初めての台湾 (三)
前回の記事《初めての台湾 (二) 》
キャセイ・パシフィック台北行フライトの搭乗口前に再集合したツアー参加者に,添乗員Sさんは,簡単に自己紹介をしましょうと言った.参加者は十人で,男性は私ともう一人であった.
女性ツアーメンバーの年齢はまちまちで,お一人はおそらく七十歳を越しておられるのではと思われた.お元気であるなあと感服.女性の服装のことはわからないのだが,彼女は高級ブランドと思われるパーカーをお召しになって,背筋はピンと伸びていらっしゃるのだった.
一番若い女性は,まだメイクも初々しい印象で,あとで食事の時に訊いたら,高校を卒業したばかりで,このツアーが初めての海外旅行だという.全然物怖じせずに一人で卒業旅行だ.今の若者は颯爽としているなあと感心した.あとは二十代が一人と三十代が二人で,残りの女性三人は年齢を推定すると四十代,五十代,六十代がお一人ずつ.Sさんは落ち着いてみえるが,三十代ですと言っていた.
そのあとでSさんのガイダンスがあり,私たちのフライトは午後すぐの便だから,夕食の機内食はかなり早いはずだという.でも今夜は台北の夜市にご案内しますから,お腹がすいたらそこで何かを召し上がってください,とのことだった.
またSさんは,ツアーのマナーについても説明した.参加者の間で発生するトラブルの一つに,食事のことがあるという.会食の際に料理をマズいと貶す人がたまにいらっしゃいますけど,おいしいと思う人もいるわけですから,料理を貶さないでくださいというのがSさんの話であった.なるほどと納得.実に行き届いた添乗員さんである.
参加者同士で軽くおしゃべりしているうちに搭乗案内のアナウンスがあり,私たちはそれぞれのシートに着いて機内の人となった.(ところで「車中の人となった」「機内の人となった」は手垢の付いた常套句だが,最初は誰が書いたのだろう)
早めの機内食の時間になり,CAさんが「牛肉か鶏肉か」と訊くので鶏料理をくれと答えた.すると配られたのはマカロニグラタンで,小指の爪ほどの鶏肉が数個入っていた.これなら「牛肉か炭水化物か」と訊くべきだと思った.私は現在,糖質制限中の身であるが,しかしこのグラタンを食べないと夜市観光まで腹がもたないだろうから,半分食べた.
そうこうしているうちにキャセイ CTX**** 便は台湾桃園国際空港へ着陸態勢に入った.
到着ロビーで再集合した私たちは,ロビーで待ち受けていた現地ガイドの女性Rさんと会った.
Rさんは御本人の口から二十九歳だと明言.彼女はかなりの美人で,しかも常に口角上がりっぱなしという好感度五つ星なのであった.私はこれが初めての台湾旅行であるが,Rさんを見て台湾は良い国であると即断した.
すぐにチャーターしてあるバスがやってきて,ツアー一行は士林夜市 (台北市内の観光マップには,○○観光夜市とただの△△夜市とがある.士林夜市はマップ上は士林観光夜市と書かれている.どう違うのかわからないのでSさんに訊ねたが,たぶんテキトーに名乗っているんじゃないかという回答だった) へ向かった.
バスの中でRさんに両替をしてもらい,やがて一時間ほどでバスは夜市に到着した.いよいよ台湾観光のスタートである.
(初めての台湾 (四) へ続く)
| 固定リンク
「冥途の旅の一里塚」カテゴリの記事
- ちょっと心配 (続)(2020.01.29)
- ちょっと心配(2020.01.26)
- 東京都美術館のケーキ(2019.12.05)
- まさかのお一人様ディズニー (三)(2019.06.09)
- まさかのお一人様ディズニー (二)(2019.06.07)
コメント