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2019年1月14日 (月)

たんぽぽ娘

 アマゾンが突然,ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』(伊藤典夫編集・翻訳,河出文庫,2015年) を薦めてきた.これは同題の作品他が収められているSF短編集である.
 昔々河出ではないどこかの文庫に入っていたのを読んだ記憶があるが,細部は忘れた.しかし今でも名作と評価されている作品のはずであり,河出文庫に入っているのは改訳版だというので,読み直してみることにした.

 短編「たんぽぽ娘」はSFだけれどミステリーのテイストがあり,ここに描かれている一種のトリックは,ライトノベルしか読まないような若い人には理解不能だと思われる.
 二十代の男女が愛し合って結婚したとする.その二十年後,二人の容貌には,それなりの人生が刻まれて,若い時とはかなり異なっているだろう.
 けれども,いつも一緒に過ごしている相手の容貌の変化は,なかなか気づかないものなのである.男も女も,昔から相手がそのような容貌であったと思うものなのだ.
 このことは,実際に年をとってみないと実感できない.さっき,若い人たちが書いた「たんぽぽ娘」の書評を検索して読んでみたのだが,このトリックを正しく指摘しているものは一つもなかった.

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