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2017年9月 7日 (木)

糖質制限食本・補遺(十)

 前回の記事《糖質制限食本・補遺(九) 》の末尾を再掲する.

なぜ新開氏だけが不正解なのか.(爆)
 たぶん新開氏の学力が中学生以下なのではない.
 氏は「朝からテレビを見ているような視聴者には何を言ってもわかるまい」とナメているのである.
 ところが,朝からテレビを見ているような老人
σ(^_^;) でも騙すのは簡単ではないのである.

 問題がコレステロールのことだから,健康診断の血液検査についての話から始める.
 下の画像は,私の血液検査 (血液以外の検査も含めて,一般には生化学検査という) 結果の一部をトリミングしたものである.

Kensa_results

 検査結果が基準値を外れていると,各検査項目の結果数値の横に"H"あるいは"L"と印字されたり,基準値範囲にあるか,あるいは基準値よりも低いか高いかが結果欄に"*"などで印字される様式が普通だ.
 私の例では,中性脂肪が基準値からわずかに高くて"H"が打たれていますなあ.しかしあとは基準値範囲内だ.(基準範囲内にあることと,正常であることとは別の話だが)

 二十代の若い男性は,健康診断の血液検査で何か問題を指摘されるなんてことはあまりないだろうから,コレステロールに関する医学知識はほとんどないだろう.
 しかしこれが中年期に差し掛かると,夜討ち朝駆けの仕事の疲労が貯まって運動どころではなくなり,連日連夜の飲酒喫煙カラオケの結果,血液検査結果の基準範囲外欄に"*"が一つ増え,二つ増え,痛風の発作に怯えつつ遂には十数キログラムの内臓脂肪を蓄積して立派なメタボおやじとなるのだ.

 しかし会社員という種類の人間は転んでもただでは起きぬ.二十四時間戦える (死語) 会社員として必須のスキルである自己啓発の徹底教育を受けているから,ただ茫然と事態の悪化を眺めているわけではない.
 生活習慣病とは何かについてきちんと勉強し,コレステロールについての正確な知識を身に着けるのである.
 その結果,そこら辺の開業医と対等に議論できるほどの知識レベルに到達した者も少なくない.ただし,生活習慣病について深く学んでも,自分の生活習慣の立て直しがまた別の話であることは言うまでもない.

 そういうわけで,現役の頃は歩く生活習慣病とまでいわれた団塊爺さんたちをコレステロールに関して騙すのはかなり大変なのである.
 そういう強面の一般老人の目から見て,東京都健康長寿医療センター研究所で指導的立場の地位に就いている新開省二氏のコレステロールに関する知識レベルは,実にお粗末の一言に尽きる.
 そのお粗末振りを示すためには,そもそもの話から始めねばならない.
 そもそも総コレステロールとは何か.
(続く)

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