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2018年6月 6日 (水)

奄美黒糖焼酎と島唄

 還暦をちょっと過ぎた頃までは,割と高めのお値段のバーボンなんぞを飲んでいたのだが,最近は紙パック入りの酒ばっかり飲んでいる.
 横浜市の場合,酒の紙パックは「燃えるゴミ」にまとめて出せるが,高い酒のガラス瓶は,別の日の回収になる.
 それが面倒なので,ゴミ出しの手間が少なくなる紙パックの酒にしたのだ.
 というのは嘘で,醸造酒にせよ蒸留酒にせよ,鼻でかいだ時の香りだとか口の中でころがした時の香り,あるいは喉を通したあとに鼻に抜ける香りだとか,そういった酒というものの細かいディテールが,もうどうでもよくなったのである.これを世間ではアル中と言
 そういうわけで,Amazon の中を「紙パック」を検索語にして徘徊した結果の結論は,琉球や奄美の泡盛とか黒糖焼酎がうまいなあ,ということである.安くていいなあと言い換えてもいい.
 その奄美の黒糖焼酎で気に入ったのは,喜界島酒造の「喜界島」である.
 
 さて Wikipedia【南島雑話】に,以下のようにある.
 
薩摩藩の上級藩士だった名越左源太は、嘉永3年(1850年)、藩主・島津斉興の後継者問題を巡るお家騒動・「お由羅騒動」では斉彬擁立派にくわわり連座して奄美大島へ遠島に処せられた。同年4月29日に上陸した彼は小宿村(現・名瀬市小宿)に居を定め、流人として身を慎む生活を送る。将来を悲観して身を持ち崩す流人も多い中で彼は武芸の鍛錬に励み、島の子弟に読み書きを教える中で地域に受け入れられ、島民との交流を深めていく。嘉永5年(1852年)には配流中の身ながら薩摩藩の嶋中絵図書調方を命ぜられ、代官所が所蔵する記録文書の閲覧も可能になる。
安政2年(1855年)に薩摩に帰還するまでの5年間、島内の動植物や農耕儀礼、冠婚葬祭から伝説に至るまで奄美大島の風土をつぶさに観察し、詳細な図入りの地誌をしたためた。現在、彼が著した奄美大島の地誌を総称して「南島雑話」と呼ぶ。幕末期の奄美大島における第一級の民俗誌として評価されている。
 
 その「南島雑話」に,次のようなことが書かれている.
 
留汁を焼酎として砂糖黍をすました汁を入れることあり、到りて結構なり
 
 と書くといかにも物知りのようであるが,これは焼酎「喜界島」の一リットル紙パックに,商品説明として《これが黒糖焼酎の原型だと思われます》と「南島雑話」からの引用が書かれているのを再引用したのである.w
 
 実は,私は焼酎「喜界島」を飲むまで,「南島雑話」なんて全く知りませんでした.ww (画像検索結果)
 パッケージに文献からの引用を掲げている酒は珍しい.そこで,もしかすると由緒ある焼酎なのかもと思って検索すると,Wikipedia にちゃんと【黒糖焼酎】と項目が立てられているではないか.
 しかもその記述中に,《宮内庁からの委託で奄美群島内で作られ》とあり,宮内庁御用達のものがあるという.驚いて調べてみたら,これは嘘で,実は宮内庁の委託ではなく,宮内庁生活協同組合の委託製造つまりPBであった.皇居参観を予約して,参観途中で宮内庁生協に立ち寄ると,その売店で「御苑」という焼酎が販売されているのがそれ.他では入手できないが,製造元は奄美大島龍郷町の蔵元「町田酒造」らしい.また焼酎以外にも「御苑」ブランドの商品がある.
 閑話休題.これはいい酒を見つけた.暫くは安くて旨い「喜界島」を愛飲することに決めた.町田酒造の高い黒糖焼酎も魅力的.
(ちなみに,「南島雑話」の古書は,版によっては資料的価値が高いらしく,ものすごい値段がついていて,ちょっと手が出ない.オンデマンド出版があるが,それも気軽に買えない価格だ)
 
 ところで「喜界島」の紙パックは Amazon で注文したのだが,届いたダンボールには新聞紙が緩衝材として詰めてあった.
 私は古新聞はゴミで捨てずに古紙回収に出すから,そのぐしゃぐしゃに丸めてあった新聞紙を,きれいに畳み直した.
 広げてシワを伸ばして畳む時に気が付いたのであるが,それは「奄美新聞」という地方紙で,そのうちの一枚は,丸々一頁を割いて,奄美出身の歌手である城南海さんの特集記事が掲載されていた.かなり以前から活躍している人のようだ.Wikipedia【城南海】の記述は,かなりの城南海ファンによる編集だと思われる.
 城南海さんは目鼻立ちのはっきりした美人で,これはこれはと思いつつネットで歌唱を検索してみた.みつかった YouTube を聴いてみると,確かにきれいな声と島唄の雰囲気ある上手な歌唱ではあるが,何か一つインパクトがなくて,メジャーにはなれない歌手という印象を受けた.
 通販で買った酒から,偶然一人の優れた歌い手を見つけた,というストーリーにはならなかったのが残念だが,いつの日か元ちとせさんのようなヒット曲に恵まれるといいなあと思った.

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コメント

今日は

このエントリーの一部を私の掲示板に引用しましたので 一言お断りします

fulmarことwarblerことtern

投稿: fulmar | 2018年6月12日 (火) 11時05分

おひさしぶりです.
駄文を引用していただいて,ありがとうございます.昨夜も喜界島とありあわせの惣菜で夕飯にしました.宮内庁生協ブランドの黒糖焼酎がどんなもんだかおもしろそうなので,来月の皇居参観を申し込んでみました.飲レポ掲載の予定です.

投稿: 江分利万作 | 2018年6月14日 (木) 02時04分

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