この件で当該組員が詐欺罪容疑とされたのは,上に掲げた愛知県暴力団排除条例第十五条第三項違反に該当するからである.
 民間企業で管理職のポストにある者にとって必須の知識であるが,正社員だろうが,パートあるいはアルバイトであろうが,自分の部下を採用する際には必ず会社と雇用契約を結ばせねばならない.(←労働法の知識)
 そしてその雇用契約を結ぶ時に,採用応募者が暴力団関係者ではないことを「書面その他の方法により」 (その他の方法とは,メールなど電子的方法のことと思われる) 誓約させる義務が雇用する側にある.
 これを怠るとどうなるか.暴力団は組員を会社に潜り込ませ,そのあとで別の組員がその会社の経営者を「お前んとこの会社は暴力団系の会社やと世間に言い触らしたるぞ」(←例えばの口調) と恐喝して金品を得ることができるのである.(資料《契約書に「暴力団排除条項」や「反社会的勢力の排除」が必要な理由とは? 》)
 その反対に,「暴力団員ではない」旨を書いた虚偽記載の誓約書をとってあれば,暴力団が会社を強請っても,警察に訴えれば詐欺罪で逮捕してもらえる.
 
 以前から法務省は,会社や個人事業主を暴力団から守る対策を講じているが,各地の暴力団排除条例はその一つである.朝日の記者であれば,そんなことは百も承知のはずであるが,暴力団排除条例が如何に大切かを読者に知らせるどころか,逆に当該組員が不当な仕打ちを受けたかのように《切ない 》と書いて反「暴力団排除条例」の論陣を張ったわけである.
 
 次に,この記事には,他に山口組の現役組員も登場する.この組員は,ある被災地で復旧作業のアルバイトをしているのだが,これについて朝日の記事は次のように書いている.
 
1年以上、ある被災地で土木作業員として仕事をしているBさんもこう打ち明ける。
 
「昔はヤクザのシノギとして、作業員を出す仕事をやっていた。それまで、ヤクザだろうが、一般人だろうが、人がいれば誰でもいいという業界だった。しかし、ヤクザが関わっているなら仕事は回せないと断られるようになり、廃業に追い込まれた。そこで、2人いた子分とも話して、自分たちで働くことにした」
 
 被災地の復旧作業なので、事前面接で暴力団など反社会的勢力ではないことを、面接で確認される。Bさんの場合は、それまでのツテもあり、何も聞かれずに仕事をしているという。
 もともとは、関西が本拠地の組に属していたBさん。被災地に入って以降は、定例会に出席することもなく、ヤクザとしての活動はほぼゼロ。苦境をこう訴える。
 
「遠いので定例会のために関西に戻ることもできないし、現場作業の仕事も忙しい。ヤクザをやめればいいのですが、どこの組も人数が減っており『名前だけでいいから、残ってくれ』と親分から言われたのでそのままになっている。やめようとすると面倒なこともあるし、このままでいいかなと思っていた。それが、郵便局でバイトして詐欺で逮捕だなんて聞かされると、ビックリですよ。被災地の復旧にかかわる作業ですから当然、税金が入っている。今は、祈りの境地です。この仕事がなくなれば、もう食い扶持があらへん」

 
 まず押えておかねばならないことは,この組員は逮捕はされないということだ.そうではなくて,この組員から「暴力団組員ではないこと」の誓約書を取らずに,この組員を災害復旧現場で働かせていた土木建設業者が県条例違反で行政処分を受けるのである.仮にこの男が組員であることを知りながら雇い,災害復旧現場で働かせたとすれば,当該業者は県の事業への入札資格を剥奪されるだろう.
 この組員が《この仕事がなくなれば、もう食い扶持があらへん 》と言っているのは「苦境」でも何でもない.暴力団から抜ければよいのである.そしてそれこそが県条例の目的なのである.飢えて死ぬか,組員をやめて正業に就くかを行政は迫っているのだ.
 それを朝日は,いかにもこの組員が不当な仕打ちを受けているかのように書いている.
 しかも,この組員は,実情として足抜けをしたわけではなく,被災地で《ヤクザとしての活動はほぼゼロ 》なのである.ヤクザとしての活動を少しやっているのである.朝日新聞社は,そのような現役暴力団組員を「まっとうに仕事をしている」と高く評価する.下の画像は,リンク切れあるいは記事削除に備えて,問題箇所を画像で保存したものであるが,この箇所に書かれている内容は,朝日新聞社の反社会的勢力に対する姿勢,つまりシンパシーを如実に示すものだ.呆れてものが言えない.
 
20190118d

 上半分は山口組現役組長の発言であるが,組長たる者が暴力団排除条例を知らぬはずはないから,この発言は一般市民を騙す意図のものであることが見え見えである.
まっとうに仕事して稼いでどうして悪いのか。なぜ、逮捕となるねん 》とかなんとかもっともらしいことを言っているが,勤務態度が良好だったかどうかなんてことは,逮捕とは無関係だ.アルバイトで労働する以前のこととして,郵便局を騙したことが「まっとうでない」から逮捕されたのである.
 次の発言者である山之内幸夫という男は,「最初で最後の暴力団顧問弁護士」として世間によく知られた男である.事件を起こして有罪となり,弁護士資格を剥奪された暴力団関係者である.それを《元顧問弁護士 》と書くのは読者をミスリードする意図である.こう書くと「現在は山口組の顧問を辞めている弁護士」と受け取れるが,実は犯罪者として「弁護士を辞めさせられた」男なのである.そういう男のデタラメな言い分を,何の批判もなく掲載した朝日新聞社の罪は重い.
仕事をきちんとして…なぜ詐欺ですか? 》は山口組の組長と同じ言い分で,山之内がヤクサ側の人間であることを示している.
ましてや郵便局は今…働く人が集まらない業種 》は爆笑ものだ.仕事がきつい上に職場に暴力団員がいるというのでは,ますます働く人が集まらなくなるではないか.
 
 大体において,新聞社の取材というものは,一方の側だけではいけない.この場合は,山之内ら暴力団関係者の発言だけを掲載して,まっとうな弁護士の健全な常識に基づく見解を載せなかった.これは朝日新聞社が反社会的勢力の友軍であることを示している.

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