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2018年7月 6日 (金)

ある生き物の殺処分

 三日前の毎日新聞に《外来生物:タイワンリス「根絶」にめど 熊本・宇土半島 (2018/07/03 09:42) 》が掲載された.
 記事の冒頭を要約すると以下の通りである.

 熊本県の宇土半島で六千匹を超えるほど繁殖した特定外来生物のタイワンリスが昨年,推定六十五匹にまで減ったことが調査で分かった.タイワンリス根絶を目指した第一段階である宇土半島への封じ込めが成功した.環境省,林野庁,熊本県,宇土・宇城両市,JA,学識経験者により構成される地元の協議会は第二段階である根絶目標を2021年3月に定めた.

 日本全体のタイワンリス生息数はどれくらいになるのだろう.(繁殖地域はここ)
 仮に他の地方・地域でも熊本県方式に倣うとすると,莫大な殺処分が行われることになる.
 止むを得ないこととは思うが,胸がいたむ.
 同じく野生繁殖個体の根絶が目標とされている動物にアライグマがある.その根拠になっている「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」について公益財団法人・神奈川県動物愛護協会の公式サイトに批判記事がある.その一部を引用する.

日本政府は、1992年に生物多様性条約に締結しても、何ら自国の自然環境を守るために策を講ずることはなく、海外からの輸入は大通りのまま10年以上放置し、重い腰を上げたのは、結局、被害や苦情の増加でしかなかったということです。そして作られた法律が、動物・植物・昆虫まで全て同じ枠に押し込んだ「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」です。

この法律では、まず輸入だけの禁止や繁殖の禁止という段階的な措置がありませんし、国内で野外繁殖が懸念される規制対象種を増やしていくという方法(ブラックリスト方式)ですから、見落とされればそれまでです。少なくとも、ペット用や観賞用に輸入する生物については、確実に危険のないものだけの輸入(ホワイトリスト方式)にするべきです。

人が過ちを犯してしまうことを100%防ぐことはできません。そして、人が自身の犯した過ちを正す時は、悔恨の情を持ち、迷惑を与えた相手に出来る限りの配慮を行なうべきでしょう。しかし、外来生物法での対処は、野外で増えた生物の駆除・根絶でしかありません。それは命を奪うことです。人間の意図の有無は関係なく人が持ち込んだ事に変わりなく、持ち込まれた生物が移住を望んでいなかったことだけは明らかです。持ち込まれた生物こそが被害者なのですが、『害を及ぼす』として安易な殺され方をしています。

ペット用や観賞用に輸入する生物については、確実に危険のないものだけの輸入(ホワイトリスト方式)にするべきです 》に私はほぼ同意する.同意に一部保留したのは「危険性の有無判定をどうしたらよいか」という問題が分明でないことと,法で輸入禁止しても必ずや違法に輸入する業者が現れるからである.

 環境省のサイトに掲載されている外来生物法の罰則を見てみると,割と軽い罰則規定であることが知れる.
 私見だが,個人で違反した場合は,「懲役または罰金」でなく懲役刑のみにするべきであり,法人の場合は代表者の懲役刑を新設するべきであると考える.

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