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2017年8月 5日 (土)

積年の腰痛

 私が慢性の腰痛に悩まされるようになってから十数年になる.
 少し歩くと腰の鈍痛で一歩も前に歩けなくなるのだが,背中を丸め気味にして数分休むと,また歩けるようになる.
 これは間欠性跛行といい,腰部脊柱管狭窄症の典型的な症状とされる.私の場合だが,腰を庇って歩くせいか,歩く姿勢も,他人から見るとヘンな格好に見えると言われた.
 整形外科の開業医によれば,私の腰には特に椎間板ヘルニアなどはないという.
 その医師は,脊柱管狭窄症の可能性を指摘しないので変だなとは思いつつ,勧められるままにリハビリの「牽引」などの治療もやってみたが,全く改善は見られないので,一年程でやめた.近所では名医との評判だったが,患者に愛想がいいだけの藪医ではないかと思われた.

 そんな状態ですっかり腰痛治療を諦めていたところ,一昨年の夏,NHKスペシャル《腰痛・治療革命 ~見えてきた痛みのメカニズム~ 》 (2015年7月12日放送) を観て私は,腰痛なのに腰を抜かすほど驚いた.

 そもそも日本人の腰痛は大部分が原因不明なのだという.
 腰痛に関する最新の研究成果によると,原因不明の腰痛とは,過去に腰に炎症が起きたことがあるとして,炎症が鎮まってもその記憶というか恐怖感がそのまま残っている精神的状態ではないかという.心因性腰痛症というらしい.
 心因性腰痛症のメカニズムが明らかになりつつあるのは,近年の脳科学の進展が大きく寄与していると思われるが,それはそれとして番組内容には深く感動したものの,私の性格はほとんどノーテンキと断じて構わぬものであるからして,私の腰に何かしらの精神的要因が影響しているとはとても思われなかった.

 さて二年後の今夏,ウォーキングを始めようと思い立った.
 定年後の無為徒食で巨大化する私の身体をなんとかせねばと思ったのである.
 だが,ウォーキングはいいが腰痛はどうする?
 間欠性跛行ウォーキングって恰好悪いなあ,はは.

 しかし,私は上に述べたようにノーテンキな性格であるので,よたよたと跛行してもいいやアハハと笑い飛ばして,早朝四時からのウォーキングを始めた.
 すると,である.
 その朝を境に,長年の腰痛が影を潜めたのである.以来,一度も腰が痛くなっていない.
 これには,せっかく腰痛が治ったのに腰を抜かすほど驚いた.
 私の腰痛はやはり心因性だったらしいのであるが,瞑想して心の底を観てみたが,心の闇とかがぜーんぜんないのである.ま,治ったんだからいいや,アハハ.

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